この記事をまとめると
■三菱アウトランダーPHEVがマイナーチェンジを実施
パワートレインだけでなく質感もランクアップ! 大幅改良を受けた三菱アウトランダーPHEVの発売を開始
■バッテリー容量をアップさせ出力が向上している
■ユーティリティ面も改良されより使いやすいマルチなSUVに進化した
三菱のフラッグシップがマイナーチェンジ
いまや三菱自動車のフラッグシップモデルとなったアウトランダーが、2024年10月31日のマイナーチェンジ。その新型の全方位にわたる進化を公道で確かめた。
まず、エクステリアではフロントグリルのオープニングラインと素材を変更。ボンネットをアルミからスチールに変更したのは欧州市場への再投入を見越してのこと。超高速域でのボンネットの浮きあがりを抑制するためと説明される。バンパー&スキッドプレートのデザインも新しくなった。これは、後述するバッテリーの容量、出力アップ(バッテリーの厚みが増した)に伴うもので、そのぶん、地上高も5mm高まっている。
リヤコンビランプのLED化、スモークレンズ化、そしてデザイン変更された20インチのアルミホイールもマイナーチェンジモデルならではだ。
インテリアでは、センターディスプレイを12.3インチに大型化。メニューデザインも新しく、コネクティッド機能も強化されている。注目すべきは新最上級グレードのレザーシートが標準装備されるPエグゼクティブパッケージとPグレードにシートベンチレーションが備わったこと。
夏、車内が熱い状態で前席に座った際、エアコンの冷風を吸い込む機能で太腿、お尻、背中部分が涼しくなり、汗をかきにくく、筆者の経験では汗と摩擦によるシャツやパンツのシワも軽減される超快適装備である。
さらに同2グレードでは後席のシートヒーターも完備。アウトランダーが得意とする冬のドライブ、雪道で後席乗員の快適度に貢献してくれることは間違いないところ。また、Pエグゼクティブパッケージのランバーサポートは、断続的に作動させることで腰部を刺激してリフレッシュできる機能も装備される。
こうした装備の充実は、MC前のアウトランダーユーザーから「さらなる上質さや機能向上を求める声」があったのと、世界のプレミアムミッドサイズSUVと戦うために不可欠な進化といっていいだろう。マイナーチェンジモデルのキーワードは「洗練・上質」である。
そうそう、アウトランダーのマイナーチェンジ前のモデルにはBOSEのオーディオが用意されていたが、新型は2種類のヤマハ製プレミアムオーディオを新採用。その詳細、試聴インプレッションは別の機会に報告する。
3代目アウトランダーの日本仕様はPHEVのみで勝負しているのだが、そのPHEVユニットも進化している。2.4リッターエンジン、モーター単独のスペックはMC前のモデルと変わりはないものの、バッテリーの容量、出力を約10%UP。20.0kWhから22.7kWhに増強され、システム出力はなんと以前の250馬力から300馬力オーバーとなり、EV走行可能距離は約20%延長した100km/h以上(WLTCモードによる)。
0-100km/h加速も2秒短縮されているのだという。合わせてエンジンが始動しづらいEV的走りのテイストに改められ、さらに急速充電時80%までの充電時間も約6分間短縮されている(約32分)というから進化は幅広い。
もちろん、アウトランダーの真骨頂である走行性能、ダイナミクスも進化。S-AWCの制御を見直し、サスペンションを再チューニング。ハンドリングと乗り心地が向上していると説明される。
出力向上に見合った高次元の走り
新型アウトランダーは新設定の最上級グレードとなるPエグゼクティブパッケージ、マイナーチェンジ前の最上級グレードだったP、そしてG、Mの4グレード展開となっているが(初期受注はそれぞれ52%、33%、11%、4%)、以前は3列シート7人乗りのみだったPグレード(エグゼクティブパッケージ含む)にも2列シート、5人乗りが設定されている。上級グレードに乗りたいが、3列シートは不要……と感じていたユーザーにとって朗報ではないだろうか。
さて、今回試乗したのは最上級グレードとなるエグゼクティブパッケージの7人乗り。例によってエコ・ノーマル・パワー・ターマック(ここまでが舗装路用)・グラベル・スノー・マッドの7モードをもつドライブモードをデフォルトのノーマルにセットして一般道を走り出せば、まずはさすがに最重量級グレードだけに一瞬の重さは感じるものの、延々とEVモードのまま滑らかに、力強く速度を上げていく。
