■ホンダとF1、会社全体に変化をもたらす
「数あるモータースポーツの中で『F1』は圧倒的に関心が高い」と改めて思いました。近年ではトヨタがル・マン24時間耐久レースで優勝したり、インディ500で佐藤琢磨選手が日本人初優勝するなど、世界3大レースといわれる大会で活躍していても、報道するメディアは少数でした。
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しかし、今年のF1開幕戦であるオーストラリア・グランプリ(以下:GP)でホンダが3位表彰台に上がるや、モータースポーツに関心が低かった日本のメディアでもF1関連の記事が驚くほど増えたのです。
2019年3月末に行われたF1第2戦バーレーンGPなど、予選や決勝だけでなく金曜日に行われるフリー走行まで、20以上の日本のWebメディアが速報したほどです。
この流れを受け、ホンダ全体に変化が出ています。
「HONDA」というメーカー、創業から技術でブランドイメージを引っ張ってきました。夢に対する投資に糸目を付けない破天荒な本田宗一郎さんを、藤沢さんという副社長がフォローしてきたワケです。しかしその流れは「第3期」と呼ばれるF1参戦で絶たれてしまいます。毎年巨額の投資をしながら、1度しか勝てなかったのです。
「第3期」のホンダF1は、最後、リーマンショックを理由に逃げ出すように撤退することになりました。この時点からホンダの技術的なイメージは急激に下がっていきます。決定的になったのは現行「フィット(3代目)」の大量リコールです。
同じ車種が7回もリコールを繰り返したことなど日本車の歴史になく、国交省から強烈な嫌みを言われたほど。酷い目にあったのは、ユーザーとディーラーです。
ユーザーからしてみれば、何度もリコールを受けなければならず「いい加減にしてくれ」。その不満をぶつけられた現場のディーラーだって厳しい状態が続きます。リコール対応の整備を行うサービススタッフは残業に次ぐ残業で疲弊し、優秀な営業担当も次々と辞めてしまったと聞きます。そんなことから、直近の数年を見ると、海外の営業部門がホンダを支えてきた状況になっています。
少しばかり複雑になりますが、利益を挙げている営業部門はアメリカ。日本市場を見るとブランドイメージの低迷で臆病になってしまい、営業部門も思い切った戦略を打てない状況。損をしないことを重視した結果、日本で売る車は全て割高の価格設定になってしまったようです。当然ながら2018年に日本に投入した新型車「CR-V」「クラリティ」「インサイト」も伸び悩んでます。
ホンダの開発部門の人達と話をすると、異口同音に「アメリカで『プリウス』より安い価格を付けている『インサイト』に、日本だと60万円以上高い値を付けていたり、同じく『RAV4』と同等クラスの『CR-V』を日本で驚くほど高い値付けをしているのを見ると売れなくて当然だな、と思います」。フィットでリコールを連発し、F1から尻尾を巻いて逃げたのが根っこにあると思います。
■出費は年間500億円以上といわれる「F1」の世界
2015年から復帰した「第4期のホンダF1」はさらに酷い状況でした。なにしろ速いとか遅いというレベルにすら達していなかったのです。シーズン開幕前のテストから、満足に走ることさえ出来なかったからです。この体たらくを3年も続けてしまう。一説によれば年間500億円以上という出費をしながら、技術で劣るイメージを世界中に発信したのだから厳しいです。
営業系を中心に社内から「辞めちまえ!」という声が多数出たといいます。猛省して挑んだ2年目もメルセデスやフェラーリ相手に赤子同然。そんな状況の中、OBから「このまま終わることは許されないぞ!」叱咤激励を受け、F1撤退は出来なかったとのこと。風向きが変わったのが3年目の夏前。経営陣はF1関連の人事を刷新します。
新任担当者が真っ先に行ったのは成績の悪さを100%ホンダの責任としていたマクラーレンとの決別。新任担当者はタフなネゴシエーターで、海千山千のマクラーレンに対し手切れ金を支払うことなく離縁します。
2018年は陽気なイタリアのチーム『トロロッソ』と組み、F1でのポジションこそ低いけれど、傷心のホンダにとって素晴らしい相棒になりました。
その後はさらに開発担当者も交代させるなど、ホンダは背水の陣を取ります。すると徐々に結果が出てくるから面白いです。決定打になったのが、一流チームである『レッドブル』へのパワーユニット供給を決めたこと。レッドブルは、メルセデスやフェラーリより優れた車体技術を持つといわれます。レッドブルにとっても評価低かったホンダと組むのは大きな決断だったことでしょう。
2019年はそのいい流れが開幕戦での表彰台に結びつきます。そして第2戦のバーレーンでは、レッドブルのセットアップ決まらず四苦八苦したのも関わらず、あわや3位かと思われた4位。さらに全て完走し、ホンダの3台が入賞してポイントを稼ぎました。バーレーンの序盤でホンダがメルセデスを猛追している姿見て、私(国沢光宏)も気づいたら目頭が熱くなってました。
レッドブルは優秀です。昨シーズンも非力といわれたルノーのパワーユニットで4回勝っています。
「メルセデスやフェラーリに少しだけ届かない」といわれる、いまのホンダなら遠からず表彰台の真ん中に立てるでしょう。一方、ホンダ自体も現在進行形で改良を続けています。シーズン後半になれば往年の「凄いねホンダ!」というイメージを取り戻せると思います。
そうなれば営業系と技術系のチカラ関係も好ましくなります。そうなると最も得をするのがユーザーである私たちです。魅力のあるクルマを適正な価格で買えるようになる上、このところ韓国や中国に押されている技術イメージだって高まるでしょう。思い起こしてみたら日本の技術が世界で評価されるようになったキッカケは圧倒的な強さを持った第2期のホンダでした。
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