国内での取り扱いモデル数が増加し選り取り見取りの輸入車SUV
国内で販売される輸入車の多くがSUVになってきています。国産メーカーも状況は同じですが、輸入車の売れ筋モデルはもれなくSUVというのが現状。そんな数ある輸入車SUVのなかで、なにを選べばいいかを探っていきましょう。
メーカーに直撃! 幅が広すぎてわからない今流行の自動車ジャンル「SUV」の本当の定義とは
日本でのSUV人気はいかに?
日本自動車販売協会連合会と全国軽自動車協会連合会が発表した2021年2月の新車販売統計によると、SUVは5位がトヨタ・ハリアー(8006台)、14位に日産キックス(5069台)、18位にトヨタRAV4(4220台)、その他、50位以内にトヨタ・ランドクルーザー、マツダCX-5、マツダCX-8、ダイハツ・ロッキー、トヨタC-HR、マツダCX-30、スバル・フォレスター、スズキ・ジムニーワゴン(ジムニーシエラ)、日産エクストレイル、スズキ・クロスビー、マツダCX-3、三菱エクリプスクロスがランクイン。
販売ランキングの上位こそコンパクトカーやミニバンが占めていますが、SUVの販売比率も大きなパーセンテージを有しています。
販売データを見る限り、国内自動車市場でSUVは大きな人気を占めているのですが、面白いデータを見つけました。
日本自動車輸入組合(JAIA)が発表した輸入車新車登録台数速報で2021年2月の外国メーカー別ランキングを見ると、トップはメルセデス・ベンツ、2位はBMW、3位はフォルクスワーゲンと順当な上位ブランドにまじり、ジープがボルボに次いで8位に位置しているのです。
プジョーやルノーを抑えた好位置にジープがつけているのは同社のSUV、ラングラーの人気が貢献していることがその理由でしょう。
販売店スタッフいわく「需要はもっとあるのに、本国(アメリカ)から車両(ラングラー)が入ってこないんですよ…」との声もあるだけに、今後、さらなる躍進を果たす可能性もあります。
ミニバンやコンパクトカーとともに、SUVは国内市場において大人気セグメントであることは間違いありません。
輸入車SUVの人気を深堀り
ここまで国内でSUVが人気であることを説明してきましたが、その理由はなぜでしょう。
購入者的視点で考えると大きく2つの理由があるのではないでしょうか。
ひとつは実用性・利便性が高いこと。高い着座位置から運転できることや、ミニバンには及ばないものもありますが広い室内空間がもたらす高いユーティリティなど、運転しやすさや実用性を備えていることは大きな購入動機となることは間違いありません。
そしてもうひとつが、趣味性を備えていること。ユーティリティが高いミニバンと比較すると、スポーティやスタイリッシュなイメージを持つのはSUVといえます。
先ほどお伝えした国内新車販売台数でハリアーが5位に位置しているのは、この2つの要素を備えているからでしょう。
そんな購入目的を考えたとき輸入車を選ぶ理由は何なのでしょうか?
同じクラスで見ると輸入車のほうが車両価格は高くある分、ハードルは上がります。それでも購入に踏み切るのは、実用性はもちろん、より高い趣味性や個性、さらに輸入車が備えているブランド力にあるのではないでしょうか。
国産車ではハリアーがそれに近いのですが、現状、ミドルサイズ以上のクーペSUVは輸入車しかないですし、走りに特化したSUVを選ぶならポルシェ・カイエンやマカンを選びたくなるでしょう。
実用面プラスαを求めるユーザーにとって、輸入車SUVは大きな魅力を備えているのです。
輸入車SUVを販売する海外ブランドとその特徴
先ほど話したジープをはじめ、現在、多くの輸入車メーカーがSUVをラインアップしています。それらのなかから、とくにSUVに力を入れているメーカーの歴史や特徴を説明していきましょう。
1)メルセデス・ベンツ
ひと昔前までC、E、Sと続くセダンがラインアップの主流だったメルセデス・ベンツですが、いまやSUV王国ともいえるほど多彩なモデルをそろえています。
同社のSUVといえばGクラスを連想する方が多いと思いますが、軍用車両を源流とするゲレンデヴァーゲンが登場したのが1979年。数々の改良が行われ発展したGクラスとともに、メルセデス・ベンツのSUVラインアップは拡大してきました。
2)BMW
