「働くクルマをココまでやる！？」前代未聞のプロボックス改4スロ仕様は突っ込みどころ満載の納品特急！

チューニング魂に限界はない！ プロボックスFを魔改造！

突っ込みどころ満載の4スロ仕様“納品特急”

「いやぁ、以前レガシィに乗っていたときの憧れだったもんで…」という、スバル純正WRブルーでオールペンされたプロボックスは、地元の農産物直売所に自慢の野菜を配送するのに大活躍している働くクルマ。新鮮な野菜を1秒でも早く消費者のもとに届けることだけを目的に、エンジンのパワーアップやサスペンションの強化を図っている…なーんてのは真っ赤なウソ。走りのポテンシャルを追求したチューニングは、JSPC(全日本プロボックス／サクシード選手権)を睨んでのものなのだ。

実はこのプロボックス、オーナーの澤田さんにとって2台目になるもの。新車で買った最初のプロボックスをクラッシュで廃車にしてしまったため、12年前に中古で初期型を購入。使えるパーツをフルに移植してニコイチ状態で作り上げている。

やはりなんといっても注目なのは、ボンネットの下に潜んでいるエンジンだ。前方の獲物を威嚇するかのように装着されているのは、AE111流用の4連スロットル。同じ4気筒エンジンとはいえ、1NZエンジンにそのまま取り付けられるわけはなく、インテークマニホールドをワンオフで製作してセット。エンジン制御はHKS F-CON Vプロで行っているのだ。

4スロならではの吸気音をフルに味わうためには、レスポンスに優れたエンジンがあってのこと。その点でも澤田さんのプロボックスは抜かりなし。エンジン内部にもしっかりチューンの手は加わっていて、腰下パーツの重量合わせに加え、回転部分のクランクシャフトやフライホイールはバランス取りが施されているのである。

スポーツ走行のポテンシャルを高めるためのサスペンションは、フロントにラルグス、リヤにJIC製の車高調(前後8kg/mm)をセット。それだけでなく、ワンオフのピロアーム類やロールセンターアジャスターも装着することで、正確なサスストロークとジオメトリー変化を可能としている。直進安定性の向上に効果のあるスタビライザーの強化に、若干パイプ径の太いbB純正品を流用しているのも興味深い。

エクステリアのカスタムも万全だ。リヤフェンダーは10mmのワイド加工が施され、8J幅のワイドホイールをツライチでバッチリ収めることに成功している。組み合わせるホイールは、20年ほど前に買ったロードスター用を鎌ヶ谷ワイドホイールで8J＋13に加工したもの。思い出も載せて走っているのだ。

マフラーはイデアベースのオールステンレス製。あえて古くささを狙った、オールドタイプの2本出しテールが走りの雰囲気を高めてくれる。

その他にも、あちこちに他車種流用パーツが活かされている。ボディ補強の基本であるタワーバーは、トラストのプラッツ用。インテリアのドレスアップ用にヴィッツRSエアコンノブを流用したり、後席のヘッドレストはカローラランクス用を使っているのである。

エンジンにドライブトレイン、サスペンションにブレーキ、内外装まで、バランスよくトータルチューンが施されている澤田さんのプロボックス。チューニングの奥深さや楽しさが伝わってくる絶品チューンドだ。

OWNER：澤田新吾

スペック

■エンジン：フルバランス取り／AE111純正4連スロットル／ワンオフインマニ／K&Nハイフローエアフィルター／イデアベース2本出しマフラー／HKS F-CON Vプロ／ワンオフアルミ2層ラジエター　■駆動系：ATS 強化クラッチ、機械式LSD／TRD ショートシフト　■足回り：Ｆラルグス車高調／ＲJIC車高調／スプリング(FR8k)／bB流用Fスタビ／ワンオフピロロアアーム、ロールセンターアジャスター　■ブレーキ：イマージュパッド／プロジェクトμシュー／キノクニステンメッシュブレーキライン　■内装：TRDステアリング、シフトノブ／スパルコセミバケ／ランクル流用リヤヘッドレスト／シルバーストーン4点ベルト／オートゲージミラーフェイスタコメーター／ヴィッツRS流用エアコンリング／ウッドセンターコンソール　■外装：スバルWRブルーオールペン／マイルストーンフジヤマクロスバンパー／TRAPチンスポ改／NKBリヤウイングスポイラー／リヤフェンダーブリスター加工／メッシュグリル　■ホイール＆タイヤ：鎌ヶ谷ワイドホイール加工スチール（8Ｊ×14＋13）／ブリヂストンネクストリー（175／65-14）　■その他：トラストプラッツ用タワーバー／フレームサポートバー