<ヒットの理由は日本を最優先に設計された使いやすさ>
ホンダのコンパクトミニバン「フリード」は現行モデル(2世代目)が2016年9月発売と、すでに6年が経過しした長寿モデルです。しかし、今年6月の販売台数は5024台、上半期の販売台数は3万5551台と、ホンダの登録車では最多販売モデルになっているほど安定し強さをみせています。
>>現行型ホンダ フリードのおすすめグレードとユーザーの評価を見てみる
2008年5月にデビューした初代モデルからの国内累計は100万台を突破。小さなボディに3列シートをパッケージしたスライドドア車で、日本のユーザーニーズを最優先に考えて作られていることが、フリードの人気につながっているのでしょう。その意味では、完全に国内専用の軽自動車「N-BOX」が売れているのと似ているとも言えます。
一部には“フィットのセンタータンクプラットフォームをベースにしたミニバン”という風に捉えられているようですが、その実態は異なります。とくにリアサスペンションの設計を見れば、フリード専用プラットフォームといっても過言ではありません。
<現行型の絶妙なサイズ感を維持してほしい>
そんなフリードですが、現行モデルのデビューは2016年9月。初代が約8年ほど売られたので、モデルサイクル的には早い気もしますが、フルモデルチェンジのウワサも聞こえています。はたして、次期フリードはどのようなモデルになるのでしょうか。
まず、期待したいのはサイズキープでしょう。初代からのキャッチコピーである「ちょうどいい」サイズ感こそが、フリードの魅力で、このモデルに関しては大は小を兼ねるとはいきません。ホンダもその部分は重々承知しているはずですが、ミニバンラインナップの編成が変わっていく中で、ポジションのシフト、つまり、ボディが大きくなってしまうという噂もあります。そうなるとせっかく築き上げてきたブランド力を失ってしまいかねません。ホンダはどんな結論を出すのでしょうか。
<ハイブリッドや先進デバイスは現行型フィットベースで進化>
パワートレインは先ごろフルモデルチェンジをしたSUVモデル「ヴェゼル」と同様、e:HEVと呼ばれる2モーターハイブリッドを中心としたものになるでしよう。ヴェゼルの車体を楽々と加速させるハイブリッドなら、フリードの3列フル乗車も問題なくこなせるはず。そして、このハイブリッドは加速がスムースなのが魅力です。現行フリードのハイブリッドはシーンによってはギクシャク感が出て、そこが最大のウィークポイントという声もあります。e:HEVを採用することで、フリードの価値はさらに高まることでしょう。
現行モデルの弱点を挙げると、AAC(追従クルーズコントロール)が低速で解除されることや、パーキングブレーキが足踏みなのも不満に感じているオーナーは多いでしょう。このあたりも、フィットが全車速対応のAACとなり、パーキングブレーキもオートホールド対応の電気式になったことを考えれば、間違いなくアップデートされるはず。現行モデルの“ちょうどいい”サイズ感はそのままに、パワートレインと先進運転支援システムが進化すれば、人気はさらに高まりそうです。
<年何にフルモデルチェンジはあり得るのか?>
今でも十分に売れているフリードは、フルモデルチェンジを急ぐ必要はないように思えますが、はたしてウワサになっているように年内に新型を見るとこはできるのでしょうか。あるとすれば、本来は開催される予定だった東京モーターショーのタイミングが濃厚です。
文:山本晋也(自動車コミュニケータ・コラムニスト)
※2021年7月12日、タイトルおよび本文に誤りがあったため、お詫びして修正いたします。
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みんなのコメント
現行8年も経ったかとびっくりした。
大きいものが欲しければステップワゴンか他社のものを買えばいい。
パワーも十分なので、これ以上強くなる必要はないと思います。
合流で不足はありませんし、高速道路の上り坂もアクセルを踏み込めば速度低下はしません。
家族満載なら、なおのこと、わきまえた安全運転をするので、そこそこの流れに乗れれば十分です。
パワーよりも遮音の強化で満足度が増すと思います。
それから、言わずもがながら、近年のアシスト機能の装備ですね。