1シリーズと3シリーズの間の微妙なポジション
手頃な大きさのBMWといえば、1シリーズや3シリーズが定番。2シリーズは、それらの陰になり気味だ。特にグランクーペは、忘れられがちな兄弟モデルといえるだろう。
【画像】BMW 2シリーズ・グランクーペ 競合のS3とCLA 35 1シリーズにシビック・タイプRも 全110枚
現在の2シリーズで、大きな存在感を示しているのはスポーティな2ドアクーペ。ファミリー層からは、アクティブツアラーが支持を集めている。それでも、定評を築いた3シリーズと1シリーズの間の、やや微妙なポジションにはある。
初代と同様に、2代目2シリーズ・グランクーペが基礎骨格とするのは、UKL2プラットフォーム。SUVのX1や、ハッチバックの1シリーズと共有している。駆動方式は、ベーシックな220では前輪駆動。今回試乗した、M235 xドライブは四輪駆動となる。
スタイリングは、最近新しくなった1シリーズと歩調を合わせるように更新。目を引く雰囲気を放っている。全長は20mm、全高は25mm大きくなり、フロントマスクは丸みを帯びた形状に。キドニーグリルの存在感は、そこまで強くない。
主張を増したい場合は、2075ポンド(約40万円)で、Mスポーツプロ・パッケージを指定できる。ブラックのボディトリムに、M仕様のライト、レッド・ブレーキキャリパーなどが追加される。
メカニズムも、新しい1シリーズと同等のアップデートを受けた。BMWは、ボディ剛性を向上したほか、ステアリングの精度を高め、敏捷性を増したと主張する。また、負荷に応じて減衰力が変わる周波数感応式ダンパーを組み、乗り心地も改善したという。
伸びたぶん車内にゆとり デジタル技術の宝箱
試乗車のM235 xドライブの場合、車高は220より8mmダウン。スポーツステアリングと、アダプティブMサスペンションが実装され、操縦性や快適性を更に高めている。エンジンルームにはストラットブレースが標準で与えられ、ホイールは18インチだ。
全長が伸びたことで、車内には初代以上のゆとりが生まれた。前席側は、よほどの高身長でなければ充分な広さ。ルーフラインはカーブを描くものの、後席側も身長180cm程度までなら快適に座れると思う。
荷室の容量は430L。最大のライバル、メルセデス・ベンツCLAは460Lで、若干狭いものの、日常的な不満は出ないはず。
インテリアは、10.7インチのタッチモニターと10.25インチのメーター用モニターが中心的な存在だろう。第9世代のiドライブが稼働する、ライブコクピット・プラス・システムが採用され、デジタル技術の宝箱といった印象。間接照明も備わる。
ヒーター内臓のシートは、合成皮革張り。ダッシュボード上面やアームレスト、ドアパネルなどはソフトタッチ加工され、上質な雰囲気が狙われている。グローブボックスでは、手作業で削り出されたアルミニウム製トリムが輝く。
iドライブ・システムは可読性に優れ、操作性も良好。パノラミックカメラと拡張現実、音声認識の機能に対応したカーナビは、やや扱いにくく感じたが。ロータリーコントローラーの復活は、難しいのだろうか。
運転席からの視界は広い。理想的なドライビングポジションへ、調整もしやすいはず。
動力性能はメルセデスAMG CLA 35に匹敵
英国仕様のエンジンの1つは、220に載る1.5L 3気筒ガソリンターボ。最高出力169psで、電圧48Vのマイルド・ハイブリッドとなる。
M235 xドライブに載るのは、2.0L 4気筒ガソリンターボ。300psと40.7kg-mを発揮し、0-100km/h加速を4.9秒で処理する。市場によっては、ディーゼルターボの220dも提供される。
公道へ出てみれば、M235 xドライブの加速はお見事。滑らかに湧出したパワーが、タイヤ4本を介して路面へ伝達される。エンジンのフィーリングは、特に惹き込まれるような個性があるわけではないが、動力性能はメルセデスAMG CLA 35に匹敵する。
ステップトロニック7速デュアルクラッチATは、シフトアップが鋭い。シフトダウンは、やや遅れ気味に思えた。
ステアリングの反応はダイレクトながら、ドライバーとの一体感を生む質感とはいいにくい。コーナリングスピード自体は充分に高いものの、後輪駆動の3シリーズの方が、運転にはのめり込める。
一方、四輪駆動とアダプティブMサスペンションのおかげで、安定性は非常に高い。狙ったラインを、ヒタヒタと辿っていくマナーには充足感が伴う。
乗り心地など、走行時の洗練性はクラス相応に優れる。速度抑止用のスピードバンプをしなやかにいなし、石畳の路面でも振動は抑えられている。高速域では、僅かに落ち着きに欠けるようだが、長距離移動を快適にこなせるだろう。
今回の試乗場所は、アスファルトが比較的平滑だったスペイン。荒れた英国では、どんな印象を与えるだろうか。
実用性と動的能力を両立した小さなサルーン
2代目へ進化した、2シリーズ・グランクーペ。スタイリングはモダンになったが、Mを頭文字に掲げるモデルとして、期待値ほど運転での満足感は得られないかもしれない。2シリーズで走りを重視するなら、2ドアクーペの方が望ましいチョイスになる。
とはいえ、実用性と動的能力を両立させたコンパクトな4ドアクーペをお探しなら、新しいグランクーペは理にかなった1択になる。技術的なアップデートも、魅力の一部を構成している。
ただし、M235 xドライブの予算を用意できるなら、ベーシックな3シリーズも狙えてしまうことが悩ましい。絶対的な速さでは劣るとしても、総合的な魅力度で、劣らないことは否定できないだろう。
◯:有能なコーナリング 充分に広い荷室 居心地の良いインテリア
△:個性の薄い4気筒エンジン 少し過剰気味なデジタル技術 そばにある3シリーズの存在
BMW M235 xドライブ・グランクーペ(欧州仕様)のスペック
英国価格:4万4435ポンド(約866万円)
全長:4546mm
全幅:1800mm
全高:1445mm
最高速度:249km/h
0-100km/h加速:4.9秒
燃費:13.3km/L
CO2排出量:170g/km
車両重量:1335kg
パワートレイン:直列4気筒1998cc ターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:300ps/5750rpm
最大トルク:40.7kg-m/2000rpm
ギアボックス:7速デュアルクラッチ・オートマティック(四輪駆動)
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