現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > デカすぎて売れなかったモデルがある!? ホンダの歴代ミニバン5選

ここから本文です

デカすぎて売れなかったモデルがある!? ホンダの歴代ミニバン5選

掲載 更新 5
デカすぎて売れなかったモデルがある!? ホンダの歴代ミニバン5選

■オデッセイによってホンダは救われた!?

 2020年9月28日に、ホンダは同年秋に発売予定の新型「オデッセイ」のティザーサイト第2弾を公開しました。マイナーチェンジによりフロントフェイスが刷新され、先進安全技術のアップデートや使い勝手が向上する便利機能の追加がおこなわれる予定です。

大変身! 全長5mのホンダ新型「オデッセイ」初公開!

 現行モデルは5代目にあたり、シリーズ初となるリアスライドドアの装備は大いに話題となりました。また、装備の充実を図ったことで高級化を果たしています。

 新型オデッセイのティザーサイト公開によって、ホンダのミニバンに注目が集まっていますが、そこでホンダの歴代ミニバンのなかから印象的なモデル5車種をピックアップして紹介します。

●オデッセイ

 1980年代には1BOXバンをベースとしたワゴンが、多人数乗車できるクルマの定番でした。そして、1990年代になると現在に通じるミニバンが登場しますが、FR駆動のモデルが主流で、室内の広さは特筆するほどではありませんでした。

 そうしたなか1994年にホンダ初代オデッセイが発売。乗用車のシャシをベースにFFを採用したことで、低床の広い室内を実現し、6人乗りもしくは7人乗りの3列シートのミニバンとして大ヒットを記録します。

 ボディは海外での展開も想定していたことから3ナンバー専用サイズのステーションワゴンタイプで、前傾するボンネットからルーフに至るラインが、他のミニバンにはない斬新なフォルムを実現。

 発売当初に設定されたエンジンは2.2リッター直列4気筒のみで、トランスミッションは4速ATを設定し、コラムシフトを採用したことにより前席から後席へのウォークスルーが可能となっています。

 また、後部ドアは1BOXバンのイメージと決別する意味でヒンジドアとなっており、電動スライドドアの普及以前だったことと、セダンなどからの乗り換えでも違和感はなく、ユーザーからも好意的に受け入れられました。

 オデッセイのヒットを受け、他社も同様なFFミニバンを開発して追従し、現在に至るミニバン市場を形成しました。

 ちなみに、オデッセイという車名は、1970年代に北米で発売された1人乗りの4輪バギー(ATV)で使われていた名前です。

●ステップワゴン

 ホンダは初代オデッセイのヒットに続き、さらに次の一手として、1996年に初代「ステップワゴン」を発売しました。

 ステップワゴンはオデッセイよりも小型の5ナンバーサイズに収めながらも、FFのメリットを生かして広い室内空間を実現。

 2列シート5人乗りと3列シート8人乗りをラインナップし、後部ドアも片面のみのスライドドアを採用するなど、小さな子どもやお年寄りがいるファミリー層をターゲットとしていました。

 搭載されたエンジンは2リッター直列4気筒のみで、トランスミッションもコラムシフトの4速ATのみとされています。

 価格は3列シート車が179万8000円(東京価格:消費税含まず)からと、オデッセイよりもかなり安価な設定となっていたことで大ヒットを記録。

 財務状況が悪化して、三菱による買収の噂もあったホンダですが、オデッセイとステップワゴンの連続大ヒットによって救われました。

 現行モデルのステップワゴンは2015年に発売された5代目になりますが、原則5ナンバーサイズを維持し、スクエアなフォルムとするなど、初代のコンセプトを受け継いでいます。

●ストリーム

 オデッセイ、ステップワゴンのヒットによって、ホンダはさらにミニバンラインナップの拡充を図り、2000年に「ストリーム」を発売しました。

 全長4550mm×全幅1695mm×全高1590mm(2WD)のコンパクトなボディは、狭い道が多い都市部の住宅地でも取り回しがよく、底床・低全高としたことでスポーティな走りを実現。

 エンジンは新開発の2リッター直列4気筒DOHC i-VTECをトップグレードに搭載。最高出力153馬力を発揮し、クラス初の5速ATが組み合わされ、優れた動力性能を誇りました。

 ユーザーには新たなジャンルのミニバンとして受け入れられ、発売からわずか10か月で10万台以上を販売するヒット作になりました。

 ところが、2003年にコンセプトやボディサイズが同じミニバン、トヨタ「ウィッシュ」が登場すると、スポーティミニバン市場のシェアを奪い、ホンダは2003年9月にストリームをマイナーチェンジしてテコ入れを図りましたが、トヨタの販売力にはかないませんでした。

 2006年に2代目ストリームが登場し、よりスポーティな外観と走りで人気を盛り返しましたが、後部ヒンジドアのミニバンのニーズは低下していったため販売は低迷。

 ストリームは2014年に生産を終了し、実質的な後継車は2015年発売の「ジェイド」ですが、こちらも2020年7月に生産を終えています。

■対極的な小型ミニバンと大型ミニバンとは!?

