シトロエンベルランゴ、プジョーリフター、そしてフィアットドブロのステランティス3兄弟は、日本の輸入車MPV(ミニバン)市場を牽引してきた。そのなかの1台、フィアットドブロのマイナーチェンジモデルが2024年12月5日から発売開始となった。そのドブルの魅力はどこにあるのか、ゼミッタこと徳田悠眞氏が試乗チェック!
文:徳田悠眞(GOOD CARLIFE「ゼミッタ」/写真:ベストカーWeb編集部
マイナーチェンジで不満解消!? シトロエンベルランゴよりいい!? フィアットが生んだ欧州ミニバン「ドブロ」を徹底チェック。まさに今が買い時かも!!!
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■マイナーチェンジでどこが変わったのか?
家族や友人を乗せて出かける際はやっぱりミニバン。ランクル300やシビックタイプRなど様々なクルマを所有する筆者も、そういった場面では新型フリード一択だ。それはそうとして、ミニバン文化は日本だけのものじゃない。例えば、ルノーカングーやVWトゥーランといった欧州モデルも数多く存在し、今回のドブロもそのうちの一台。
実はこれ、プジョーリフターとシトロエンベルランゴの兄弟車で、いずれも2列5人乗り仕様と3列7人乗り仕様がある。「どうせ顔つきだけ違うんでしょ?」と侮ることなかれ。
左からシトロエンベルランゴ、中央がフィアットドブロ、右がプジョーリフター。みなさんはどれがお好み?
それぞれに個性アリだが、ドブロの特長はリーズナブルであること。いやいや、414万円スタートの価格設定が安いと言っているワケじゃございません。リフターが448万円~、ベルランゴが439万円~に比べれば、お安くまとまっているという話。
3兄弟の中で最も安価な理由は、16インチアルミホイールにとどめていたり、通常モデルには固定式ガラストップ(MagicTop)がなかったりと、ベーシック色を強めているからだろう。とはいえ、これで何が不満なのかという仕上がり。このあたりは後述したいと思う。
2023年5月に発売された、マイナーチェンジ前のフィアットドブロ
マイナーチェンジの変更点が意外に多い。まず、ボディカラーの「シネマブラック」は前期型にはなく、フィアットとして数年ぶりに採用したカラーリング。カラフルなイメージが強いブランドだが、シックな色味も悪くない。
マイナーチェンジ後のフィアットドブロ。LEDヘッドライトや1980年代から1990年代のFIATロゴからインスパイアされたという、4本線のマークが左のヘッドライト横にアクセントが入る
デザイン上でガラッと変わったのはフロントマスク。ポッチャリ系からカッコカワイい系になり、ヘッドライトのメインビームとフォグランプはLEDに進化した。よく見ると、レタリングロゴはガンメタになり、リア周りのバッジ類も同様の変更を受ける。
左サイドには初代パンダやバルケッタなどの1980~90年代モデルからインスピレーションを得た4本線のマークを採用。グレーのフロントスキッドプレートを追加し、上質感を高めている。
ボックスシェイプのサイドデザインは以前と同様ながら、サイドガーニッシュは質感の高いグロスブラック仕上げに変更。ホイールエンブレムが従来の赤ロゴではなく、レタリングタイプに変わっているのも見逃せない。リア周りはほぼ同じだが、後期型からカラードバンパーを採用する。
2列シート5人乗りに試乗。ボディサイズは全長4405×全幅1850×全高1825mm、ホイールベース2785mm
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■インテリアも改良箇所が多い
ブラックを基調としたコクピットにはシルバーのアクセントが入る。10インチのタッチスクリーン式センターディスプレイ、フルカラーの10インチTFTを採用したマルチファンクションディスプレイ、ステアリングヒーターやUSBソケット(タイプC)が2個装備
インテリアは黒を基調としたコンサバスタイル。そのなかで、マイナーチェンジの変更点がまたしても多い! ドアトリムやダッシュボードのアクセントカラーはブルーからシルバーに。シートはメイン部がグレーからネイビーになり、ロゴ入りのシルバーラインも追加された。