メルセデス・ベンツ同様、販売の主流はセダンだったBMW。SUV最初のモデルは2000年に登場したX5でした。ただし、BMW的にはSUVではなく、SAV(スポーツ・アクティビティ・ビークル)と呼んでいたのが走りを重視したメーカーらしいこだわりです。
X5の販売が成功したBMWは、X3、X1などラインアップを拡大。2006年には、いままでになかったクーペとSUVのクロスオーバーであるX6を発表するなど、個性的なモデルを発表していきました。
3)ジープ
クルマ好きはもちろん、ブランドの知名度は抜群のジープは1941年に誕生した軍用モデルのウィリスからその歴史はスタートします。
その後、農耕モデル、トラックとモデルを展開していったジープは1950年代から乗用モデルも販売を開始。1960年代に入るとワゴニア、1970年代にはチェロキーといまに続くモデルを発表していきます。
現在ジープはレネゲード、コンパス、チェロキー、グランドチェロキーなど多彩なラインアップを誇りますが、販売の中心はラングラー。
先代モデルから設定された5ドアロングボディーの「アンリミテッド」が販売を牽引し、日本国内でも大きな人気を博しています。
4)ランドローバー
元々、イギリスのローバー社が第二次世界大戦中に開発したオフローダー車両「ランドローバー」をきっかけに誕生したブランド。シリーズ1からスタートしたランドローバーは改良が重ねられていきディスカバリーやディフェンダーへ発展していきますが、同ブランドがその名を世界に轟かせたのは、1970年に登場したレンジローバーであることは間違いないでしょう。
オフローダー初となるフルタイム4WDを備えるなど高いオフロード性能を有しながら、快適性も備えたレンジローバーはラグジュアリーSUVの元祖といえる一台です。ランドローバーは、親会社のローバーがBMWに買収されると、同ブランドは分割されフォードへ売却。その後、インドのタタの傘下に入ります。
現在も同じタタ傘下にいるランドローバーですが、国内で7車種が販売されるなどラインアップは大きく拡大していきました。
目的別・おすすめ輸入車SUV10選
取り回し良し!個性的なコンパクトSUV部門
国内での使い勝手を考えると国産SUVを選びがちですよね。それでも輸入車SUVを選びたくなる、そんな個性的なコンパクトSUVをピックアップしました。
1)BMW X2
車両本体価格:451.0~701.0万円
全長:4375mm 全幅:1825mm 全高:1535mm
X1とともにBMWのSUVシリーズを下支えするコンパクトモデル。X1同様、FF系のプラットフォームを用いていますが、全高を低く抑えたクーペSUVとなります。とはいえ、後席の頭上や足元には十分スペースを取るなど居住性も上々。ラゲッジ容量も470Lとまあまあのスペースを確保しています。
大径のタイヤを採用したことで乗り心地はやや硬めですが、その分、ワインディング・ロードなどでの走りは秀逸のため、スポーティな走りを重視するユーザーには最適な一台といえるでしょう。
パワーユニットも多彩で、1.5リッター直3ターボエンジンをはじめ、2リッター直4ターボ、また2リッター直4ディーゼルターボをラインアップ。2リッターガソリンおよびディーゼルエンジンには8速ATと4WDが組み合わされます。
2)メルセデス・ベンツ GLBクラス
車両本体価格:518.0~737.0万円
全長:4640mm 全幅:1835mm 全高:1700mm
いまや数多くのラインアップを誇るメルセデス・ベンツのSUVシリーズ。GLAとともにエントリーモデルとなるGLBは「使い勝手の良いコンパクトなボディ」、「3列シート」、「メルセデスなのにリーズナブル」と、とくにファミリーユースからの購買欲をそそるポイントを備えています。
GLA同様、FFレイアウトを採用。実用性が高いにもかかわらず国内の道路環境でも持て余すことがないサイズが人気の理由です。
スクエアなデザインを採用したことで室内スペースも余裕があり、3列目シートは床下に格納することができるなどユーティリティ性能は抜群。
用意されるパワーユニットはGLAにも搭載される2リッター直4ディーゼルと最高出力306馬力を発揮する2リッター直4ガソリンの2種類。ともに8速ATが組み合わされます。
3)ボルボ XC40
車両本体価格:409.0~649.0万円
全長:4425mm 全幅:1875mm 全高:1660mm
