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カーナビの元祖を作ったホンダは偉い! 「紙芝居ナビ」とも形容されたその中身とは

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カーナビの元祖を作ったホンダは偉い! 「紙芝居ナビ」とも形容されたその中身とは

 この記事をまとめると

■「カーナビ」の元祖でもあるホンダの「ホンダ・エレクトロ・ジャイロケータ」を振り返る

クルマはスマホナビで十分? 通信料やルート案内など「○と×」を車載ナビと比較した

■地域ごとの地図シートに現在地を示すという当時としては画期的なものだった

■2017年にはその功績を讃えてIEEEマイルストーンに認定された

 カーナビの元祖は1981年にホンダが開発した

 いまや、クルマに欠かせない装備のひとつがカーナビゲーションだろう。標準装備、オプションもあれば、ディスプレイオーディオにスマホのナビを連携させている人もいるはずだ。昭和の時代にはカーナビゲーションなどなく、地図や出発前につくった自作のこま図経路を頼りに目的地に向かったものだ。助手席の彼女がナビゲーターの役割を果たしていたなんて、遥か昔のことである。

 さて、今回は元祖ナビゲーションシステムの話である。1970年代は日本におけるモータリゼーションが急速に発展した時代だったが、もちろん、ナビゲーションに欠かせないGPSの位置情報などなかった時代。そこで、ひと足早く、世界初の地図型自動車用ナビゲーションシステムを開発したのが我らがホンダだった。

 1981年9月22日に発売された2代目ホンダ・アコード/ビガーに初搭載された「ホンダ・エレクトロ・ジャイロケータ」こそ、世界初のナビゲーションシステムだ。簡単に説明すると、ホンダが開発したジャイロセンサー(加速センサー)と距離センサーによって、クルマの移動する方向と距離を検出。16ビットCPUで現在位置を計算し、道路上の自車位置を電子データとして置き換え、自車位置データをディスプレイ画面上に重ねてある地図に表示させるというものだ。

 表示部としてダッシュボード中央に設けられた6インチのブラウン管(!)があり、メカニズムとしては方向センサー、走行距離センサー、航法コンピューターで構成され、ブラウン管ディスプレイに走行軌跡、現在位置マークを表示。その”前面”にセルロイドの透過性地図シートが設置され、地図上に自車位置を表示するのである。

「ホンダ・エレクトロ・ジャイロケータ」の筐体は、中央に画面、左側に表示モード、明るさ、表示スイッチ、ダイヤル式の方向セット、右側にマーク、地図縮尺(1:25万と1:10万など)、電源スイッチ、そしてなんともアナログなのが、画面下にある地図固定「下げる」、地図移動「上げる」などといったスイッチと、地図挿入口(!)があったこと。つまり、ファイルに用意されたセルロイドシートの地図を「ホンダ・エレクトロ・ジャイロケータ」に差し込む必要があったわけだ。

 紙芝居ナビと呼ばれたシステムは当時30万円!

 具体的な操作方法は、電源を入れ、地図を選んで差し込み、縮尺を合わせ、明るさを調整し、現在位置を合わせ、進行方向を合わせる……という、かなり面倒な手順が必要だった。走っている場所が最初に入れたセルロイドシート地図外に出れば、地図を”手動”で差し替えなければならなかったのである。「ホンダ・エレクトロ・ジャイロケータ」が当時、「紙芝居ナビ」と呼ばれた所以はそこにある。なお、オプション価格は工賃込で29万9000円だった。

 いま思えば、当時はハイテクでも、かなりアナログなナビゲーションシステムといっていい。とはいえ、「ホンダ・エレクトロ・ジャイロケータ」=地図型自動車用ナビゲーションシステムがナビゲーションシステムを世界中に普及させ、ナビゲーションシステムの世界基準を築いた功績は間違いないところで、1981年に世界初の地図型自動車用ナビゲーションシステムとして商品化した「ホンダ・エレクトロ・ジャイロケータ」が、「IEEE(アイトリプルイー)マイルストーン」に認定され、2017年3月にHonda青山本社ビルで記念式典が行われ、IEEE会長のカレン・バートルソン氏より銘板が贈呈されている。

 IEEEマイルストーンといってもあまり馴染みがないと思うので、改めて説明すると、IEEEそのものは1963年にアメリカで発足した米国電気電子学会、米国電気電子技術者協会。IEEEマイルストーンはIEEEが電気・電子・情報技術やその関連分野の歴史的偉業に対して行う顕彰活動のひとつで、認定要件として25年以上に渡って世の中で高く評価を受けてきたという実績が必要だという。

 日本における受賞は、シャープのテレビ用14インチTFT液晶ディスプレー、東海道新幹線、日本ビクターの家庭用ビデオVHS、東芝の日本語ワードプロセッサー、最近ではデンソーのQRコードなどがある。

 もちろん、「ホンダ・エレクトロ・ジャイロケータ」を世界初の地図型自動車用ナビゲーションシステムとして開発、発売したホンダは、その後、ナビゲーションシステムを進化させ続けてきた。1990年、ホンダ・レジェンドに、当時最新のエレクトロニクス技術を融合させたコンパクトディスクを用いた「デジタルマップナビゲーションシステム」を商品化。

 さらに1997年には、現在の自動車用ナビゲーションシステムに近い「ホンダ・ナビゲーションシステム」を登場させ、2002年には音声認識対応カーナビゲーションシステムをホンダ・アコード、アコードワゴンに搭載している。翌2003年にはデータ容量がそれまでの2倍となるHDDナビゲーションシステムを発売。ホンダ車の走行状況を取り入れたフローティングカー情報システムを駆使した、これまた世界初の新双方向情報ネットワークサービスを実用化したのである。

 ある意味、現在、我々がカーナビゲーションシステムを便利に使いこなせているのは、ホンダのおかげ!? といえなくもない。

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みんなのコメント

12件
  • veh********
    ホンダとともに共同開発したアルパインもお忘れなきように。
  • トム
    でも何らかの理由で衛星が使えなくなったらこういう技術が再注目されると思う。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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