オヤジ世代に突き刺さるクルマといえば
濃厚なチューニングの時代を経験したオヤジ世代に突き刺さるマツダ初代「サバンナRX-7」。今や世界が認めて日本が誇るチューニングは、ちょうどこのクルマが真夜中の街道レーサーとして走っていた1980年初頭に花咲き、盛り上がりを見せました。
DCブランドロゴが懐かしい! マツダ「サバンナRX-7」は10年眠っていたエアロパーツを復刻して「IMSA GTO 254」仕様にしました
RE雨宮の原動力となった初代サバンナRX-7
RE雨宮といえば、言わずと知れた「RE雨宮セブン」だが、なかでもマツダ初代サバンナRX-7は代表である雨宮さんにとっても思い出深いクルマである。過去を振り返れば、ストリートゼロヨンが盛んに行われていた時代に数々の伝説を作り、日本自動車研究所高速周回路(通称谷田部)で開催された最高速記録会では、ロータリーエンジン搭載車として初の300km/hオーバーを記録した。言うなれば、初代サバンナRX-7チューンの歩みこそが、RE雨宮の原動力となり、その後に続くGReddyシリーズの道しるべとなったに他ならない。
そして、その数多く打ち出した記録は、われわれに速いクルマこそがカッコ良いという印象を強く与え、当時は珍しかったRE雨宮製のエアロキットは、それを真似しようとするチューニングフリークの間で大ヒット。象徴的なデザインのボンネットやバンパー、リアウイングを装着させるスタイルで一世を風靡した。
東京オートサロン2024に展示されたサバンナRX-7は、その頃の面影を色濃く残していたものであった。ボンネットに装着するエアアウトレットの形状や配置も往年のマシンの姿を彷彿とさせ、フロントバンパーも懐かしの形状を再現しつつ、アンダーパネル等を追加し現代流のアレンジが加えられていた。ただ、懐かしさ満点のクルマというのではなく、その懐かしさの中に最新技術が詰まった1台に仕上がっていた。
排気系はパワークラフト製でまとめる
あらためて仕様を見ていく。まず気になる外装だが、ワイド化があたり前の時代にあえて純正スタイルのナローボディというのが斬新だ。素のサバンナRX-7の持ち味を生かした作り込みだといえる。
オリジナルエアロキットの構成については、フロントバンパー、スリークライト、アンダーパネル、サイドステップ、リアウイング、エアロミラーを装着。その形状はあの頃の「らしさ」と「存在感」を残した仕上げになっている。
また、エンジンについては、12A型ロータリーエンジンから13B型ロータリーエンジンに換装している。もちろんターボモデルであり、装着したタービンはTD06-25Gタービンで、補器類についてはRE雨宮SPLインタークーラーにRX-8用3層レーシングラジエター等を装着。排気系は、エキゾーストマニホールドもマフラーもすべてパワークラフト製でまとめている。
パワーアップに伴う駆動系の強化は、トランスミッションがマイナーチェンジ後のRX-8用6速MTをドッキングさせ、クラッチはORCのツインプレートセット、デフはマツダスピード製を組み、走りにゆとりを持たせている。
昔と違って現在のチューニングはオールマイティに走りを楽しめる仕様がスタンダードだ。どこかひとつのステージに焦点を合わせたスタイルは遠い過去である。だが、昔の思い出とともに、仕様は違えど再びあの頃のクルマの雰囲気に触れて楽しみたい。今回、RE雨宮がわれわれの目の前に披露してくれたサバンナRX-7は、そんな意図をもって展示されているように思えた。
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