●モビリオ

 ホンダは2001年に次世代のコンパクトカーとして初代「フィット」を発売。ガソリンタンクを前席下に配置する「センタータンクレイアウト」を採用したことで、クラストップレベルの広い室内空間を実現し、大ヒットしました。

 この初代フィットのプラットフォームを使って、さまざまな派生車が誕生していますが、そのなかの1台が2001年末に発売されたコンパクトミニバンの「モビリオ」です。

 外観は背の高いキャビンが特徴的で、ステップワゴンの全長を詰めたようなイメージです。

 後部ドアは両面スライドドアとし、全長わずか4055mmのショートボディながらも、全グレードが3列シートの7人乗りを実現した、優れたパッケージングとなっています。

 ただし、3列目シートのスペースは狭く、あくまでも非常時での使用を想定しており、大人がくつろげる空間ではありませんが、高い室内高と多彩なシートアレンジによって、使い勝手の良さに定評がありました。

 2008年、同様にフィットをベースにした「フリード」とバトンタッチするかたちで、モビリオの生産を終了。

 なお、2002年にモビリオをベースに若年層をターゲットとして開発された、2列シートのトールワゴン「モビリオスパイク」が登場しており、こちらも「フリードスパイク」、現行モデルでは「フリード+(プラス)」へ受け継がれています。

●ラグレイト

 初代オデッセイは北米でもヒットしましたが、ホンダはより現地のニーズにマッチしたモデルとして、1998年に北米専用モデルのオデッセイを発売。

 カナダにある工場で生産され、日本でも1999年に「ラグレイト」として輸入販売を開始。

 外観は国内仕様のオデッセイに準じたフォルムですが、後部ドアを両側電動スライドドアとなっており、後席の乗降性を高めています。

 また、ボディサイズは全長5105mm×全幅1935mm×全高1740mmと、国内のオデッセイよりもふたまわりほど大きく、全グレードが7人乗りということもあり、ゆとりある室内空間を実現しています。

 搭載されたエンジンはアメリカの工場で生産された、205馬力を誇る3.5リッターV型6気筒VTECのみとされ、トランスミッションは4速ATのみです。

 当時はトヨタ「グランドハイエース」や、日産「エルグランド」など、高級ミニバンのジャンルが確立されようとしており、ホンダも参戦したかたちですが、さすがにラグレイトは大きすぎて販売は低迷。

