“アウトバーンの民主化”を成し遂げた「ゴルフGTI」の弟分
「GTI」といえば、高性能で手軽なハッチバックの代名詞として、クルマ好きにとっては特別な響きを持つネーミングです。
【画像】「えっ!…」世界限定2500台! これが超貴重なVW「ポロGTI エディション25」です(45枚)
この3文字がクルマの名称に初めて使われたのは、1961年に発売されたマセラティ「3500GTI」だといわれていますが、高性能ハッチバックを表現するつづりとして広く世に広めたのはフォルクスワーゲン。1976年に「ゴルフ」に追加した「ゴルフGTI」だということに、異論をはさむ人はいないでしょう。
「ゴルフGTI」が登場する前、アウトバーンと呼ばれるドイツの高速道路で追い越し車線を走れるのは、ポルシェやメルセデス・ベンツなどのハイパワーエンジンを積んだ高級車だけでした。
しかし、高出力エンジン(110ps)を積んだ「ゴルフGTI」は、そんな高級車に混ざってアウトバーンの追い越し車線を走れる性能を備えた初のコンパクトハッチバックとして大好評を獲得。当初の生産計画は5000台程度だったのに対し、最終的には46万台もの「ゴルフGTI」が生産されたと聞けば、当時の人々がどれだけ「ゴルフGTI」を歓迎したかが理解できるでしょう。
このように「ゴルフGTIの誕生は、アウトバーンの風景を変えてしまったのです。その出来事は“アウトバーンの民主化”と呼ばれたともいわれています。
それから50年ほどの年月が流れた今でも、「ゴルフGTI」は人気モデルとして存在しています。しかし、最新の「ゴルフGTI」は245psというハイパワーを獲得し、初代とは比べものにならないほどの高性能を手に入れた一方、車体は大きく、重くなり、軽快でスポーティなハッチバックとはいえない存在となりました。
もちろんそれは、クルマとしては正常な進化であることに間違いありません。でも、適度なパワーで身軽で軽快というかつてのキャラクターは、薄まってしまったと感じる人は少なくはないでしょう。
でも、ご安心を。そうしたかつての「ゴルフGTI」の美点を受け継ぐモデルがしっかりと存在しています。それがフォルクスワーゲンの「ポロGTI」です。
車体は全長4085mm、全幅1750mmと初代「ゴルフGTI」ほどではないものの、3代目「ゴルフ」より少し大きい程度で十分コンパクト。車両重量はイマドキのクルマとしては軽い1310kgで、エンジンは2リッターで207psを発生します。こうしたスペックを見ただけで、バランスのいい「GTI」であることがうかがえます。
●誕生25周年を記念したホットハッチ「ポロGTI」の特別仕様
そんな「ポロGTI」の初代モデルがデビューしたのは、四半世紀前の1998年のこと。その誕生25周年を記念し、欧州では2023年に導入された特別なモデルが本記事でフォーカスする「ポロGTI エディション25」です。
メカニズム面は、スタンダードな「ポロGTI」と違いはありませんが、エクステリアはホイールやルーフ、そしてドアミラーをブラックにコーディネートすることで特別なスタイルを演出。ドアには「25」という文字と「GTI」の象徴であるハニカムグリルをイメージしたデカールが張られ、25周年を記念した特別なモデルであることを主張します。
そして日本仕様に採用された「アスコットグレー」のボディカラーも、スタンダードな「ポロGTI」では選べない特別なものです。
インテリアも、レッドのアクセントが目を惹くレザーシート(しかも、スタンダードモデルでは選べないシートヒーターつき)、グロスブラックの加飾をあしらったインパネ、レッドのアクセントと「25」の文字を組み合わせたステアリングホイール、「One of 2500」と書かれたドアシルプレードなど、特別な仕立てとなっています。
さらに「ポロGTI エディション25」は、スタンダードモデルではオプションとなる18インチタイヤを標準採用し、“Sport Select”シャシー付きスポーツパフォーマンスキット“と呼ばれる電子制御サスペンションも装備。その上、スタンダードモデルではオプション扱いとなるカーナビも標準装着されています。
参考までに、スタンダードモデルにメーカーオプションの電子制御サスペンションと18インチタイヤ、さらにカーナビを装着した際の価格(消費税込)は478万2000円。「ポロGTI エディション25」はそこに、レザーシートやシートヒーターといった特別装備が加わりながら、8万3000円高の448万5000円というプライスタグを掲げています。これは十分納得できる価格というより、バーゲンプライスといっても過言ではない設定です。
リアルホットハッチらしさを感じられるシャープな走り
気になる「ポロGTI エディション25」の走りは、ドライビングを楽しませてくれる情熱に満ちあふれたものでした。
走行プログラムを「スポーツモード」に入れると排気音が一段と響きわたり、エンジンは高回転になればなるほどパワーが盛りあがる“アクセルを踏み込みたくなる”特性を有しています。
ハンドリングはスッと向きを変えるシャープな特性で峠道をキビキビと走れ、何よりタイヤがしっかりと路面をとらえる感覚があってドライバーとクルマの一体感が高く、ドライビングが楽しいのです。
見た目こそフツーのハッチバックながら、ステアリングを握ってみるとバリバリのスポーツカー……そんな体育会系のノリなのは、さすがは「GTI」のバッジを掲げるモデル。紛うことなきリアルホットハッチです。
気づけば、少し前までたくさん存在していたスポーツハッチバックも、今ではずいぶん減ってしまいました。プジョー「208」からは「GTi」が消え、ルノー「ルーテシア」からはスポーツバージョンの「ルノースポール」がなくなり、国産でも日産やホンダはMTのラインナップを廃止しています。
そんな状況にあって、今なお古典的なホットハッチとして存在する「ポロGTI」は、実に貴重な存在といえるでしょう。
* * *
ちなみに「ポロGTI エディション25」は世界限定2500台で、日本で手に入れられるのはわずか227人だけ。性能や装備内容を考えれば割安感さえ感じさせるモデルだけに、今こそ思い切って憧れの「GTI」に手を伸ばすチャンスかもしれません。
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内装のショボさとかナビ周りの壊滅的な操作性とか考えると、200馬力程度のデチューンしたエンジンスペックに500万近くも払えんわな