現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > ニッサンが考える上質とは? 新型ノート・オーラ試乗記

ここから本文です

ニッサンが考える上質とは? 新型ノート・オーラ試乗記

掲載 更新 5
ニッサンが考える上質とは? 新型ノート・オーラ試乗記

コンパクトハッチバックのニッサン「ノート」をもとに開発されたプレミアム・コンパクト「ノート・オーラ」に小川フミオがいちはやく試乗した。テストコースでの印象を語る。

パワーと快適性をアップ!

進化はやっぱりスゴかった──新型フォルクスワーゲン・ゴルフ試乗記(前編)

ライフスタイルの変化に合わせてクルマのダウンサイジングを考えている輸入車オーナーがターゲット。というのが、ニッサンが2021年6月15日に発売した「ノート・オーラ」だ。全長4045mmのコンパクトボディながら、力強く印象的な走りが味わえる電動車だ。

ノートは、モーター駆動用のバッテリーへ給電するために1198cc直列3気筒エンジンを搭載した、いわゆるシリーズ・ハイブリッドだ。ニッサンのいうところの「e-POWER」搭載車である。3代目になる現行型の前輪駆動モデルが発売されたのは2020年11月で、4WDの追加が同年12月だ。

それからわずか半年で登場したのが、今回のノート・オーラということになる。ノートよりパワーアップしているのと、外観や内装などの仕上げがさらに上質になっているのが特徴だ。

運転支援システムの「プロパイロット」や、日本で初めて採用のBOSE「パーソナルプラスサウンドシステム」は、輸入車にはない装備。ちゃんと独自の快適性が追究されている。

さらなる特徴は、パワーアップだ。ノート・オーラでは、モーターとインバーターの性能を上げて出力とトルクを増している。ベースのノートに対して、出力は85kWから100kWに引き上げ、最大トルクも280Nmから300Nmへと厚くなっている。

さらに気持ちのよい走りへ

早いタイミングでの試乗だったので、日産自動車のテストコースでのドライブだった。クルマの性能を試すのが目的で設計されているだけに、むずかしいカーブがあったり、高速コースがあったりする。

最初に乗ったのは、モーターを前後に搭載した4WDだ。感心するぐらい加速がよく。速度計の針はぐんぐん上がっていく。

しかも4WDは、アクセルペダルの踏み方などを勘案して、自動で前後のトルク配分を制御するという。たとえば、減速しようとドライバーがアクセルペダルを踏む力をゆるめたときに起きがちなフロントダイブを防いでいる。ボディが不意に前につんのめってピッチングを起こさないようにするためだ。

ドライブモードは3つ。「エコ」「コンフォート」それに「スポーツ」。いろいろ試したところ、(少なくとも)テストコースではどのモードでもじつによく走る。スポーツはアクセルペダルへの反応が鋭くなり、前後の駆動力を最適配分するため、曲がりが楽しい。

太めのグリップのステアリング・ホイールにすなおに反応して、すっとノーズが曲がりたい方向を向く。この感覚はノートの美点で、ノート・オーラでもしっかり味わえる。

ノート同様、ノート・オーラにも、前輪駆動も用意される。こちらも楽しいものの、フラットライドによる快適な乗り心地と、小さなカーブでもすばやくこなしていける4輪駆動ならではの、スポーティともいえる操縦感覚は捨てがたい。

私はノートでもじゅうぶん速いと思っているだけに、さらなるパワーアップの真意はどこにあるか? と、試乗会の現場で、ニッサンの技術者に確認したところ、「高速道路での追い越し時や合流などでは、加速がよければよいにこしたことはないし、トルクが厚くなったぶん、さらに気持ちのよい走りが提供できるようになりました」という答えだった。

ゴルフ8と比べたら?

はたしてノート・オーラは、輸入車オーナーにどこまでアピールするか。発売のタイミングは、8世代めになったフォルクスワーゲン「ゴルフ」と重なる。ゴルフはマイルドハ・イブリッド・システムを搭載した1.0リッターと1.5リッターガソリンエンジンなので、ノート・オーラとは成り立ちが違う。

ガソリン・エンジンが持つ、燃料を燃やしながら徐々にトルクが上がっていく感覚が好きというひともいるだろう。でも、乗り較べてみると、ノート・オーラのダイレクトな動力性能のインパクトはかなり強い(はず)。