 2004年に日本の道路事情にもマッチした大型ミニバン「エリシオン」の発売によって、ラグレイトの生産を終了。

 現在も北米では国内仕様と異なるオデッセイを販売していますが、ボディサイズは全長5212mm×全幅1994mm×全高1735mmと、さらに巨大になっています。

※ ※ ※

 初代オデッセイの登場は衝撃的な出来事でしたが、1982年に、いまのミニバンと同様なコンセプトをすでに確立していたクルマとして、日産初代「プレーリー」があります。

 プレーリーは3列シートに両面スライドドア、さらにセンターピラーレスを採用するなど、革新的なクルマとしてデビュー。

 しかし、非力なエンジンとボディ剛性の弱さなどが露呈したことで販売は低迷してしまいました。

 当時の技術的な限界からプレーリーの評価は低くなってしまいましたが、いまから約40年も前に開発されたことは、偉業だったといえるのではないでしょうか。

こんな記事も読まれています

ルクレール、”チームオーダー無視”のサインツJr.を批判「優しくすると、いつも損をするんだ!」
ルクレール、”チームオーダー無視”のサインツJr.を批判「優しくすると、いつも損をするんだ!」
motorsport.com 日本版
F1 Topic:ホテルでも空港でも遊べる“ギャンブルの街”ラスベガス。気になる賭け率とガスリーの躍進
F1 Topic:ホテルでも空港でも遊べる“ギャンブルの街”ラスベガス。気になる賭け率とガスリーの躍進
AUTOSPORT web
異形の「センチュリーロイヤル」!? 唯一無二の“Sワゴン型”なぜ存在?
異形の「センチュリーロイヤル」!? 唯一無二の“Sワゴン型”なぜ存在?
乗りものニュース
クルマはいまやボディだけじゃなくてシートもコーティングが基本! 車内で飲食するなら「布シートコーティング」は必須だった
クルマはいまやボディだけじゃなくてシートもコーティングが基本! 車内で飲食するなら「布シートコーティング」は必須だった
WEB CARTOP
エンブレムが立ち上がった! メルセデスベンツ『EQS』が「電気自動車のSクラス」らしく進化 1535万円から
エンブレムが立ち上がった! メルセデスベンツ『EQS』が「電気自動車のSクラス」らしく進化 1535万円から
レスポンス
4連覇達成のフェルスタッペン、レッドブル離脱は考えていたのか? 内紛とライバル猛追に苦しんだ2024年を回顧
4連覇達成のフェルスタッペン、レッドブル離脱は考えていたのか? 内紛とライバル猛追に苦しんだ2024年を回顧
motorsport.com 日本版
もう“永遠の2番手”じゃない。ヌービル、悲願のWRC初タイトルは「諦めず頑張り続けたご褒美。残る全てはオマケだ!」
もう“永遠の2番手”じゃない。ヌービル、悲願のWRC初タイトルは「諦めず頑張り続けたご褒美。残る全てはオマケだ!」
motorsport.com 日本版
「くっそかっこいいやん!」トライアンフの新型ミドルアドベンチャー登場にSNSは好感触
「くっそかっこいいやん!」トライアンフの新型ミドルアドベンチャー登場にSNSは好感触
レスポンス
メルセデス・ベンツ「Gクラス」の電動仕様「G580」のスゴさとは? 戦車みたいに“その場”で旋回! BEV化にて舗装路も悪路も「走りが格上」に
メルセデス・ベンツ「Gクラス」の電動仕様「G580」のスゴさとは? 戦車みたいに“その場”で旋回! BEV化にて舗装路も悪路も「走りが格上」に
VAGUE
「横で積む」それとも「縦に置く」? 知らないドライバーも多数! 外した「夏タイヤ」の「正しい積み方」正解はどっち!?
「横で積む」それとも「縦に置く」? 知らないドライバーも多数! 外した「夏タイヤ」の「正しい積み方」正解はどっち!?
くるまのニュース
初めてのスポーツバイクにオススメ 『境川サイクリングロード』を走ってみた
初めてのスポーツバイクにオススメ 『境川サイクリングロード』を走ってみた
バイクのニュース
サインツ予選2番手「マクラーレンに勝ってタイトルをつかむため、最大限のポイントを獲得する」フェラーリ/F1第22戦
サインツ予選2番手「マクラーレンに勝ってタイトルをつかむため、最大限のポイントを獲得する」フェラーリ/F1第22戦
AUTOSPORT web
日産が93.5%の大幅減益! ハイブリッドの急速な伸びを読めなかったのは庶民感覚が欠けていたから…「技術の日産」の復活を望みます【Key’s note】
日産が93.5%の大幅減益! ハイブリッドの急速な伸びを読めなかったのは庶民感覚が欠けていたから…「技術の日産」の復活を望みます【Key’s note】
Auto Messe Web
【カワサキ×IXON】初コラボでジャケットを設定!2024秋冬から販売中!緑がチラチラ、かっこいい!  
【カワサキ×IXON】初コラボでジャケットを設定!2024秋冬から販売中!緑がチラチラ、かっこいい!  
モーサイ
残す? それともクビ? レッドブル、ラスベガスでも大苦戦セルジオ・ペレス処遇を最終戦後の会議で決定へ
残す? それともクビ? レッドブル、ラスベガスでも大苦戦セルジオ・ペレス処遇を最終戦後の会議で決定へ
motorsport.com 日本版
4K映像 × EIS手ブレ補正機能搭載のバイク用ドライブレコーダー「AKY-710Pro」の予約販売が12月末スタート!
4K映像 × EIS手ブレ補正機能搭載のバイク用ドライブレコーダー「AKY-710Pro」の予約販売が12月末スタート!
バイクブロス
悲願の「全固体電池」が実現間近! ホンダが2020年代後半の量産開始を目標にしたパイロットラインを初公開
悲願の「全固体電池」が実現間近! ホンダが2020年代後半の量産開始を目標にしたパイロットラインを初公開
THE EV TIMES
ホンダ『N-BOX JOY』の走りを変える! ブリッツの「スロコン」「スマスロ」が登場
ホンダ『N-BOX JOY』の走りを変える! ブリッツの「スロコン」「スマスロ」が登場
レスポンス

みんなのコメント

5件
  • > 初代オデッセイは北米でもヒットしましたが、ホンダはより現地のニーズにマッチしたモデルとして、1998年に北米専用モデルのオデッセイを発売。

    いやいや、初代オデッセイは年間2万台とアメリカでほとんど売れなかった車です。
    だからこそ現地のニーズにあわせた2代目オデッセイ/ラグレイトを出すことになり、それが年間15万台の大ヒットになったわけですが。ミニバン不振の今でも年間10~12万台を叩き出しているのはすごいと思います。
  • 2代目プレーリーが売れなかったのは、
    ミニバンにしては珍しいスラントノーズで
    エンジンルームがコンパクトになり過ぎて
    結果としてSOHCしか搭載できず、
    ビッグマイナーチェンジで顔を変えないと
    SR型エンジンが搭載できなかったからです。

    ちなみに海外でも2.4が発売されており、
    ボディー剛性のせいではありません。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

346.6406.7万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

9.8534.9万円

中古車を検索
ステップワゴンスパーダの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

346.6406.7万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

9.8534.9万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村