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あってもいいけどなくてもいい?? パドルシフトの用途と必要性

掲載 更新 26
あってもいいけどなくてもいい?? パドルシフトの用途と必要性

 スポーティなクルマだけでなく、コンパクトカーやSUV、ミニバンにまで装備されていることがある「パドルシフト」。しかし、このパドルシフトは、納車された直後は頻繁に使っていても、そのうち飽きて使わなくなってしまう装備の筆頭。使わなくても運転はできるので、あってもなくてもいい装備ではあります。

 それでもなぜ、パドルシフトは無くならないでしょうか。

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文:吉川賢一
写真:TOYOTA、NISSAN、HONDA、SUBARU、MITSUBISHI、SUZUKI、DAIHATSU、MAZDA、ベストカー編集部 ベストカーweb編集部、エムスリープロダクション

【画像ギャラリー】スポーティセダンからラージミニバンまで!! パドルシフトのあるクルマをギャラリーでチェック!!

あってもなくてもいい

 パドルシフトは、1980年代後半にF1のフェラーリに搭載したのが始まり、といわれています。

 それまでは、レーシングカーでもHパターンのシフトやIパターンのシーケンシャルシフトが使われていましたが、0.01秒以下を競うレースの世界で戦うドライバーにとって、一瞬でもステアリングホイールから片手を放す時間があることは、タイムロスとなるばかりでなく、危険でもあります。

 そういったことから、シフト操作の時間短縮と、シフトミスの頻度低減を目的として、パドルシフトは誕生しました。

 日産GT-Rやトヨタスープラ、ホンダNSXのような、サーキットなどでのスポーツ走行も考えられるクルマであれば、F1と同じようなメリットは享受できるでしょう。しかし、一般的な乗用車では、パドルシフトで操作しなければならない理由はありません。

日産GT-Rのような、サーキットなどでのスポーツ走行も考えられるクルマであれば、シフト操作の時間短縮と、シフトミスの頻度低減といったメリットを享受できるはず

 オートマチックトランスミッション(AT)車は、Dレンジに入れさえすれば普通に走れますし、仮に強い加速が必要ならば、アクセルペダルを深く踏み込んで、「キックダウン」を使えばよいだけ。

 坂道などで速くなりすぎた車速を落とすには、シフトノブ側でオーバードライブやBレンジ(EVやハイブリッド車で回生ブレーキが強めに効くシフトポジション)を使うか、ブレーキを使えば、減速度は効率的に得られます。

 また、昨今はクルーズコントロールがついていれば、坂道などでも車速を一定にすることができるため、存在価値がさらに薄くなりつつあります。

 「ハンドルから手を放さずにシフトダウンができること」 「使い方次第では燃費が向上する」など、パドルシフトに、機能的価値がないわけではなく、使えば楽しいし、毎日使って染みついていて運転感覚の一部になっている方もおり、その気持ちもわかります。しかしながら「なくてもそれほど問題ではない」装備ではあります。

 また、パドルシフトを装備することで、一定の開発工数や部品代がかかっており、それが車両本体価格に上乗せされていることも確か。新車として納車された直後は使いまくっていても、しばらくしたら使わなくなってもう3年……というケースも珍しくないのでは。いや重ねていうと、便利に楽しく使っている方も多いというのもわかるのですが。それでもなぜ、自動車メーカーはパドルシフトをつけているのでしょうか。

パドルシフトに、機能的価値がないわけではないが、残念ながら必須装備ではない

存在意義は「プレジャー(遊び)」

 やはり、パドルシフトは「ドライビングを楽しむため」にあるのでしょう。高速走行中、微妙に車速を落としたいとき、シフトダウンをしてエンジンブレーキをかけると思いますが、このとき、左のパドルシフトを引き、1段下のギアへとシフトチェンジすると、エンジン回転が一時的に上がり、減速Gが立ち上がります。

 スポーツ走行などで、もっと強めに減速したいときは、パドルシフトを「カチカチ」と2回引けば、より強い減速Gが得られます。シフトノブよりも、よりレーシーな雰囲気のなか、ドライバー自身が操作することで、エンジンサウンドの高鳴りや、思い通りに減速Gが発生する、という、まさに、「ドライバーの意のままの操作」によって、運転を楽しむ。

 パドルシフトの存在意義は、「プレジャー(遊び)」が目的なのだろうと、筆者は考えています。

パドルシフトは「ドライビングを楽しむため」にある

 また、世の中が自動運転へと進むなかにあっても、「運転する楽しさ」を忘れないでほしい、という自動車メーカーの思いが込められているのかもしれません。

ファッション的な要素も

 パドルシフトには、デザインや素材にこだわったものが多く、例えば、V36スカイラインやZ34フェアレディZ、アウトランダーPHEV、デリカD:5などには、ドライバーの手触り感に拘ったハイクオリティーなマグネシウム合金製パドルシフトが採用されています。 

V36スカイラインに搭載されたマグネシウム製パドルシフト スポーティで自在な走りを堪能するために装備された

 ステアリングホイールの奥に、鈍い色で輝くパドルシフトは、スポーティでいかにも走りそうな、雰囲気を感じます。パドルシフトが残されている理由には、ひょっとするとファッション的な要素もあるのかも、知れません。

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みんなのコメント

26件
  • いや、下りのエンブレはパドルで調整さるのがセオリーでしょう。
    車間の確保にも効果的。
  • 他の記事ではシフトノブに手を延ばすとステアリング操作が不適切になるからパドルシフトはあった方がいいと書いていたぞ。
    その記事もどうかと思ったが、この記事もなんだろな。って記事だな。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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