2019年にBMWとの共同開発車として誕生したGRスープラ。BMW・Z4と共通のプラットフォームを用いており、トヨタが開発したとはいえ、BMWの色が非常に強いクルマだ。
GRスープラは他のトヨタ車と同じなのだろうか、それともBMWのような輸入車として考えるべきなのか。今回は販売店で行う点検・整備にスポットを当てて、解説していこう。
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文:佐々木 亘
画像:TOYOTA
■部品はBMW製造でも安心価格!?
GRスープラのエクステリアには、まだトヨタの雰囲気を感じられるが、車室内に入るとBMW感が非常に強くなる。ステアリングにはトヨタエンブレムがあるものの、シフトノブやエアコン、ナビゲーションシステムなどのスイッチ類は、BMWそのものだ。
車両の大枠はBMW・Z4と同じくオーストリアのマグナ・シュタイアグラーツ 工場で製造され、海路で日本に輸送される。日本国内に入るとトヨタの元町工場へ移動され、ここで完成検査を行って、各ディーラーへ運ばれるという流れだ。GRスープラに使われているほとんどのパーツがBMW製のものを使用していると言っていい。
エクステリアには、まだトヨタの雰囲気を感じられるが、車室内に入るとBMW感が非常に強くなる
内外装のパーツを傷つけるなどして交換する場合は、トヨタの他車種のものよりも若干値が張る。それでもBMW製だからと言って法外な値段で販売しているわけではないので安心して欲しい。一線級のスポーツカーならば、相応の金額と言えるだろう。
また、定期点検についてもGRスープラは特別な体制が敷かれている。ガレージでリフトアップし、車体の底面を見ただけで、それは普通のトヨタ車ではないと分かるだろう。そのためか、少々工賃も高いのが実情だ。
■スープラの点検費用が高いのではなく国産車が安すぎるのだ!!
例えば12カ月点検で比較してみよう。点検費用は、車両の大きさとエンジン排気量が関係し、大きくなればなるほど費用が高くなる傾向にある。
GR86の場合、12カ月点検の基本点検費用は8,800円だ。対してスープラは16,500円にもなる。ランドクルーザーの13,200円を大きく凌ぐ金額であり、トヨタ車の中では最も高い点検費用となっている(金額は筆者調べの一例であり、販売店によって異なります)。
オイル交換にかかる費用は、工賃込みで13,000円程度だ。トヨタディーラーやGRガレージでの作業では、GRモーターオイルの0W-20を使用する。交換サイクルは15,000kmごと(シビアコンディションでは7,500kmごと)が推奨され、オイルは全量を抜いての補充(およそ6.0L~6.5L使用)となるので、この辺りは他のトヨタ車と変わりは無い。
12カ月点検の基本点検費用はトヨタ車の中では最も高い点検費用となっているが、オイル交換にかかる費用は他のトヨタ車と変わりは無い
ドイツ車というと、オイル「交換」ではなく、オイル「補充」のイメージを持つ方も多いかもしれないが、GRスープラでは「交換」を基本としている。約20,000km走るまで、3~4回のオイル補充をするドイツ車とは違うので、エンジンオイルの取り扱いに関しては日本車同様と考えていいだろう。
点検や基本的な消耗部品の交換をセットにしているメンテナンスパックに関しても、スープラには独自のサービス体制を取る販売店が多い。
最も多いのが6か月・12か月の基本点検費用のみをパック化して提供しているケースだ。他車種の場合は、オイル・オイルフィルター・ワイパーゴム・エアコンフィルターなどの消耗部品の交換もセットとなるが、GRスープラの場合は部品交換の場合別途費用が発生する。
トヨタで人気の車検付きメンテナンスパックについても、GRスープラだけは加入できない店舗が多かった。特別な技術と特別な部品を使用するGRスープラの部品交換付きメンテパックは、販売店の利益にならないのだろう。
それほど、部品は高価であり、作業も手間がかかるものだと考えていい。しかしGRスープラが特別高いというわけではなく、一般的な日本車のメンテナンスが安すぎるのだ。
■魅力的だったKINTOが復活して欲しい
車両本体価格が高い、メンテナンスも高い、そしてスポーツカーなので任意保険も相応に高いGRスープラ。クルマを買っても、ランニングコストを払うのが苦しくなりそうと、想像するユーザーも多いだろう。
これらの悩みを一手に引き受ける、トヨタのサブスクリプションサービス「KINTO」にGRスープラがラインナップされていたことがあった。2020年8月に21台の限定で登場したGRスープラの2019年モデルは、自動車保険はもちろん、自動車税、定期メンテナンスなどがコミコミで、7年プラン30,580円~という手軽さがウリだ。
GRスープラの2019年モデルは、自動車保険はもちろん、自動車税、定期メンテナンスなどがコミコミで、7年プラン30,580円~という手軽さがウリだった
もちろん即完売となったGRスープラのKINTO、願わくはもう一度復活して欲しい。(もちろん常設車種として)KINTOなら、BMW製だからと気構えずに、GRスープラを楽しむことができると思うのだが。
ちょっとお高いGRスープラの整備事情。純国産車とはいかないが、半輸入車程度に考えておけばお釣りがくる。BMWとの共同開発車が増え、メンテナンス性が高まっていけば、高い整備費用も下がっていくではないだろうか。
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みんなのコメント
この人は何を言ってるのだろうか。交換に決まってんだろ。
トヨタディーラのメカじゃ整備すらできないし
確かトヨタに持って行っても、修理とかはBMWの指定工場に運ばれたはず。