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スズキ新型「ハスラー」は買いか? ジムニーオーナーから見た軽SUVの進化

掲載 更新 15
スズキ新型「ハスラー」は買いか? ジムニーオーナーから見た軽SUVの進化

■新型ハスラーとジムニーのライバル対決が勃発!

 スズキの軽クロスオーバーSUV「ハスラー」がフルモデルチェンジすることが発表されました。性格は異なるものの、スズキの軽自動車には本格四駆の「ジムニー」があります。このふたつの人気モデルを比較しました。

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 筆者(桃田健史)は2018年8月に「ジムニー XC」を購入し、いまでも大切に乗っています。また、初代ハスラーについてはスズキが主催するメディア向け試乗会はもとより、全国各地でレンタカーやカーシェアなどを通じて定常的に乗ってきました。

 そうした経験をもとに、新型ハスラーとジムニーを比べてみます。

 なお、新型ハスラーのメディア試乗会はまだ少し先になるので、今回の比較は新型ハスラーの発表記者会見で実車を見て、ハスラー担当チーフエンジニアの竹中秀昭さん含めた関係各位から直接話を聞いたことをベースにしています。

 新型ハスラーの写真を見ると「初代モデルと大きく変わっていないんじゃない?」と思われる人が多いと思いますが、実車はスクエアな形になり、初代モデルに比べて強靭さが一気に増しました。

 ジムニーでも先代モデルに比べてボディスタイルが一気にスクエアになったことで、ガッツリとした強靭さが生まれました。

 とはいえ、2ドアで16インチタイヤのジムニーと、4ドアで15インチタイヤの新型ハスラーではガッツリ感に差が出るのは当然です。それでも、強靭さやタフさという観点では、ジムニーと新型ハスラーは互角の勝負に感じました。

 また、新型ハスラーのアクセサリー関連の展示が多数あったなかで、筆者の心に止まったのが、ボディ色がシフォンアイボリーメタリックをベースとして、木目調のデカールをあしらった「ナチュラルスタイル」です。

 宣伝用の訴求色はビビッドな2トーンカラーが中心ですが、ナチュラルスタイルは、新型ハスラーが持つ商品性を自然体で表現している点が大いに気に入りました。

 この感覚は、ジムニー購入時にキネティックイエロー・ブラック2トーンカラーに対してビビッと心が揺れたときと同じ感覚です。

 その一方で、インテリアについてですが、パッと見では新型ハスラーは「遊び心」を具現化したデザイン性を優先していて、ジムニーの機能美とは真逆のコンセプトに感じます。ジムニーのオーナーのなかには「新型ハスラーはヤワなデザイン過ぎる」という人がいることでしょう。

 ただし、新型ハスラーの運転席に座ってみると、そこから見える景色がどことなくジムニーに乗ったときと似ています。

 インテリア担当者によると「ダッシュボード上部のデザインと、ダッシュボード全体の横方向への繋がり感は、ジムニーに通じるところがある」といいます。

 インテリア空間全体の雰囲気として、「収まりが良い」という点では、両モデルはいい勝負だと思います。

■新型ハスラーは初代の弱点を克服しているのか?

 初代ハスラーの最大の弱点は乗り心地でした。路面からの突き上げが強く、後席に座ったときにとても強く感じます。

 スズキ本社営業担当者に聞いたところ、乗り心地に対するユーザーからの不満の声は、販売店や代理店を通じてスズキ本社にしっかりと届いたそうです。

 そのうえで、初代ハスラー誕生からこれまでの6年間で、サスペンションのゴム製品(ブッシュ)の改良や、ボディ剛性アップに対する措置など、大きく2回の改良を施したのですが、開発担当者によると「根本的な解決には至らなかった」といいます。

 それが今回、新プラットフォーム「ハーテクト」の採用や骨格構造の見直し、構造用接着材の改良などにより、ねじり剛性約30%アップ、曲げ剛性約20%アップを実現しています。

 その結果、開発担当者は「ボディが動かなくなった」と表現しました。路面からの入力に対してボディがしっかりしたことで、サスペンションの改良がしっかりとした成果に結びついたということです。

 複数のスズキ関係者によると「我々もここまで良くなるとは思っていなかった」と表現するほど、乗り心地とハンドリングがV字回復。具体的には「車線変更のスムーズさに驚いた」といいます。

 こうした走りの進化という点では、ジムニーも先代モデルと比べると、高速道路での操縦安定性が一気に上がるなど、V字回復を感じました。 

 もちろん、新型ハスラーとジムニーでは、走り味のセッティングの方向性が違いますが、大きな進化という点では、両モデルはいい勝負になるのではないでしょうか。

 パワートレインについては、新型ハスラーのターボ車はジムニーと同じR06A型エンジンを搭載していますが、新型ハスラーがはマイルドハイブリッドと最新型CVTを搭載しているのに対して、ジムニーのトランスミッションは改良型の4速ATと5速MTです。

 ジムニーが発売される前には、自動車雑誌やネット媒体ではマイルドハイブリッドになるという説が有力でした。

 しかし、「現実的には、機械式副変速機の搭載位置が課題。さらに、ジムニーらしい走りのあり方を追求した」(ジムニー開発者)というところに落ち着きました。当然、燃費では圧倒的に新型ハスラーが優位です。

 安全装備やカーナビ関連など、まだまだじっくり比較したいところがあるのですが、あくまでも試乗前という現時点で両モデルを比較した感想としては、商品性は違えどいいとこ勝負。

 ジムニーオーナーの筆者として、新型ハスラーは家族用として買い増しの検討材料になりそうです。

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みんなのコメント

15件
  • 基本的に、ハスラーとジムニーは似て非なる存在じゃなかったっけ?
    ジムニーのスタイルだけ気に入って、結果、「乗り心地が悪い」だの「燃費が思ったほど伸びない」だのあれこれ言わなければいいが。もしくは他の欠点には目をつむるくらいとかね。
  • まともな店で買ってないのでは?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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