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<WSBK> エラいことになりました!~ジョナサン・レイ5連覇へ爆進中!~

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<WSBK> エラいことになりました!~ジョナサン・レイ5連覇へ爆進中!~

日本人ライダー清成龍一+ホンダワークスの復活、そしてドゥカティ・パニガーレV4Rデビューと、話題が多く、本誌もガゼン注目している世界スーパーバイク選手権(=WSBK)ですが、ホントに今シーズンは話題と事件に事欠かない、目が離せない展開になっています。

ビッグサプライズのひとつ目は、パニガーレV4Rとアルバロ・バウティスタの快進撃! V4Rは、ライバル勢より完全にアタマひとつ抜けたプレミアムモデルだけに、元MotoGPライダーであるバウティスタの起用と合わせて、ドゥカティがハッキリとデビューシーズンチャンピオンを狙っていたのは明白ですが、そのバウティスタがまさかの連戦連勝!
開幕戦・オーストラリアから、なんと4戦11レースに連勝。今シーズンから、WSBKは土曜にレース1、日曜に10周のスーパーポールレース(=SPR)にレース2と、1戦に3レースを行うなうことになりましたから、1戦最大獲得ポイントは、3連勝で62! レース1/2がフルポイント25ポイントで、SPRが12ポイントですから、1戦3勝では、1戦2位3回(=49ポイント:レース1/2が20ポイント、SPRが9ポイント)と比べると、13ポイントの差がつくんです。

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というわけで、第4戦オランダ大会を終わって、11レース全勝(オランダでSPRが雪のため中止になったため1レース足りません)のバウティスタと、2位10回、3位1回のジョナサン・レイのポイント差は、なんと53ポイント! バウティスタこのまま全勝しちゃうんじゃないの? レイはどう頑張っても2位かぁ……なんて言葉が世界中にあふれ(たでしょう、きっと)もはや絶望とまで思われていたし、実際レイもこの頃はかなり弱気になっていたのです。
「あれ(パニガーレV4R)はピレリタイヤを履いたMotoGPマシンだ……」なんて弱気なコメントを残していたのは、KRTの首脳だったか、レイ本人だったか。

バウティスタの連勝がストップしたのは、第5戦イモラでした。レース1/SPRとレイが優勝し、レース2は豪雨のために中止と、ようやく一矢を報いた格好。それでも続くヘレスでは、またもバウティスタがレース1とSPRに優勝。しかし、レース2では転倒して、今シーズン初のノーポイントレースを演じてしまいます。
ただし、ここまではまだ「よくある勝負のアヤ」でしかありませんでした。バウティスタは、ヘレスまで6戦15レースで13勝で2位が1回、ノーポイントが1回という圧倒的成績。ポイントランキングでは、2位レイに41ポイント差をつけてトップを走っていたのです。このヘレスで、ようやくマイケル・ファン・デル・マーク(ヤマハ)が初優勝し、今シーズン3人目のウィナーとなりました。
けれど、このあたりで、ほころびがほんの少しずつ生じていたのかもしれません。

続く第7戦ミザノ。土曜のレース1は雨が強く、アレックス・ロウズ(ヤマハ)がトップ走行中に転倒し、レイが優勝、バウティスタは3位に終わりました。この3位で、「バウティスタは勝ち目のないレースでは無理せずに表彰台フィニッシュで充分、と考えている。やはりバウティスタは手強い」とレポートしたんですが……。
日曜のSPRでは、バウティスタが今シーズン14回目の優勝を達成し、レイは珍しく決勝中にスリップダウン→再スタートしての5位フィニッシュ。そしてレース2では、SPRで勝ってレース2のポールポジションからスタートしたバウティスタが、なんとトップ走行中に転倒! それも2周目に転倒という、今までに見られなかった展開で、レイが今シーズン4勝目。
「レースにもマシンにも油断があったのかもしれない」というバウティスタのコメントが、この後の展開を暗示することになろうとは、この時には思いもしなかったんですが……。

そして第8戦イギリス。舞台はWSBK専用コースとなって久しいドニントンパークで、地元大会でバウティスタとのポイント位差を縮めたいレイは、ウェットレースとなったレース1で優勝すると、このレースでバウティスタが転倒リタイヤしたことで、なんとポイントランキングを逆転! 9ポイントリードで迎えたSPRでもレイが勝ち、バウティスタは4位となってポイントリードが15に拡大。そしてレース2でもレイが優勝、バウティウスタは3位に終わり、24ポイントリードで前半戦のヨーロッパラウンドを終えることになるのです。