そして、乗り心地と車内の静かさの改善が印象的だった。乗り心地面でいえば、サスペンションの再チューニングもさることながら、マイナーチェンジ前のエコタイヤ、BSエコピアからオンロードSUV用のBSアレンザへの履き替えも効いているように思える。エコモードではアクセルレスポンスと加速性能はやや穏やかになるものの、穏やかすぎず、十分に速い。
車内の静粛性の向上に関しては、100km/hオーバーまで伸びたEV走行範囲もさることながら、ヤマハのオーディオの採用もあり、上質なリスニング空間に相応しい車内空間を創出するため、とくにフロントまわりの遮音、吸音材を増量。PHEVのシステムノイズ軽減を目的としたジェネレーターにカバーを設けたこと、そして新タイヤのロードノイズの小ささも貢献していると考えられる(感覚的には耳障りなノイズが2dB下がっている)。
山道走行では、最大システム出力300馬力オーバーを発揮することになるので、開発陣お薦めのターマックモードで走った。パワーステアリングのアシストが抑えられ、回生レベルはもっとも強くなり(山道下りでも走りやすさに貢献)、アクセルレスポンスも向上。前モデルの経験では4WDは高横Gでの旋回性が高まり、AYCのゲインが増大。最大前後30:70のリヤ寄りの駆動力配分となるはずで、曲がりやすさ、旋回性能はMAXになる。そしてとにかく速い。つまり、FRスポーツ的なダイナミクスが得られるモードなのである。
ここで気づいたことはふたつ。ひとつ目はタイヤの変更によるグリップの確かさだ。初期モデルはS-AWCのシャシー性能が完全にタイヤの性能を上まわり、しかしS字カーブを勢いよく走るとリヤのグリップを失いかける瞬間がままあったと記憶する。が、新タイヤでのパフォーマンスはシャシーとタイヤのバランスがよりよくなっているように感じられたのだ。つまり、積極的な走りをしたときの安定感が増したことになる。
一方、低速域ではパワーステアリングを軽目にセットし直したと説明されるが、中高速域でのステアリングはけっこう重め。山道では2180kgにもなる車重とともに、曲がりのシーンでは重量級のクルマを操っている……という印象が付きまとう。この点では未試乗だが、7人乗りに対して40kg軽くなり、さらに装備差で20kg軽いPグレードの5人乗りであれば、上級装備に満足しつつ、比較的軽快感ある、よりスッキリとした連続感ある操縦性による扱いやすい走りが味わえると予想する。
ちなみに、走行開発時の基準車はまさに試乗車のもっとも重いPエグゼクティブパッケージ3列シートとのことだが(ブレーキなどの性能と安全性を担保するため)、リヤ部分が軽くなる2列シート5人乗りモデルに関しては、リヤサスのバネのみ、重量減に対処するため専用化されているとのこと。
最後に余計なお世話をいわせてもらえば、初期受注での5/7人乗りの比率は65%:35%。それもそのはず、SUVの3列シート車はごく一部を除いて、ミニバンのように快適な居住性、乗降性は望めず、あくまでも緊急席、子ども席でしかない。
SUV性能をマストとして、どうしても3列シートが必要であれば、”ミニバンの皮を被った本格SUV”と呼べるデリカD:5を検討すべきかもしれない……。そのこともあって、新型ならではの充実した装備ありきでいえば、筆者独断の一般ユーザー向けのお薦めは3列シート、7人乗りより40kgも軽い2列シート、5人乗りで、Pエグゼクティブパッケージよりさらに20kg軽い(計60kg軽量!)Pグレード(631万4000円)となりそうだ。
価格は装備の充実、諸物価高騰もありずいぶん高くなってしまったが、それに見合うかもしれない完成度に進化していることはたしか。全グレードに標準装備されるAC100V/1500Wコンセントはアウトドアだけでなく、災害・停電時にも活躍してくれる保険的機能でもあることもお忘れなく。
ガソリン満タンで約11日分の電力を家庭に供給することも可能なのである。速い・快適・静か・悪路や雪道の走破性もバッチリ、荷物もたっぷり積める、災害・停電時も安心……まさに完璧なオールラウンダーに仕上がっていると思える。
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