昭和は遠くなりにけり…だが、昭和生まれの国産スポーティカーは、日本だけでなく世界的にもブームとなっている。そんな昭和の名車たちを時系列で紹介していこう。今回は昭和60年発売のマツダ サバンナRX-7(2代目)だ。
スポーツ度が高いクルマ造りを目指した
マツダ サバンナRX-7:昭和60年(1985年)9月発売
初代サバンナRX-7は昭和53年(1978年)にデビューし、斬新なスタイルで当時の若者のハートを捉えた。もともとはロータリーエンジン専用に開発された、マツダを代表する本格スポーツカーとして位置付けられていた。
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それから7年という長い間、ほとんど大きな変更もなく、絶大な人気を集めた。時流は低公害のエンジンを躍起になって作っていた頃で、スポーツカーというカテゴリーが世の中から忘れられていただけに、若者には強いインパクトを与えた。
FC3S型 2代目サバンナRX-7は、昭和60年(1985年9月)にデビューを果たし、よりスポーツ度の高いクルマ造りが行われていた。ボディの形状は2ドアクーペと先代のコンセプトを受け継いでいたが、初代RX-7より大型化して全長×全幅×全高が4310×1690×1270mmと立派な体格が備わっていた。
基本的にコンパクトなロータリーエンジンを搭載することでボンネット高はかなり低くおさえられ、ヘッドライトは得意のリトラクタブル式が採用されている。ボディの剛性もかなりのレベルまで高められ、とくにキャビン付近は先代に比べると多少、閉鎖的な雰囲気にまとめられていた。フェンダーのラインもブリスタータイプとするなど、ディテール面でもこれまでにない試みが多く見られた。
2代目のデビュー当初はクローズドボディだけのラインアップだったが、1987年8月にオープンモデルのカブリオレが追加された。このカブリオレは、オープン/タルガトップ/クローズドの3形態が可能になる、ユニークなオープンカーであった。
RX-7に用意されていたパワーソースは13B型。排気量アップの難しいロータリーはインタークーラーとターボを全車に採用することで、排気量アップに見合うパワーを発生させた。初代は12A型ロータリーで始まり、最終的に12A型ターボにまで発展してきたが、今回は最高出力185ps/6500rpm、最大トルク25.0kgm/3500rpmを発生する13B型ターボが搭載されて、パワー的にも十分にライバルたちに太刀打ちできるスペックが備えられた。
もちろん、13B型ロータリーエンジンも、軽量かつコンパクトであるのは12A型と同じで、その利点を活かしてエンジンルームの後方、バルクヘッド側に寄せた位置にマウントし、重量配分の面で有利なフロント・ミッドシップを採用していた。
1989年3月のマイナーチェンジでタービンの特性を向上させてパワーアップが図られ、最高出力は205ps/6500rpm、最大トルクは27.5kgm/ 3500rpmへと向上している。
RX-7はスポーツカーという性格上、どうしても操る楽しみをなくしてはならない。そこでマツダは2代目RX−7のサスペンションを積極的にコントロールしようと、新たに開発したマルチリンクサスペンションをリアに与えた。リアのトーイン/トーアウトは、サスペンションの形状とコンプライアンスによってどちらかに決まるが、RX-7に採用されたマルチリンクでは、3点支持のトーコントロールハブを持つことでハブは固定され、入力荷重に応じてトレーリングアームのブッシュコンプライアンスの働きによって制御する。この入力荷重は0.4Gを境にして、トーイン/トーアウトの制御が行われる。
つまり、回頭性より安全性を優先する領域では後輪がトーインを向く、それを超すと後輪はトーアウトへと制御される仕組みを採り入れていた。
RX−7に与えられたハイパワーや素晴らしい操縦性を100%活かすために、ブレーキの制動力も余裕が要求された。まずブレーキパッドの面積を広げ、それに見合ったキャリパーを開発した。RX-7は、対向4ピストンのアルミ製キャリパーとベンチレーテッドディスクを組み合わせ、その要望に十分応えた。これはその後のスカイラインGT-R(R32)やフェアレディZ(Z32)のブレーキにも大きな影響を与えた。
マツダ サバンナRX-7 GTリミテッド 主要諸元
●全長×全幅×全高:4310×1690×1270mm
●ホイールベース:2430mm
●重量:1280kg
●エンジン型式・種類:13B型・直2ローター ターボ
●排気量:654cc×2
●最高出力:185ps/6500rpm
●最大トルク:25.0kgm/3500rpm
●トランスミッション:5速MT
●タイヤサイズ:205/60R15
●価格:303万8000円
[ アルバム : マツダ サバンナRX-7(2代目) はオリジナルサイトでご覧ください ]
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