一新されたステアリングホイールはトピックが目白押しだ。2スポーク形状になり、センターロゴがレタリングに変わり、ADAS(先進運転支援システム)の操作系統がレバー式からスイッチ式に変更され、さらにはパドルシフトも従来とは異なるカタチになった。
ステアリングヒーターも備わるとはビックリ。メーターパネルはアナログタイプからフル液晶タイプになり、センターディスプレイは8インチから10インチにサイズアップ。
ただし、ステランティスグループでは主流のTomTom製ナビゲーションが備わらない点に注意が必要だ。トグル型シフト、ドライブモードセレクトスイッチ、USBポート(タイプC)などもマイナーチェンジの変更点として挙げられる。
座面および背面にネイビーのファブリックを使用し刺繍パターンを採用。フロントシートはFIATロゴ入りシルバーラインがアクセント
試乗車は2列5人乗り仕様だが、3列7人乗り仕様もあり、家族構成や用途に応じてモデルを選択できる。しかし、今時の国産ミニバンなら当たり前のパワースライドドアやイージークローザーがない! 子供や力の弱い方には不親切と思える反面、不要なメカトラブルが減るだろうから一長一短か。
2列目は3座独立式でフォールディング性のいいしっかりした作り
セカンドシートは3座独立式と国産ミニバンでは見かけないタイプ。スライド&リクライニング機構はないが、身長175cmの筆者が座っても膝前&頭上空間の狭さは感じなかった。シートバックテーブル、USBポート、風量コントロール付きエアアウトレットなどの快適装備も備わる。
後ろが狭い駐車場では大きなバックドアは開閉できない。ただし、ドブロはリアガラスだけ開け閉めできるから、たやすくラゲッジルームにアクセスできる。
荷室容量はフル乗車時で約597L、2名乗車時で約2126Lと超広い。荷物をガンガン積むもよし、家族で車中泊するもよしと、様々な使い方ができる。なお、助手席可倒時の最大積載長は約2700mm! 大型家具も楽勝で積み込める!
荷室容量はフル乗車時で約597L、2名乗車時で約2126L。身長175cmの筆者が横になるとギリギリ寝転がることができる
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■乗ってどうだ?
パワートレーンは130ps/300Nmを発生する1.5L、直4ディーゼルに8速ATを組み合わせる
パワートレーンは1.5L、直4ディーゼル。130ps/300Nmと平凡なスペックだが、出足から中速域までトルクフルに加速し、8速ATの変速感も心地よい。意外だったのが静粛性の高さ。あらゆる箇所に目付けの高いインシュレーターを装着してあり、その効果もあって車内で響くディーゼルノイズはほぼなし。
マイナーチェンジしたリフターやベルランゴにも試乗済みだが、乗り味に大きな差はない。いずれも重厚感があり、凹凸をしなやかにいなすセッティング。ただし、17インチ仕様のリフターに比べると、当然ながらタイヤ剛性はやや劣る。
シフトはダイヤル式からトグル式に変更となった
ADAS(先進運転支援システム)のアップデートは朗報だ。フロントバンパー下部にミリ波レーダーが追加され、アダプティブクルーズコントロールが0km/hまで追従可能になった。また、停止後3秒以内の再発進も可能となる。
初採用のレーンポジショニングアシストは単なるステアリングアシストではなく、車線内の走行位置を任意に調節できるスグレモノ。走行レーンに応じて右寄りないしは左寄りにセットすれば、ロングドライブ時の疲労軽減を一層図ることが可能だ。
■フィアットドブロ価格
フィアットドブロ(2列シート5人乗り)=414万円
フィアットドブロマキシ(3列シート7人乗り)=436万円
フィアットドブロローンチエディション(2列シート5人乗り、特別仕様車、限定80台)=426万円。特別装備はマジックトップ(固定式ガラスルーフ)、専用FIAT×Polerソフトマルチコンテナ、専用FIAT×Polerマルチユーティリティチェア2脚。
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みんなのコメント
マイナチェンジ前の丸っこいお顔のほうが、「おっ、FIAT」って感じが強い。
ステランティスの最近のモデルチェンジは、ステランティスとしての統一感は感じるが、各ブランドの個性がどんどん無くなっているように感じてしまう。