100万円でバランスよく装備が揃う希少な新車「スズキ アルト」のおすすめグレードは最安or最上級の二択！

アルトは安価な軽自動車の代表選手
最近の軽自動車は後席スライドドアのスーパーハイトワゴンが売れ筋で、上級グレードにオプションを装着すると200万円を超えてしまうことも珍しくないのが実情です。

では、軽自動車が全般的に高価になっているのかといえば、そうではありません。軽自動車に求められる手頃な価格帯を守っているモデルも存在しています。その代表といえるのが「スズキ アルト」でしょう。

過去には商用バンであったこともありますし、ターボエンジンを積んだ「アルト ワークス」というスポーツグレードを用意していたこともありますが、2021年12月にフルモデルチェンジした9代目アルト（現行モデル）は5ドアの乗用モデルだけで、スポーツグレードなどの設定はなく、非常にシンプルなラインナップとなっています。

グレード名とメーカー希望小売価格は次のようになっています。

A・・・・・・・・・・94万3800円（FF）／107万5800円（4WD）
L・・・・・・・・・・99万8800円（FF）／112万9700円（4WD）
ハイブリッドS ・・・・・・109万7800円（FF）／122万8700円（4WD）
ハイブリッドX ・・・・・・125万9500円（FF）／137万9400円（4WD）




ハイブリッドはエンジン自体も高トルク型を使用
グレード名にはハイブリッド（HYBRID）とついているものは、あくまでもエンジン主体でモーターは若干のアシストをするだけのマイルドハイブリッドです。また、トランスミッションは全車がCVTとなり、MTの設定はありません。

細かい話をすると、マイルドハイブリッド仕様のエンジンは「R06D」型、非ハイブリッド車のエンジンは「R06A」となります。末尾のアルファベットが異なるだけなので、ちょっとした仕様違いと思うかもしれませんが、そうではありません。

スペックを見るとわかるのですが、R06AとR06Dではピストンのサイズが異なるなど、同系列でもまったく異なるエンジンとなっています。ひと言でまとめるとR06Dはロングストロークで、最大トルクの太いエンジンに仕上がっています。そこに低速域をアシストするハイブリッドモーターがあるのですから、同じアルトといっても体感的には走りは2タイプに分かれるといえるかもしれません。

ちなみに、燃費性能はハイブリッド仕様のほうが優りますが、さほど大きな差ではないため車両価格差とランニングコストを合わせて考えると非ハイブリッドの廉価グレードのほうがトータルでは財布にやさしい仕様といえるでしょう。




おすすめグレードは最上級かベースグレードの二択!?
そんなアルトのおすすめグレードですが、メインのファミリーカーとして使うのであれば最上級のHYBRID X、主にひとり乗りのパーソナルカーとしてならばエントリーグレードのAがおすすめです。

●ハイブリッドX・・・ファミリーカーなら最上級グレード
ファミリーカーとしてHYBRID Xを選びたい理由のひとつには、このグレードのみ後席ヘッドレストが標準装備になっているということが挙げられます。日常的に後席を乗用として利用するのであればヘッドレストは必須といえます。またLEDヘッドランプも標準装備となっていますからファーストカーとしての満足度も高いと考えます。

メーカーオプションの全方位モニター付きディスプレイオーディオ（11万2200円）を装着すれば標識認識機能も備わるなど、軽自動車のベーシックモデルと思えないほど充実した装備となっているのもポイントです。

●A・・・セカンドカーとして乗るならエントリーグレード
一方、セカンドカー的に使うのであれば後席ヘッドレストを持たず、ヘッドランプもハロゲンタイプのAグレードで十分といえます。エントリーグレードであってもステレオカメラを使った衝突被害軽減ブレーキなどの先進安全装備は標準装着されています。

足元がむき出しのスチールホイールで、後席にパワーウインドウが備わらないという装備を見ていると、いかにも廉価版という印象ですが、あえてシンプルなボディカラーでベーシックに乗りこなすというのも、アルトらしい乗り方と感じます。このAグレードにオプションのバックアイカメラ付きディスプレイオーディオ（5万5000円）を追加してもFWDであれば100万円以下という価格設定も、このグレードを選びたくなるポイントです。







文：山本晋也（自動車コミュニケータ・コラムニスト）

Comments

免許取り立てっぽい若い男子が、納車したてらしいピッカピカのアルトを眺めて嬉しそうにしているのを見たけど、微笑まし買ったぞい。

子供の頃に我が家で乗っていたサニーやコロナより、
パワステ、パワーウインドウにオートマな分だけアルトの方が充実装備だったりします。
いつの間にか贅沢に慣れてしまいました。