日本市場で売れ筋モデルとなったCセグメントSUVのXC40。2リッターエンジン+モーターのハイブリッド仕様と1.5リッターエンジン+モーターのプラグインハイブリッドと2つの電動パワーユニットを備えているのが環境を重視するユーザー心をくすぐるのではないでしょうか。
ウインドウグラフィックやドアパネルの下部など六角形のモチーフをふんだんに取り入れたサイドボディなど、個性的なエクステリアデザインを採用。
コンパクトなボディながら、後席にはゆとりあるスペースを備え460Lのラゲッジスペースを有しています。
国産SUVを含めこのクラスにはライバルが数多く存在しますが、全車がハイブリッドであること、また北欧ムード満載なインテリアなどXC40ならではの魅力を数多く備えています。
4)ミニ・クロスオーバー
車両本体価格:430.0~609.0万円
全長:4315mm 全幅:1820mm 全高:1595mm
多彩なラインアップを誇るミニファミリーにおいて、唯一のSUVとなるのがミニ・クロスオーバー。
とはいえ、ミニをベースにしたのではなくBMW X1などと共通のシャシーをベースにしています。その分、室内スペースはミニの5ドアモデルよりもゆとりあるスペースを有しているのが特徴といえるでしょう。
SUVながら全高を抑えていることで、走行性能はミニと大きく変わらない印象を受けるはず。ただ、ミニ特有の「ゴーカートフィーリング」は、そこまで大きくありません。
また、パワーユニットが多いこともミニ・クロスオーバーの特徴で、2リッター直4ガソリン&ディーゼル、さらに1.5リッター直3+モーターのPHVもラインナップ。利用シーンに合わせて、最適なパワーユニットを選択することが可能です。ミニが欲しいけど、ユーティリティ性がちょっと…と悩んでいるユーザーにはとくにおすすめの一台です。
オフロード性能抜群なアウトドア派におすすめのSUV部門
オンロードはもちろん、オフロード性能を重視した輸入車SUVも少なくありません。そんな車種のなかから、とくに悪路走破性に特化したSUVをピックアップしていきましょう。
1)ジープ・ラングラー
車両本体価格:513.0~628.0万円
全長:4870mm(3ドア4320mm) 全幅:1895mm 全高:1840mm(3ドア1825mm)
第二次世界大戦中に開発された軍用車両を祖とするラングラー。直系モデルだけに、四輪リジットサスペンションや独自の四輪駆動システム「セレクトラック」を採用するなど、オフロード走行を重視した機能や性能を備えています。
現行モデルはアメリカ本国のみならず、日本でも大きな人気を博していますが販売の主流は5ドアモデルの「アンリミテッド」。(3ドアのスポーツは受注生産)
エンジンは3.6リッターV6と最大トルク40.8kg-mを発揮する2リッター直4をラインアップし、ともに8速ATが組み合わされます。
ただ、オンロードメインで楽しむユーザーにとって、モジュール式ハードトップを採用する独自のボディ構成のため快適性はやや難あり。数多く存在するオプションや市販パーツで快適性能を向上させるほうが幸せになれるでしょう。
2)メルセデス・ベンツ Gクラス
車両本体価格:1251.0~2218.0万円
全長:4665mm 全幅:1985mm 全高:1975mm
軍用車両を源流とするゲレンデヴァーゲンが登場したのが1979年。数々の改良が行われ発展してきたGクラスが初めてのフルモデルチェンジを2018年に実施して、同年に国内販売を開始したのが現行モデルです。
丸形のヘッドライトやオーバーフェンダーなど、デザインは初代のイメージそのままに踏襲。一方、インテリアは横長のコックピットディスプレイなどを備えたインパネやシートなどエッセンスは残しつつ、初代から刷新されました。
シャシーはラダーフレームを踏襲しましたが構造を見直し軽量化と剛性向上を実現。また、サスペンション形状も見直されたことでオフロード走破性はもちろん、オンロードでの快適性が大きく向上しました。
用意されるパワーユニットは、最高出力286馬力を発揮する3リッター直6ディーゼル、422馬力を発揮する4リッターV8、さらにAMG仕様に積まれる最高出力585馬力の4リッターV8をラインアップ。
メルセデス・ベンツのSUVラインアップでは他に類を見ないオフロード性能を備えたGクラスはオンリーワンの存在といえるSUVです。
