高級車の頂点に君臨するロールス・ロイスが5月27日、またしても超弩級のワンオフモデルを発表した。「ボートテイル」と名付けられたその青いオープンカーは、2017年に史上最高価格の新型車として登場した2ドアクーペ「スウェプテイル」に続き、ビスポーク部門「ロールス ロイス コーチビルド」が製作したもの。発注したオーナーや価格は非公表ながら、14億円とも言われたスウェプテイルに匹敵することは間違いなく、自動車史に名を残す存在となりそうだ。なおロールス ロイスは1930年代にも同名のモデルを世に送り出しており、新生ボートテイルはその歴史を受け継ぐことになる。
ボートテイルは、その5.8mという長大なボディに「Jクラス」と呼ばれるレース用大型クラシックヨットからインスピレーションを得た流麗なデザインを採用。ボンネットにはロールス ロイスとして初めて手描きのグラデーション仕上げが施されている。また、トランクにあたる部分には「ホスティング・スイート」という収納スペースが設けられる。翼のように優雅に開く収納スペース内部には、食前酒を収める冷蔵庫やクリストフルの銀食器、さらにはプロメモリアのレザースツールといった品々が収められている。
「前澤ファントム」だけじゃない。ロールス・ロイスのワンオフは純金のDNAやアフリカンアート仕様も! 【画像ギャラリー】
他にも費用に糸目をつけないディテールは満載で、15スピーカーのオーディオシステムはフロア全体を共鳴パーツとして使用。ホスティング・スイートは開閉部の正確な作動のために5つのECUを新開発したほか、収納物を高温から保護するための専用ファンまで備える。さらに、時計および万年筆コレクターでもあるオーナーのため、スイスのボヴェ(Bovet1822)社が新規に製作したビスポークペアウォッチと、モンブランの万年筆も車内に収められている。これらの結果として、ボートテイルのために新製したパーツは1,813個にも達するという。
オーナーは同種のボディを持つ1932年式ボートテイルも完璧なレストアを施してコレクションに加えており、そのスタイリングへのこだわりは半端でない。なお、ロールス ロイスによれば、ボートテイルは顧客3名からのオーダーでプログラムがスタートしたとのことで、最終的に仕様の異なる3台が製作される模様。
ビスポークを強化しているロールス ロイスからは、今後も想像を絶する高級車が登場しそうだ。
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みんなのコメント
クルーザーのような仕様は庶民には思いつかない発想です・・・