内装にシートの作りを含めてちょっと不満があるものの、クルマが好きなひとなら、いちど乗ってみる価値があるクルマだ。

「輸入車オーナーの乗り換え需要を取り込みたい」という日産の狙いに引きつけて言えば、クオリティの高いゴルフ8にも、負けてはいないと思う。

ノートとの差別化

BOSEのオーディオ「パーソナルプラスサウンドシステム」(オプション)では、Aピラーにツイーターを、前席ドアにワイドレンジの4つのスピーカーを、さらに前席のヘッド・レストレイントにはミドレンジを担当するスピーカーを組み込んでいる。フロントに集中する「タイト」からライブ会場を思わせる「ワイド」まで任意で音場をコントロールできる。

全長4m少々、ホイールベースも2580mmというコンパクトなパッケージのなかでいい音を聞かせるためにBOSEが開発したシステムで、北米で売られている日産のコンパクトではすでに採用されて評価が高いという。たしかに音楽が好きなひとなら、よいかもしれない。

長時間聴いていないのではっきりと言えないものの、試乗コースで自分のiPhoneをつないで試したかぎり、音源を選ばず、気持ちのよい再生を楽しませてくれた。

車名のオーラとは「気品や独特の雰囲気を意味する英語のオーラを使うことで存在感を放つプレミアムなクルマを目指し、またドイツ語でのアウラ(と発音)にはオリジナルだけが持つ輝き、という意味があることにも注目して採用」(大意)と、日産自動車の商品企画部の遠藤智実主管は説明してくれた。

性能にくわえて、ノートより強くプレミアム性を追求したノート・オーラは、デザインでも差別化をはかり、すでに発表済みの日産のピュアEV「アリア」との強い共通性がエクステリアに盛り込まれた。

全体の印象をはじめ、フロントのシークエンシャル式ターンシグナルを組み込んだ「Vモーショングリル」や、上下幅の薄いヘッドランプに逆台形グリルを組み合わせたフロントマスクなどは、アリアと共通するデザインテーマだ。

薄く見えるキャビンと特徴的な塗り分けがされたリアクオーターピラーの造型、さらに橫一文字のリアマーカーランプなどにも近似性がある。

「ノートより仕上げにはさらに手をかけているいっぽう、アリアと共通のデザインボキャブラリーを採用することで、新世代EVに対するニッサンの思想がダイレクトに感じられることをめざしました」

とは、日産自動車のデザイン部でダイレクターを務める入江慎一郎氏の説明だ。

ノートオーラの価格は、前輪駆動が261万300円から、4WDが286万8800円から。ナビリンク機能付きプロパイロット、ニッサンコネクト機能、BOSEパーソナルプラスサウンドシステム、純正ナビゲーションシステムなどを含むセットオプションは40万1500円だ。

文・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.)

