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【10年ひと昔の国産車 60】レクサス LFAは日本を代表するスーパーカーにふさわしいクルマだった

掲載 更新 35
【10年ひと昔の国産車 60】レクサス LFAは日本を代表するスーパーカーにふさわしいクルマだった

「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前の国産車は環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は「レクサス LFA」だ。

レクサス LFA(2010年)
「公表最高速度は325km/hのスーパースポーツカー」。いままでの国産車の常識を越えた、文字どおりスーパーなレクサス LFA。そのパフォーマンスは日本の公道で味わうことは不可能だが、今回テストコースで試乗することができた。

●【くるま問答】ガソリンの給油口、はて? 右か左か、車内からでも一発で見分ける方法教えます(2020.01.21)

はやる気持ちを抑えてドアを開ける。シートはかなりデザイン重視だ。腰を降ろすとタイトというよりもすっぽりと包まれる感覚だ。だが、この種のクルマとしてはラグジュアリーなもの。着座位置は低くホイールベースのほぼ中央に位置し、スポーツカーらしい低重心ボディとの一体感がある。

インテリアは、日本のスポーツカーとしてはなかなか頑張ったほうだが、それでもイタリアなどの本家スーパーカーのようなエキゾチックなアクセントが欲しいところだ。

エアバッグを内蔵しているシートベルトをセットして、スタータースイッチをプッシュ。キュルキュルっというスターターモーターの音とともにエンジンが目覚めた。最高出力560psと最大トルク48.9kgmを発生する4.8LのV10エンジンは、高回転型らしい排気音がたまらなくエキゾチックだ。どこかに山があるパワーフィールではなく、下から上までストレスなく、しかもレスポンスが鋭い。

アクセルをあおると、わずか0.6秒でアイドリングから9000rpmに達するピックアップも素晴らしい。精密に組み上げていることはもちろん、チタン材の採用などレーシングエンジン並みの軽量化が功を奏しているのだろう。

右のパドルを1回引きDレンジをチョイス。まずはノーマルモードにしかないATモードで走る。シフトラグは大きめだが、つながりはスムーズ。変速をはっきり知らしめるマニュアルトランスミッションらしいフィーリングだ。

もう一度パドルを引くと、いわゆるMTモードになる。さらにメーターパネル右側のダイヤルを操作してスポーツモードに変更。回転計のベースが白色に変化する。さらにもうひとつのダイヤルを操作してシフトの変速タイミングを最速にセットする。

ここでフルスロットル! レブリミットの9000rpmまでストレスなく吹き上がり、次々とシフトアップしていく。シングルクラッチのAMTながら、意外とシフト
ショックは少ない。確かにツインクラッチのDCTに比べたら変速ラグはあるが、このセッティングは評価したい。

超高速域での安定感はとても高い。200km/h以上の超高速域からのブレーキングでも姿勢は安定しており、そのブレーキはペダルフィールが若干柔らかめだったが、効きはかなり強力だった。VDIM(統合型走行安定システム)の制御が巧みで、コーナーに飛び込み過ぎればしっかりとブレーキ制御で姿勢を安定させ、コーナーの立ち上がりのパワーオーバーステアに持ち込もうとスロットルペダルを多めに踏み込むと、おせっかいすぎないレベルで制御してドライバーを楽しませてくれる。

サスペンションは思ったよりソフトで、乗り心地は抜群にいい。3種類のカーボンを使い分けたキャビンは恐ろしく強固な剛性感だ。

LFAは、レクサス(=トヨタ)らしい誰にでも乗れるスーパーカーだ。だが、3750万円でわずか500台しか作らないモデルなら、そこまで間口を広げる必要があるのだろうかとも思ってしまう。コンフォートぶりも素晴らしい。それでも、激辛のサーキットエディションみたいなモデルも期待したくなる。そうすれば、往年の名車であるトヨタ2000GTと同じステージにたどり着けるのではないだろうか。

■レクサス LFA 主要諸元
●全長×全幅×全高:4505×1895×1220mm
●ホイールベース:2605mm
●車両重量:1480kg
●エンジン種類:72度V10 DOHC
●排気量:4805cc
●最高出力:412kW<560ps>/8700rpm
●最大トルク:480Nm<48.9kgm>/6800rpm
●トランスミッション:6速2ペダルMT
●駆動方式:縦置きミッドシップRWD
●最高速度:325km/h
●0→100km/h加速:3.7秒
●タイヤ:前265/35ZR20、後305/30ZR20
●当時の価格(税込み):3750万円

[ アルバム : レクサス LFA はオリジナルサイトでご覧ください ]

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みんなのコメント

35件
  • LFAの良いところってゆーのは全て音に集約されていると思う。
  • 排気音は確かに日本車にはない官能的な音。フェラーリやマセラッティに近い高音質。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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