レクサスのミニバン「LM」の新型が4月18日に披露される。LMのベースであるトヨタ「アルファード」もフルモデルチェンジが囁かれている。はたしてこちらの新型はいかに? 小川フミオが考えた!
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セダンに未来はあるのか? 令和の“くうねるあそぶ。”を考える
いまや、ファミリーカーの究極はトヨタ「アルファード」(と、姉妹車の「ヴェルファイア」)かもしれない。
ハイヤーといっても、おなじトヨタの「センチュリー」や「クラウン」ではなく、やっぱりアルファードが良い! なんて言われる時代だ。
日銀の黒田東彦総裁(当時)が2023年4月7日に退任して、職場を去るときに乗ったのも、黒塗りのアルファード。ひと時代前だったら、センチュリーかクラウンだったろうに。
新型レクサスLMが登場──和製超高級ミニバンに注目!レクサスのフラッグシップミニバンの進化に目が離せない!アルファードって、そんなに、みんな好きなんだろうか? その問いかけに対する答えは、数字からみると、イエス、のようだ。
日本自動車販売協会連合会(自販連)のデータでは、2022年から2023年2月にかけて、アルファードは10位前後の売り上げをコンスタントに記録する。
2022年4月の登録台数をみるともっと驚く。最上級グレードだと約750万円に達する高価なアルファード・シリーズだが、5位につけている。なんと高い人気を誇るクルマであることか。
どこにそんな魅力があるのだろう。もちろん、ひとによって答えはさまざまなはず。ひとつ言えるのは、広さだろうか。
ちなみに私自身は、セダンのようにちょっと閉ざされた感のある空間のほうが落ちつくタイプで、小さなハッチバックなんかも大好物。
なんでセダンの代わりにアルファードがもてはやされるようになったのか……。
アルファードは、室内広く、押し出しも強い。米国のピックアップのような、ギラギラしたド派手なグリルを採用したのも特徴だ。
2015年登場の現行モデル(3代目)のグリルは縦方向も橫方向も長くクロームが光り輝いている。発表されたときは、かなりの迫力に驚かされたものだ。
トヨタの企画力というか、プロダクトデザイン担当の着目点に感心するのは、2列目シートの存在感に注力したこと。
「エグゼクティブラウンジ」と名づけられたシートは、大きなアームレストと電動の脚のせ(オットマン)をそなえ、前後に830mmもスライド可能という機能をもつ。これまでのミニバンで2列目シートに電動調整機構を採用したモデルはほとんどなかったし、あったとしても4人乗りのショーファー仕様。だからこそ、7人乗りのオーナードライバー向け仕様に設定されているのがポイントだ。
ホテルでいえば200平米ごえのスイートルームの感覚で、おおいに惹かれるものを感じるのでは。多忙なビジネスパースンの声が、多機能性をもつアルファードのシートアレンジに反映されているのかもしれない。
なにしろ、ホイールベースが3.0m、全高が2.0m近い威風堂々たるサイズのボディを活かしたパッケージングが、アルファード・シリーズであるのだ。
シートバックをフルリクライニングさせ、第1列シートから第3列シートにつながる大きなベッドとなる「スーパーリラックスモード」もアルファード乗りにとって魅力という。
くわえて、従来のミニバンと異なり乗り心地や静粛性が大幅に向上した点も見逃せない。かつてのミニバン、トヨタでいえば「ハイエース」や「グランビア」はあくまで商用ベースだったからあまり褒められたものではなかった。
ちなみに欧米ではミニバンの乗用需要は少ない。商用か送迎用で使われるケースが多く、一般ユーザーが使うケースは大幅に減った。かわりに台頭しているのが3列シートを持つSUV。
なぜ少子高齢化の日本で、大きいミニバンがもてはやされるのか……。
ひとつあるとするならばリヤのスライドドアだろう。国土の狭い日本では駐車スペースも狭い。ゆえに、スライド式が重宝する。とくに子育て世代では、子どもがドアを開けるとき、隣のクルマにぶつける心配がないのは嬉しい。かつてはヒンジ式のリヤドアを持つミニバン(ホンダ・オデッセイ)もあったが、淘汰された。
“新しい高級車のカタチ”話をアルファードに戻そう。
ここまでポピュラーになったアルファードも、2023年にフルモデルチェンジがうわさされている。そのとき、私(たち)はなにを期待するだろう。
現時点でよく見る予想記事では、新しくなるアルファードはシャシーが一新されるとともに、エンジンのラインナップも見直されるとされている。
新世代のアルファードも、多忙なVIPの声をしっかりすくいあげて出てくるだろう。
私は不幸にも(?)ショファーつきでアルファードに乗っている身ではないので、走るファーストクラスというかビジネスクラスというか、寝ていられる機能への注文はまったく思いつかない。
どちらかというと、ショファーの立場で、ステアリングホイールを握って、いろんなところへ出かけた経験をもとに、次のアルファードに期待することはなんだろう。
ひとつは、より気持ちよく走れるパワートレインだ。とくに次期モデルは、うわさによると4気筒のみになってしまうとか。そうなると、エンジンフィールがどうなるか、気になる。
個人的には、ぜひクラウンクロスオーバーなどに使っている2.4リッターターボユニット(T24A-FTS型)が良い。
操縦性能についても、もうすこし重心高が下がって、ハンドリングがよくなると、つまり、ドライバーズカーの側面が強調されると、もっといいはずだ。
次世代モデルは、最新のTNGAアーキテクチャーを使うともいわれているので、走行性能が向上することも期待できるかもしれない。
私が出張で海外にいくとき、ドイツ、イタリア、米国といった国のメーカーが手がける、アルファードと同等サイズのミニバンに乗ることも少なくない。
メルセデス・ベンツ「Vクラス」や、フォルクスワーゲン「T7」など、たいてい大人数が同等の快適性で乗れるパッケージングだ。
欧州ではミニバンはやっぱりピープルムーバーであって、快適志向のセダンの代わりになるものではない、と聞いてきた。
北米でも、後席スライドドアは商用車のもの、と敬遠される傾向にあるなんていう意見もあった。
いまは、米国だとクライスラー「パシフィカ」は、スライドドアのボディにぜいたくな雰囲気のシートが3列ならぶ。でもベッドにはならない。
ヨーロッパだと、欧州フォードの「トゥニオ」も、スライドドアのボディをもつMPV。ただし実用性重視で、贅沢さは感じられない。
というわけで、ひょっとしたら、だんだんグローバルなトレンドはアルファードのほうへ引き寄せられる可能性はあるかもしれない。すでに中国市場ではレクサス「LM」のような豪華ミニバンがウケている。
セカンドシート重視と割り切ったアルファード。欧米の常識を打ち破ったのが、コンセプトのおもしろいところだ。
それでいて、VIP送迎用にアルファードを買っても、いざというときは7人まで乗れる。備えあれば憂いなしの多機能性が人気の秘密だろう。
“新しい高級車のカタチ”と、謳い、従来のミニバンとはまたちがう市場開拓をめざすアルファード。これからにより期待しましょう。
文・小川フミオ 編集・稲垣邦康(GQ)
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ここもヤフコメと同じにID表示するとか投稿数を規制するとか…対策してほしいです。