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超限定販売のSUV「GRGハイラックス」 販売店が独自モデルを投入するワケ

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超限定販売のSUV「GRGハイラックス」 販売店が独自モデルを投入するワケ

 トヨタの東京地区の販売会社となるトヨタモビリティ東京は、同社「ハイラックス」のGRガレージ特別仕様車「HILUX GRG Concept」を販売。トヨタのスポーティブランド「GR」とは異なるモデルだといいますが、どのような部分が違うのでしょうか。

 1968年に登場したトヨタのピックアップトラック「ハイラックス」。国内では2004年に販売を終了以降「海外専用モデル」となりましたが、日本で販売再開を希望する声も多く2017年に日本導入を復活しました。

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 日本のユーザーがクルマに求めるキーワード、「ハイブリッド」、「扱いやすいボディサイズ」、「スライドドア」とは真逆を行くモデルですが販売は好調で、現在もコンスタントに500台/月をキープしているそうです。

 人気の要因を聞くと、「力強いスタイル」、「本格4WDとしての走行性能」、「アウトドアで使える多用途性」などが評価されているといいます。

 驚きなのは20代から30代の若者からの支持が高いことで、クロスオーバーSUVが主流となっている現在、「個性的なモデルを選びたい」、「プロスペックが欲しい」という“こだわり”を持つユーザーもいるのでしょう。

 このハイラックス、実は海外向けには「GRスポーツ」がラインアップされています。2018年のサンパウロモーターショーでお披露目されたGRブランド初のオフロードモデルです。

 この情報を知ったトヨタモビリティ東京のGRガレージ室長・塚越富夫氏は「日本にも導入してほしい!」とトヨタ(メーカー)にお願いをしたといいます。

 しかし、トヨタからは「ハイラックスGRスポーツはトヨタのアルゼンチン法人が現地の工場で生産しているモデルのため、法規適合を含めて日本導入は難しい」という回答でした。

 それでも諦めきれない塚越氏は、「パーツ単体で輸入をおこない、日本仕様にドッキングさせた特別仕様車をプロデュースする」という計画を立てました。

 販売店の単独企画ではさまざまな高いハードルあり、実現するのが厳しいのも事実です。そこで塚越氏は、トヨタの販売会社のなかでRVのカスタマイズに明るい群馬トヨタの横田衛社長に相談。

 横田社長は「販売店の有志連合で実現しましょう!」と日本でハイラックスの取り扱いをおこなっているトヨタ店系列のGRガレージ12社に提案した結果、12社全てが参加するプロジェクトになったといいます。つまり、メーカーではなく販売会社が企画した初のGRモデルといってもいいかもしれません。

 販売会社には、輸入に関するノウハウがないため当初よりトヨタのカスタマイズを担当するTCD(トヨタ・カスタマイジング&デベロップメント)の協力を得たほか、現地法人との交渉にはトヨタの当時GR統括部長だった大塚友美氏の助けもあり実現したといいます。

■GRモデルではない、「GRGハイラックス」って何?

 そして、2020年1月の東京オートサロンで発表されたのが、「ハイラックスGRGコンセプト」。ベースとなるのは、「Z“ブラックラリーエディション”」となる、18インチタイヤ+オーバーフェンダー装着した販売の7割近くを占める人気グレードです。

 このベースモデルに、GRスポーツ専用のアイテムがプラスされています。外観はブラック/レッドでカラーリングされた「フォグランプベゼル」、タフに使える「サイドステップ」、ラリーカーのロールバーを彷彿とさせる「デッキバー」、そして「専用エンブレム&デカール」を装着。

 トヨタモビリティ東京GRガレージ室の専任次長企画グループリーダ・柿迫信宏氏は、次のように話します。

「Z“ブラックラリーエディション”は、GRスポーツと同形状のフロントバンパー、メッキ→ブラック化、オーバーフェンダーが装着済なので、見た目は“ほぼ”GRスポーツです。

 違いはフロントグリルで、海外向けハイラックスはTOYOTAロゴですが、日本仕様はフロントにミリ波レーダーが装着のため変更は不可だったため、この辺りは機能優先です」

 一方、内装は外観と比べると小変更になりますが、「スタートスイッチ」と「スマートキー」がGRロゴ入りの専用品に変更されています。
 
「GRスポーツはGRロゴや赤いステッチが採用の専用シートですが、左ハンドル用ということで日本向けに水平展開ができませんでした」(柿迫)

 ちなみにGRスポーツは、17インチ+専用サスペンションの組み合わせですが、GRGコンセプトには未採用です。

「サスペンションを輸入して日本でテストもしましたが、本格的なオフロード走行を想定したセットアップのためオンロードでは乗り辛くなってしまいました。つまり、足回りは日本の道路環境ではノーマルがベストという判断です」(柿迫)

※ ※ ※

 車両価格は、ベース車が403万4800円となり、そこに専用パーツ代の68万3070円を加えた471万7870円となりますが、少しでも手が届く値段にしたいということで、店舗では456万円という価格で販売されています。

 本物のGR専用アイテム装着、ほかのハイラックスと確実に差別化、自らパーツを輸入して装着する手間暇が必要ないなどを考えると、バリューはあると思います。

 ちなみに、トヨタモビリティ東京ではスーパーホワイト10台、アティチュードブラックマイカ10台の計20台限定です。

 ちなみにハイラックスは、タイ生産ということで納期が長めですが、この20台はすでに日本に上陸済みのため即納も可能だといいます。

 12社のGRガレージだけでなく、12社の各販売店でも相談可能ということで、気になった人は販売店に急いだ方がいいと思います。

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みんなのコメント

4件
  • 試み自体は良い一歩だとおもいますが
    内容が・・・
  • ハイラックス 買った後にマイナーチェンジ?でオートクルーズ(前車追尾型)が付いたのには腹が立った。最初から付けろよ
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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