そして、今週末に行なわれたアメリカ大会。舞台はMotoGPが開催されなくなって久しいラグナセカで、レース1でレイが優勝、バウティスタは転倒→再スタートするも17位フィニッシュでノーポイントレースとすると、SPRではトプラック・ラズガトリオグル(カワサキ)とスタート直後に接触して転倒! このレースは、一度マルチクラッシュで赤旗が提示され、リスタートするんですが、仕切り直しのレースにバウティスタは出場せず。レース2もスタートはするものの、1周を終わってピットに戻ってリタイヤ。アメリカ大会3レースをノーポイントで終えてしまうのです。
「トプラックとのクラッシュで左肩を痛め、メディカルセンターではレントゲンを撮って『骨折なし』とレース2出場にOKをもらったんだけれど、痛みが激しくて左手で(親指操作の)リアブレーキを操作できなかったから、レース2は1周を終えてピットに戻ったんだ。ヨーロッパに戻ったら、病院でさらに詳しい検査を受けるつもりだけれど、これから2カ月のサマーブレイクがあるからね。次のレースは全快して戻ってくるよ」とバウティスタ。

これでレイvsバウティスタのチャンピオン争いは、レイの433ポイントに対してバウティスタが352ポイントと、81ポイント差! これは、第4戦終了時にバウティスタがレイに対して持っていたアドバンテージ「53ポイント」より大きいものです! 
思えば、バウティスタの連勝がストップしたイモラから、ヘレス、ミザノ、ドニントンパーク、ラグナセカと続いた5戦14レースで、バウティスタが3勝に対し、レイが9勝。バウティスタが5つの転倒→ノーポイントレースを作ってしまったのに対し、レイは転倒→再スタートの5位はあったもののノーポイントはなし! これが大量リードができてしまった原因のひとつといえるでしょう。

さらに、バウティスタが勝てなかったイモラ→ドニントンパーク→ラグナセカは、今はWSBKしか開催されていないコースのため、バウティスタは走行未経験か、数年のブランクのあるコース。ここにも、バウティスタ苦戦の原因があるのかもしれません。
もうひとつ。WSBKには年間の仕様エンジン基数というのが決まっていて、確か今年は13戦39レース(すでに2レースが悪天候で中止になっています)で7基。ライバルのカワサキはもちろん、ヤマハよりBMWよりホンダよりレブリミットの高いドゥカティは、つまりはそれだけエンジンの消耗も早いはずで、ひょっとして今頃、ドゥカティのファクトリーでは
「レギュレーションで1万6350rpmまでOKもらったじゃん? でもちょっと距離ダメージがデカいから、ちょっとエンジン回転数落とす?」とかなんとか話をしていて、それがシーズン序盤の圧倒的強さに影を落とす結果につながっている……と、これはあながち妄想話じゃないかもしれません。
あれだけ調子がよかった、勝ちまくって最強だったパニガーレV4Rとバウティスタが、いきなり戦闘力を失うとは考えられませんが、走行経験の少ないコースで、トップエンドのパワーを削がれたマシンで……となると、少しはバウティスタ失速の理由の一つかもしれませんしね。

サマーブレイクを挟んで、残りシーズン後半の4レースは、9・8ポルトガル、9・24フランス、10・13アルゼンチン、10・26カタールと、実にMotoGP未開催コースが4つのうち3つ! 1レースで最大62ポイント獲得できるWSBKでは、レイとバウティスタの81ポイント差は、ワンチャンスで逆転できる差でもあります。
まずはバウティスタ、けがを治してしっかり休んで、レイとvd・マーク&ロウズは鈴鹿8耐あるからね。休めないというか、ライディングの勘が鈍らなくていいというのか……。
そんなWSBK前半戦終了なのでした。

■WSBKポイントランキング
(9戦・シーズン前半戦終了時)
1:ジョナサン・レイ(カワサキ) 433P
2:アルバロ・バウティスタ(ドゥカティ) 352P
3:アレックス・ロウズ(ヤマハ) 220P
4:マイケル・ファン・デル・マーク(ヤマハ) 215P
5:レオン・ハスラム(カワサキ) 202P
6:トプラック・ラズガトリオグル(カワサキ) 191P
7:チャズ・デイビス(ドゥカティ) 184P
8:トム・サイクス(BMW) 170P
9:マルコ・メランドリ(ヤマハ) 138P
10:サンドロ・コルテセ(ヤマハ) 100P

写真/カワサキ DUCATI 文責/中村浩史

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