ルノー傘下にあるルーマニアの自動車メーカー、ダチアは1月30日、2025年からダカールラリーとW2RC世界ラリーレイド選手権に参戦するプロトタイプマシン『SANDRIDER(サンドライダー)』を発表した。
この新型車両はは、ダチアが2022年に発表した『マニフェスト・コンセプトカー』にインスパイアされ、新たにラリー専用として設計されたマシンだという。同車にはルノー・グループとイギリスのプロドライブの専門知識も活かされている。
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サンドライダーはアルティメットT1+カテゴリーのレギュレーションのなかであらゆる可能性を巧みに利用し、主に敏捷性と重量に焦点を当てて開発が行われた。そのなかでは、ドライバーとコドライバーのニーズを満たすことができるよう、実際にドライブするクルーがVR(バーチャル・リアリティ)などを使用し、デザイナーやエンジニアへ彼らの豊富な経験と知識を共有する試みも行われた。
サンドライダーのデザインは無駄がそぎ落とされたものとなっており、無駄のない直線的な造形が特徴的。ドライバーたちのニーズに焦点を当てたアプローチとして、視認性を最適化するために航空産業から導入されたダッシュボード上部の反射防止塗料や、レイアウトを自分の要求に合わせて変更できるモジュール式ダッシュボードが採用されている。
このほかにもドライバーの経験からヒントを得て採用されたものとして、砂の中でホイールボルトを紛失しないようマグネットプレートが組み込まれるなど、クルーとエンジニア、デザイナーがともに創り上げたマシンとなった。
過酷な条件を戦うラリーレイドマシンにとっては熱管理も大切だ。サンドライダーはマシンのカーボンボディパネルに抗赤外線顔料を組み込むことで、キャビン内の温度を低く保つようデザインされた。この製法は特許申請中だという。
2025年に開催されるダカール・ラリーとW2RCに参戦するダチアのW2RC公式チーム“ダチア・サンドライダーズ”は3組のクルーで構成されており、そのドライバー陣はWRC世界ラリー選手権で9連覇の経験も持つセバスチャン・ローブ、8回のダカール出場経験を持つクリスティーナ・グティエレス、ダカールで5回もの総合優勝に輝いたナッサー・アル-アティヤという豪華な布陣だ。
アラムコから供給される合成燃料を使用して戦うサンドライダーは、今後数ヶ月にわたり複数の国でテストが行われる。その後、10月5日から11日にかけてモロッコで開催される2024年のW2RC第5戦『ラリー・デュ・マロック』がサンドライダーの実戦デビューとなる予定だ。
■『ダチア・サンドライダー』の主要諸元
FIAクラス:アルティメットT1+
シャーシ:チューブラー
本体:カーボンファイバー
エンジン:3.0リットルV型6気筒直噴ツインターボ
最大出力:265kW(360ps)@5000rpm
最大トルク:539Nm(4250rpm)@4250rpm
トランスミッション:四輪駆動
ギアボックス:6速シーケンシャル
前後サスペンション:ダブルウィッシュボーン
サスペンショントラベル:350mm
ホイール:17インチアルミ
タイヤ:BFグッドリッチ、37インチ
全長×全幅×高さ:4140×2290×1810mm
ホイールベース:3000mm
フロントオーバーハング:590mm
リヤオーバーハング:550mm
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