■使いやすさに注力した「気軽な相棒」
2022年9月15日、スバルのクロスオーバーSUVシリーズの末っ子となる「XV」が「クロストレック」に改名し、新型モデルが世界初公開されました。
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新型クロストレックの開発をとりまとめたPGM(プロジェクト・ゼネラル・マネージャー)の毛塚紹一郎氏に、このクルマに込めた「想い」やアピールポイントなどについて話を聞きました。
――従来モデルのXVは「レガシィ アウトバック」や「フォレスター」と並ぶ販売台数も記録するなど、スバルの重要な基幹モデルに成長しました。
当然、新型に対する期待値は高いと思いますが、やはり気になるのは車名変更です。なぜ今回、車名をクロストレックに統一したのでしょうか。
毛塚:これまでクロストレックはXVの北米仕様のネーミングでしたが、新型はグローバル展開するモデルということでクロストレックに統一しました。
ちなみにクロストレックは「クロスオーバー」と「トレッキング」の造語で、「アーバンからアウトドアまでどこにでも行け、トレッキングのようにカジュアルにアクティビティを楽しんでほしい」という想いが込められています。
――ただ、スバルのいうトレッキングは、他メーカーのそれよりも圧倒的にレベルが高いところにあると思いますが。
毛塚:実力としてはそうですが、お客さまはライトなシーンで使う人がほとんどです。ライバルよりも走破性は間違いなく高く、それを「安心、安全、安定」な走りに活かすことが、このクルマの役目です。
――そういえば、XVは「インプレッサ」の派生モデルでしたが、新型クロストレックの立ち位置はどうなりますか。
毛塚:XVの後継モデルであることは間違いありませんが、スタートラインが違います。これまでのXVは「インプレッサをベースに」でしたが、クロストレックは最初から「クロストレックを作る」でした。
――「インプレッサありきのXV」から「クロストレック最適設計」になったということでしょうか。
毛塚:そうです。ただ、インプレッサも並行して開発しているのは事実です。
――エクステリアはSUVシリーズと「レヴォーグ」「WRX S4」の良いところが上手にバランスをとって反映されているように感じました。
毛塚:販売店から「ユーザーはこのクルマに『楽しさ』を期待している」という声も多かったので、そこは強く意識しました。
ちなみにデザインは“最初にやりすぎてから戻す”というようなイメージで進めています。ある意味、引き算のデザインです。
――ルーフ後端を下げ、リア周りを絞るなど、かなりスポーティなイメージです。居住性や積載性などへの影響はありますか。
毛塚:ルーフラインは人が座る部分の後ろから下げているので、居住性は不変です。ラゲッジスペースは、数値的には下がっていますが、実用上は同等レベルになっています。
――インテリアはインパネセンターに最新スバルのトレンド「縦型ディスプレイ」を採用するも、それ以外はオーソドックスです。
毛塚:「気軽な相棒」というイメージで、とにかく使いやすさにこだわっていて、カップホルダー、USB電源、スマホの置き場所などは色々な議論をしました。
弊社のクルマはチョイ乗りよりもロングで走る人が多いので、ストレスなく使えることが大事です。
――タンデムのカップホルダーは最近登場したクルマのなかでは最高の出来だと思います。
毛塚:ありがとうございます。カップホルダーは社内でトップアイテムの扱いですので。
■将来的にトヨタのハイブリッドシステムを搭載!?
――パワートレインは2リッターe-BOXER(ハイブリッド)のみの設定になりました。従来モデルのXVは1.6リッター自然吸気も人気だったと聞いています。
毛塚:さまざまな規制を考えて、日本向けはハイブリッドのみとしました。ガソリン車は、設定すれば出した瞬間こそ売れると思いますが、長期的にとなると難しいところです。
新型クロストレックのe-BOXERやリニアトロニックCVTは、振動や音といった雑味を取ることで、乗り味も良くなっています。
――ほかのハイブリッドユニットも検討しているそうですね。
毛塚:すでに中期経営計画などで発表済みですが、トヨタの「THS II」を活用したハイブリッドも開発中で、モデルライフのなかで考えています。
――シャシ系はインナーフレーム構造、2ピニオン電動パワーステアリング、電動ブレーキブースターなど、レヴォーグやWRX S4譲りの武器をフル活用しています。走りに関しては相当、期待しています。
毛塚:そこはご安心ください。テストコースの周回路を無限に乗っていたくなるくらいに仕上がっています。曲がるだけでなく真っすぐ走っても「楽しい!」と思っていただけるはずです。
――ちなみにベンチマークとなったライバル車は何ですか。
毛塚:色々ありますが、最大のライバルは「従来型XV」でした。
もちろん個々の性能は新たな武器で良くなっていますが、クルマ全体のバランスという部分では、なかなか超えられず苦労しました。
フルインナーフレーム構造だけでは足りず、シート剛性やルーフの共振抑制、さらにはACT-4(アクティブトルクスプリットAWD)の制御変更など、華やかさはありませんが車両全体にさまざまな工夫を盛り込んでいます。
その結果、乗ったら「何かいいよね!」と思っていただけるクルマに仕上がったと自負しています。
――バランスに優れた走りということでしょうか。
毛塚:挑むような走りではなく、どんな道でも普通に何も意識せずに「スーッ」と走れてしまうような実力を備えています。
――安全性能の進化はどうでしょうか。
毛塚:高度運転支援技術の「アイサイトX」は未採用ですが、「次世代アイサイト」を搭載しており、ステレオカメラ+広角単眼カメラの3眼に進化させました。
これによりプリクラッシュブレーキで対応できるシチュエーションも拡大し、アイサイトとして最高の性能を実現しています。
また多くの人から要望があった、車両周囲360°を映し出すデジタルマルチビューモニターも設定しています。
――周りの反応はどうですか。
毛塚:社内の確認会では、「あまり変わっていない?」が半分、「やりすぎじゃないか?」が半分といった感じです。
日本ではXVユーザーの平均年齢が高いので若い人に振り向いて欲しいと思っていますが、実際に若い人からの評判が高いと聞いてホッとしています。
発売は2023年を予定していますが、早く皆さんにステアリングを握ってほしいです。
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