予選では点検」「お客様対応」「運転」の技術を採点
高速バスを運行するWILLER EXPRESSは2025年11月14日、全国約300名のハイウェイパイロット(ドライバー)のトップを競う「トップガンコンテスト2025 予選」を東京営業所で実施しました。
【こりゃ大変だ…】これが、「トップガンコンテスト2025」予選の様子です(写真)
同コンテストは今年で2回目の開催となります。予選は「点検」「お客様対応」「運転」の3項目で審査が行われ、そのうち「お客様対応」「運転」が報道公開されました。
予選では、普段はあまり起こらない状況を想定した対応が主に求められ、「お客様対応」では、1人が遅れている4人グループと、QRコード乗車券を提示できない乗客への対応を、ほぼ同時に行うという試験内容でした。
参加選手によると、こうした状況の場合、普段は他の職員がヘルプに入ることが多いとのことでしたが、今回はさまざまな事態が同時に押し寄せたため、「途中で頭が真っ白になった」「丁寧な接客は難しかった」といった感想が聞かれました。
運転項目でも、普段ではあまりない状況を想定した技能が求められました。まず、通常より幅の狭い駐車スペースから発進し、左前方の三脚上のボールを落とす。その後、2つ隣のバースにバック駐車し、さらに右前方のカースロープに右前輪を乗せ、バックで降りるという内容でした。
さらにバックモニターなどは使用不可とされ、これらの作業を制限時間5分以内に行わなければならないという過酷なものでした。
この運転項目でカースロープに到達したのはわずか1名で、降りて完全クリアした参加者はいませんでした。
審査終了後、審査委員長を務めた柳原昭仁運輸本部長は今回のコース設定について、「オーバーハングに焦点を当てて、あえて難しいコースにしました。オーバーハングに気を付けて発進した後の取り回し。ボール落としの後、冷静に考えれば少しバックすれば良いとわかりますが、普段やってらっしゃるでしょ? でも焦ると分からなくなるのです。これが事故の原因です」と説明しました。
わざと置かれた空き缶…回収を迷った理由とは?
選考の結果、決勝に進出したのは大阪営業所の要 正仁さん、西三交通の原田尚樹さん、東京営業所の山本巧さんの3名となりました。要さんは運転項目で唯一カースロープにタイヤを乗せたハイウェイパイロットで、ほかの2名についてもカースロープの手前までは到達していました。
このカースロープは雪道でのスタック脱出を想定したもので、出題者は「1速で登れるかどうか」を審査基準のひとつとしていました。しかし挑戦した3名によると、車内の揺れを審査するためのピンポン玉が落ちる可能性を考慮し、2速で登ったとのことでした。運転が一番難しかったと話した山本さんは、「乗っていると結構死角が多いんですよね。最初にスタートするとき、正直どうしようかと思った」と明かしています。
ほかの2人は「お客様対応」が最も大変だったと振り返り、要さんは「限られた時間で安心かつ丁寧な接客は難しいです」とコメント。原田さんも「時間は多少遅れてもいいかなとは思っているんですけど、今回はいろいろなことが同時に押し寄せてきて、大変でした」と話しました。
また「お客様対応」では、わざと空き缶が置かれており、これを拾うかどうかも審査対象でした。空き缶が缶チューハイだったため、山本さんは「今のご時世ですから、切り取られてSNSに晒される可能性を考えて拾わない方がいいのかなと……。最終的には拾って素早くバス車内へ、という判断になりました」と説明しました。
なお、「トップガンコンテスト2025」決勝は2026年1月に大阪で実施される予定です。
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みんなのコメント
運転の基本はなんでもない道を事故なく走り切る事です。
難しい隘路なんかは、止まって確認。擦る恐れがある場合はその場から動かないで会社か警察に通報です。
無理して進んで事故したら全て運転士の責任されるだけ。
運行管理者は、運転士が安全に走れるルートを遠回りになっても選択しなければなりません。