3)ランドローバー・ディフェンダー
車両本体価格:551.0~1171.0万円
全長:4945mm(3ドア4510mm) 全幅:1985mm 全高:1970mm
ラングラー同様、軍用モデル直系のディフェンダーはオフロードにおける機能性をとくに重視したSUVです。ただし、先代モデルがラダーフレームではなく、現行モデルはモノコックを採用するなど、オフロード性能だけでなくオンロードでの快適性にも力を入れて開発されました。
ボディラインアップは3ドアモデルの「90」、5ドアモデルの「110」と2つのボディタイプを設定。
センターデフ式の4WDシステムには電子制御の差動制限機構が備わり、前後の駆動力をタッチスクリーンから任意に制御することができます。またイメージが異なる個性的な4種類のアクセサリーパックが用意されていることも特徴でしょう。オフロードだけでなく、オンロード利用も想定するユーザーには魅力的なSUVです。
憧れのブランドが勢揃い!プレミアムSUV部門
輸入車SUVの魅力のひとつが豪華でラグジュアリーな車種が数多く存在すること。なかでも多くの人が憧れるSUVを挙げていきましょう。
1)アストンマーティン DBX
車両本体価格:2299.5001万円
全長:5039mm 全幅:1998mm 全高:1680mm
近年、プレミアムブランドがSUVを発表することに驚きを覚えなくなりましたが、多くの人は「まさかアストンまで!」と思ったのではないでしょうか。
独自のフロントグリルをはじめ、アストンマーティンが織りなす美しいクーペSUVスタイルを採用したDBXは走りも同様に“らしさ”を備えています。
最高出力550馬力を発揮する4リッターV8ツインターボは0→100km/h加速は4.5秒。最高速は291km/hを誇るなど、SUV界のスーパーカーといえる存在なのは間違いなし。ポルシェ・カイエンやランボルギーニ・ウルスの好敵手といえるでしょう。
2)テスラ・モデルX
車両本体価格:1169.9~1499.9万円
全長:5037mm 全幅:2070mm 全高:1680mm
テスラ唯一のSUVモデルとして人気を誇るモデルX。走行に関する機能をすべて床下に積み込んだテスラのプラットフォームを採用するEV SUVです。
床面が高くなるにもかかわらずゆとりある室内空間を備え、1列目はもちろん2列目、3列目シートも大人がしっかりと座れるスペースを可能としました。
パワーユニットは前後2モーターの「ロングレンジ」と3つの独立したモーターを備える「PLAID」を用意。ロングレンジの航続距離は580kmを誇ります。
パワートレインのみならず、17インチモニターが備わるインパネやオートパイロットなど、未来を感じる機能が満載。ただのプレミアムSUVではないところが、このクルマを選ぶ大きなポイントとなるでしょう。
3)ベントレー・ベンテイガ
車両本体価格:2907.5万円
全長:5150mm 全幅:1995mm 全高:1755mm
メーカー曰く「SUVではない。ベントレーだ」と言い切るほど、プレミアム中のプレミアムSUV。
2530kgのヘビー級ボディを引っ張るのは最高出力608馬力を発揮する6リッターW12エンジンで、最高出力はなんと301km/h!世界最速のSUVと称されていますがオンロードはもちろん、砂漠や悪路をものともせず走破する実力を備えています。ベントレーらしいラグジュアリーなインテリアはウッドパネルやレザーの種類を豊富に用意。
ラゲッジスペースは巨大なボディのわりに430Lと少なめですが、実用性を重視して選ぶモデルではないだけに問題ないでしょう。ロールスロイス・カリナンとともに、最高峰のSUVとして大きな存在感を示すモデルです。
使い勝手は国産SUV! ただし趣味性や個性は輸入車SUVが勝る
当然といえば当然なのですが、国産SUVの多くは国内での使い勝手を重視して設計されています。ただ、使い勝手や機能だけで語れないのがSUV。
所有する喜びやそのクルマしか備えていない際立った個性を求めるには輸入車SUVに軍配が上がります。
数ある輸入車SUVは、国産SUVでは満たされないユーザーにとって大きな魅力を持つのは間違いないでしょう。
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