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MINI CLUBMAN試乗レポート 大きくなったMINIはMINIらしくないのか?

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MINI CLUBMAN試乗レポート 大きくなったMINIはMINIらしくないのか?

BMWが手掛けるプレミアム・コンパクトのMINI。ここ数年MINIのラインアップは増え続け3ドア、5ドアにロードスターやワゴンタイプ、そして4WDとバリエーションが豊富だ。そのMINIのラインアップにあったMINI CLUBMANがボディサイズをアップしてモデルチェンジした。ひとまわり大きくなったMINI CLUBMANに試乗してきたのでレポートしよう。<レポート高橋 明/Akira Takahashi>


これまでのMINIはBセグメントと呼ばれるサイズのカテゴリーだったが、ひとまわり大きくなりCセグメントへとサイズアップした。BMW流の言い方をするとプレミアム・スモール・コンパクトからプレミアム・コンパクトへとポジションチェンジしたことになる。

もともとMINIは量販・大衆カテゴリーではなくプレミアムなモデルというポジショニングで、BカーのプレミアムではアルファロメロのMitoやアウディA1などが同じポジションだ。しかし、これらのモデルは個性的なルックスからも指名買いが大半を占めるモデルで、今回のサイズアップに伴うポジションチェンジによって、直接的なライバルが現れるというわけでもない。比較するとすればアウディA3、ジュリエッタ、メルセデス・ベンツのAクラスなどがライバルになる。Cセグメントの代表ともいえるフォルクスワーゲン・ゴルフは量販・大衆カテゴリーなので、比較するとピントがずれてしまう。

今回のフルモデルチェンジでMINI CLUBMANは2代目となり、初代は2007年にデビューしている。もっともBMWグループ以前のMINIでは1969年にシューティングブレークとしてデビューしている。2代目となったMINI CLUBMANも特徴的なリヤがセパレートの観音開きするデザインはそのままに、全体にサイズアップしている。ちなみにこのスプリットリヤ・ドアにはイージーオープナー機能があり、足をバンパー下に蹴り込む動作をすると1度目で右側が自動で開き、2度目で左側が開く機能を装備している。

ボディサイズは先代に比較し全長で290mm、全幅115mm拡大し、全長4270mm×全幅1800mm×全高1470mm、ホイールベース2670mmとなった。グレードは2グレード設定されMINI COOPERとMINI COOPER Sの2種類。スペックが異なり、COOPERは3気筒1.5Lターボ(B38A15A型)で6速ATが組み合わされる。燃費はJC08モードで17.1km/L。上級グレードとなるCOOPER Sは2.0Lターボ(B48A20A型)で8速ATが組み合わされている。同じくモード燃費は16.6km/Lとなっている。

気になる価格は、COOPERが344万円、COOPER Sが384万円でともに消費税込み。試乗車はCOOPER Sのほうで2.0Lターボだ。それに225/40R18サイズのオプション設定されるタイヤ&ホイールやCHILI Package、レザーのシートヒーター、電動メモリー付きスポーツシート、アダプティブLEDヘッドライトなどのオプションをたくさん搭載したモデルで、オプション総額116万円。車両本体の384万円にプラスすると、ぴったり500万円!というプレミアムなMINIの試乗だった。

ライバルの価格を見るとアウディA3であれば、おおよそ320万円台から375万円、メルセデス・ベンツAクラスであれば326万円台から530万円、アルファロメオ・ジュリエッタが約360万円といった価格で、大衆グレードのVWゴルフは中心的モデルで287万円台から約325万円といった価格だ。

インテリアはホイールベースやボディサイズがアップしたことで、室内の広さも広がっている。特に後席の足元スペースは広くなり余裕が持てる。大人4人が問題なく乗れる広さがある。また、クラブマンの特徴でもある荷室スペースもステーションワゴン的な広さがあり、フラットな床面は使い勝手もいいだろう。さらにシートは40:20:40の3分割で畳めるので、長尺モノも問題ない。

運転席まわりはMINIらしく円形を基調としたデザインをキチンと踏襲し、センターメーターをイメージさせるナビゲーションやトグルスイッチなど、そそられる装備は従来モデルと差はない。ステアリングも手触り感やレザーシート、ドアトリムなど手や腕の触れる箇所の質感はプレミアムモデルらしいものになっている。

試乗車の2.0Lターボエンジンは192ps/280Nm の出力で、エンジンの音を聞きながらドライブが楽しめる。プレミアムモデルとはいえ、MINIの軽快な走りと、すばしっこいイメージのハンドリングは健在で、アクセルを踏めば踏んだなりにエキゾーストノートが聞こえ、きびきびと走る。また、ドライビングモードもあり、オプションだがダイナミックダンパーコントロールも装備しているので、よりスポーティな走りも楽しむことができる。

これまでMINIには興味があって欲しいなぁと思いつつ、サイズ的に迷っていたユーザーにはドンピシャなサイズでデビューしてきた印象だ。MINIらしさをまったく損なうことなく、サイズアップしたのは見事なフルモデルチェンジだと言える。今後、他のモデルもサイズアップしてくる可能性があるが、3ドアHBを中心としてコアファンから支持されるモデルは大きくならないだろう。逆に4WDのクロスオーバーなどはもともとユーティリティを重視しているモデルなどは、サイズアップの可能性が高いと思う。

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