2023年8月8日、日産自動車(以下、日産)は「スカイラインNISMO」を発表した。その発表会場で、同車のアンバサダーとなった「日本一速い男」星野一義氏が、開発を担当した日産モータースポーツ&カスタマイズ(以下、NMC)の長谷川 聡氏と、その魅力について語り合った。(タイトル写真は左からNMCの片桐隆夫 代表取締役社長 兼 最高経営責任者、星野一義氏、NMCの長谷川 聡 チーフ ビークル エンジニア)
今や日本では日産唯一のセダンとなったスカイライン
13代目となる現行型のスカイライン(V37型)が発表されたのは、2013年。日本では2014年2月から発売されたので、すでに9年半も販売されているロングセラーだ。その間に、いまやクルマの主流はSUV、それに続くのはミニバンや軽自動車といった様相で、日本車のセダンは次々とフェードアウトしている。日本市場では新車で手に入る日産のセダンは、いまやスカイラインだけになってしまった。
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そのスカイラインも「現行モデル限りか?」などと噂されているが、日産はスカイラインに限定モデルながら特別仕様モデルの「スカイライン NISMO」を発表した。その概要に関しては当Webモーターマガジンでも速報で紹介したが、発表会の模様も紹介しておこう。
今回、スペシャルゲストとして登場したのは、スカイラインを駆って数多くのレースで勝利を重ねた「日本一速い男」星野一義氏。そして、スカイライン NISMOの開発担当者である長谷川 聡氏。長谷川氏は、NMCでスーパーGTのフェアレディZといったレース用マシンの開発も手がけている。
じつは日産ワークスのレーシングドライバーになる前に、スカイラインGT-B(2代目のS54B)を購入して乗っていたという星野氏。その言葉の端々から「日産愛」や「スカイライン愛」が感じられたのだが、今回のスカイラインNISMOをサーキットで試乗して、ハードすぎない「大人のセッティング」に感服したという。
GTとして最良のレベルに仕上げられたスカイラインNISMO
スカイラインNISMOのコンセプトは「The スカイラインGT」だと長谷川氏は語る。そのスタイリングはスカイラインファンやNISMOファンに好かれるものでなければならない。そして、より速く、気持ち良く、安心して乗れるクルマでなければならない。しかもセダンであるから、居住性や快適性も諦めてはいけない。これは、スカイラインGT生みの親である櫻井真一郎氏のクルマ作りに近づきたいという思いでもあったという。
最近のクルマは実車でのテストではなく、コンピュータ上のシミュレーションで仕上げていくモデルも多い。だが、このスカイラインNISMOは日産の評価ドライバーに数多く乗ってもらい、ドライバーとの対話で仕上げていった。それが、サーキットで試乗した星野氏が降りるなり「いいね!」と言った結果に結びついている。
都内の40km/hでも、高速道路の100km/hでも、箱根ターンパイクのようなワインディングロードでも走りを楽しむことができ、タイヤのグリップ感をステアリングホイールに伝えてくる。星野氏は「GTとして最良のレベルにある」と評価し、「できればマニュアルシフトが欲しくなるね」と語った。
スカイラインNISMOならではの「こだわり」
星野氏が「お世辞じゃないよ」と笑いながら賞賛したスカイラインNISMOには、このクルマならではの「こだわり」がいくつかある。
まず、パワーユニットはスーパーGTのGT500レース用エンジンに関わった開発者が同じ開発設備を使ってチューニングを施し、ベースのエンジンから最高出力は15psアップの420ps、最大トルクは75Nmアップの475Nmを発生している。しかも、低中速トルクを大幅にアップしている。
そのトルクを確実に路面に伝えるため、リアタイヤの幅はフロントより20mm拡大している。市販車ではタイヤローテーションなどの関係で、前後を異サイズにするのはスポーツカー以外では採用されることは少ないのだが、長谷川氏は「NISMOだから」とこだわってコーナリング性能を高めるために採用した。
そのパフォーマンスを外観からも認識できるよう、前後のバンパーとサイドシルカバーは専用パーツとして開発した。「機能パーツであることの証し(長谷川氏)」である鮮やかなレッドアクセントや、専用のフォグランプ、エンブレムなど、ひと目でNISMOと分かるデザインだ。
サーフィンラインやGTバッジにもこだわる
しかも、フロントバンパーロアグリルとフォグランプを取り囲むダンベル風の造形は、S54(2代目)や箱スカ(3代目)のフロントマスクをオマージュしている。またリアドア下からリアバンパー下には「かくしサーフィンライン(長谷川氏)」が入っており、リアホイールの中心を前後に貫くなど、スカイラインらしい力強さを表現している。さらに、フロントフェンダーに付けられた伝統の「赤バッジ」も、色や形などディテールにこだわって再現されている。
スカイライン NISMOは限定1000台。そのうちの100台は横浜工場の匠ラインで特別な資格を持つ匠が一つ一つを手組みで作り上げる高精度なエンジンを搭載する「NISMO リミテッド」となる。発売は9月上旬の予定だが、NISMO リミテッドは抽選販売となる。
今回、スカイライン NISMOのアンバサダーに就任した星野氏には、スカイライン NISMO 1号車が贈呈された。記念のキーを受け取った星野氏は「永年、日産と仕事してきて良かった(笑)」と嬉しそうに語った。
スカイライン NISMOの車両価格(税込)は、NISMOが788万0400円、RECAROシート+カーボン製フィニッシャー装着車が847万円、NISMO リミテッドが947万9800円となっている。いずれも、トランスミッションは7速AT、駆動方式は2WD(FR)のみ。
日産 スカイライン NISMO 主要諸元
●全長×全幅×全高:4835×1820×1440mm
●ホイールベース:2850mm
●車両重量:1760kg
●エンジン:V6 DOHCターボ
●総排気量:2997cc
●最高出力:309kW(420ps)/6400rpm
●最大トルク:550Nm(56.1kgm)/2800-4400rpm
●トランスミッション:7速AT
●駆動方式:FR
●燃料・タンク容量:プレミアム・80L
●WLTCモード燃費:未発表
●タイヤサイズ:前245/40R19、後265/35R19
●車両価格(税込):788万400円
[ アルバム : スカイライン NISMO はオリジナルサイトでご覧ください ]
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