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

「これが売れなかったら四輪撤退…」→超ロングセラーに! 世界の「シビック」を生んだ“妙な納得感のある理論”とは
「これが売れなかったら四輪撤退…」→超ロングセラーに! 世界の「シビック」を生んだ“妙な納得感のある理論”とは
乗りものニュース
沼にハマる 『レトロモビル2025』でフランス車の魅力に迫る 高い技術力と芸術的デザインの融合
沼にハマる 『レトロモビル2025』でフランス車の魅力に迫る 高い技術力と芸術的デザインの融合
AUTOCAR JAPAN
トヨタ「86」&スバル「BRZ」用クラッチは「歯打ち音」を低減!「ヤリス」用は半クラが扱いやすい…待望のアイテムが「小倉クラッチ」からリリース!
トヨタ「86」&スバル「BRZ」用クラッチは「歯打ち音」を低減!「ヤリス」用は半クラが扱いやすい…待望のアイテムが「小倉クラッチ」からリリース!
Auto Messe Web
先端の「クマ」も再現 ブガッティ・タイプ57 S コルシカ(2) 受賞多数のオープンボディ
先端の「クマ」も再現 ブガッティ・タイプ57 S コルシカ(2) 受賞多数のオープンボディ
AUTOCAR JAPAN
帽子を焦がしたレーシングシャシー ブガッティ・タイプ57 S コルシカ(1) バラバラからの再生
帽子を焦がしたレーシングシャシー ブガッティ・タイプ57 S コルシカ(1) バラバラからの再生
AUTOCAR JAPAN
トヨタ勝田貴元、惜しくも優勝逃す2位フィニッシュ……3.8秒差で僚友エバンスに軍配|WRCラリー・スウェーデン
トヨタ勝田貴元、惜しくも優勝逃す2位フィニッシュ……3.8秒差で僚友エバンスに軍配|WRCラリー・スウェーデン
motorsport.com 日本版
スズキの超ハイルーフ「本格SUV」に期待大!「ジムニー」超える“悪路走破性”に「まるで軍用車!?」な斬新デザイン採用! 日常から“アウトドア”まで大活躍の「エックスヘッド」コンセプトがカッコイイ!
スズキの超ハイルーフ「本格SUV」に期待大!「ジムニー」超える“悪路走破性”に「まるで軍用車!?」な斬新デザイン採用! 日常から“アウトドア”まで大活躍の「エックスヘッド」コンセプトがカッコイイ!
くるまのニュース
10トン超えのバッテリーを搭載して航続距離500km……ってホントにエコ? 大型トラックはBEVよりもFCVのほうが最適解
10トン超えのバッテリーを搭載して航続距離500km……ってホントにエコ? 大型トラックはBEVよりもFCVのほうが最適解
WEB CARTOP
被災3年…ついに架設スタート! 阿武隈川を渡る国道399号“軽くなる”新しい橋の姿は?
被災3年…ついに架設スタート! 阿武隈川を渡る国道399号“軽くなる”新しい橋の姿は?
乗りものニュース
“ランクル250”をハードコアにカスタマイズ!? オフロードチューニングのスペシャリストが最新コンプリートカー「AT37」を発表!
“ランクル250”をハードコアにカスタマイズ!? オフロードチューニングのスペシャリストが最新コンプリートカー「AT37」を発表!
VAGUE
FDJ2がMIDホイール一色に! 公式ワンメイク化でドリフトシーンに新時代到来!!…大阪オートメッセ2025
FDJ2がMIDホイール一色に! 公式ワンメイク化でドリフトシーンに新時代到来!!…大阪オートメッセ2025
レスポンス
【特集】レッドブルの非情なドライバー育成……しかし彼ら以上にドライバー育成に注力してきた存在はゼロ
【特集】レッドブルの非情なドライバー育成……しかし彼ら以上にドライバー育成に注力してきた存在はゼロ
motorsport.com 日本版
前の車との「車間距離」めちゃ大事! でも運転中「どうやって」測る!? 「高速」や「一般道」で適切な車間を取る方法とは
前の車との「車間距離」めちゃ大事! でも運転中「どうやって」測る!? 「高速」や「一般道」で適切な車間を取る方法とは
くるまのニュース
まるでリアルRPG!? 目指せ鈴鹿8耐優勝! レーシングライダー石塚健が新チーム立ち上げを発表
まるでリアルRPG!? 目指せ鈴鹿8耐優勝! レーシングライダー石塚健が新チーム立ち上げを発表
バイクのニュース
デジタル装備が進化、走行性能もアップ!フリークも納得した新型「ゴルフ8.5 GTI」の高い実力
デジタル装備が進化、走行性能もアップ!フリークも納得した新型「ゴルフ8.5 GTI」の高い実力
@DIME
【MotoGP】ホンダは思ったより大丈夫? アプリリアから加入のアルベシアーノ「革命は必要ない」
【MotoGP】ホンダは思ったより大丈夫? アプリリアから加入のアルベシアーノ「革命は必要ない」
motorsport.com 日本版
「これが普段使い!?」メルセデスAMG A35が“異次元”サウンドマシンに進化 Pro Shop インストール・レビュー by レジェーラ 後編
「これが普段使い!?」メルセデスAMG A35が“異次元”サウンドマシンに進化 Pro Shop インストール・レビュー by レジェーラ 後編
レスポンス
スーパーフォーミュラの改革は話題づくりだけじゃない。さらなる発展に不可欠な“制度整備”……ハンドボールリーグ元事務局長が荒地を耕す
スーパーフォーミュラの改革は話題づくりだけじゃない。さらなる発展に不可欠な“制度整備”……ハンドボールリーグ元事務局長が荒地を耕す
motorsport.com 日本版

みんなのコメント

5件
  • ホーラ、ノートオーラが出たぞ。
    フル液晶メーターだけは、レクサスよりカッコいいかもしれない‼️
    ちょっと待て絶対路上でオーラオーラするなよ‼️煽るのはネット上だけにしとけ‼️
    オラは日産でもかーなーり上位のヒエラルキーに位置する車だろう。セダンも終わるしね。

    申し訳ないが、買う金もない癖にチラ裏にも書けない糞コメしてんじゃねーよ!とかいう耳が痛くなるご指摘はNG
  • ノートの横幅を少し大きくしてマイナーチェンジ。
    まるで新車出たみたいな扱いだな。
    新車出せない日産なら仕方ないかww
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

144.8268.3万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

4.9314.0万円

中古車を検索
ノートの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

144.8268.3万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

4.9314.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村