登場9年目でも魅力は健在──新型MAZDA2試乗記

マイナーチェンジを受けた「MAZDA2（マツダ ツー）」に小川フミオが試乗した。魅力アップの工夫は外装パーツにアリ!?

198通りのカラーコーディネーション

あつかいやすいサイズ感と楽しい操縦性。かつ、買いやすい価格帯と、バランスのとれたハッチバックがMAZDA2だ。

2023年1月に商品改良を受けてラインナップが見直され、カラーリングなど若々しさをより強く感じさせるようになった。

2023年3月に販売開始となったあたらしいMAZDA2を、さっそくドライブした。モデルは1.5リッターの「15BD」なる新設グレードだ。

初対面で、おおっ！ と、思わされたのは、ボディのカラーリング。「ディープクリスタルブルーマイカ」という深い紺色の車体の各所に、白色のアクセントが使われている。

ルーフとシャークフィンアンテナにはザラっとした感触のホワイトフィルムが貼られているのをはじめ、グリルも白、ドアマウントミラーのケースも白だ。

くわえて、ボンネットと、リヤのハッチにはデカールも付く。白をアクセントに使ったホイールキャップは、「CLAP POP」という販売店のオプションなんだそう。

以上が、マツダのカタログで謳う、BDグレード専用コンプリートキット「CLAP POP」だ。

個人的には、グリルも「ソウルレッド」の車体色と統一した仕様があるといいのでは？ と、思う。色の選択の幅はかなり広いので、ホームページで眺めると楽しい。

ほおっておくと、MAZDA2って、「あぁレンタカーでよくあるクルマ」なんて捉え方をされてしまいがちなので、オーナードライバーへのアピール策が今回のオプション設定なのかもしれない。

マツダ広報部によると、BDはスケートボードのブランクデッキからの命名。「自由な発想で遊び心を刺激する」と、プレスリリースにあるのが、今回のコンセプトという。

もっと若い層をとりこみたいと、車体11色、ダッシュボードパネル3色、ルーフ3色、ホイールキャップ6色を用意。198通りのカラーコーディネーションができるんだそうだ。

「スマートフォンのケースに凝ったり、ラップトップコンピューターにステッカーを貼ったり、と、カスタマイズを楽しんでいるの人たちを見て、豊富なバリエーションを意識しました」（マツダ広報部）

運転しても悪くない私は、しかし、MAZDA2がクルマとしても好きである。色だけで評価してはもったいないクルマだ。

しっかりした操縦感覚と、都市内でも乗りやすいサイズ感と、プロポーションのよいスタイルに大きく好感をもっている。

その印象は、今回の15BDに乗っても、まったく変わらなかった。

110kWの最高出力と142Nmの1496cc4気筒エンジンと6段ATが組み合わされた前輪駆動ユニットは、世界水準からすると、1.5リッターにしてはつつましやかな性能だが、非力さはない。

足まわりの設定はしっかりしていて、ウルトラクイックではないが、路面とのコンタクトがしっかりしているステアリングシステムとの相性もよく、思いどおりに走行出来るのがよい。

車内のノイズはうまく“丸めて”ある。無音にはほど遠いけれど、ルーフやウィンドウからの風きり音や、タイヤノイズや、エンジンルームとか排気の音どれかが突出してうるさいこともない。

シートは新しいファブリックを使っていて、上面と側面とが違う素材。2トーンで、シークな印象だ。私はとても気に入った。

ただし、インフォテインメントシステムのモニターが小さかったり、USBタイプＣの充電ソケットはなかったり、と、“若々しさ”が内装まで徹底していないのは残念。

いっそ、中途半端なモニターは廃止して、スマートデバイスがきれいに取り付けられるホルダーとかで、デザイン力を発揮してほしかった気もする。

ダッシュボードのパネルが3色用意されたのは、先述のとおり。これは成型時に顔料を入れて内部着色したのが特徴で、見た目の美しさと塗装工程の省略によるCO2削減を実現、とされる。

そういえば、今回乗ったクルマのように、ルーフフィルムは、フィルムを使うことで、従来の2トーン仕様のように塗装を2層にすることが回避でき、やはり行程から無駄を排除できるんだそう。

なにはともあれ、MAZDA2は、若者だけでなく、クルマの経験豊富なシニア層でも、運転を楽しめるモデルだ。個人的には大好きなスポーツ仕様の「15ＭB」がカタログに残ったのもうれしい。

文・小川フミオ　写真・安井宏充（Weekend.）　編集・稲垣邦康（GQ）

Comments

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手軽に数字を稼げるので記者さんも、これからもどんどんマツダの記事を書いてくれます。
その調子でどんどん、いつもと同じ内容のコメントを連投しろと命令しておきます。
マツダの記事が増えたら嬉しいから。

マツダ地獄 笑