昭和は遠くなりにけり…だが、昭和生まれの国産スポーティカーは、日本だけでなく世界的にもブームとなっている。そんな昭和の名車たちを時系列で紹介していこう。今回は、昭和48年発売の三菱 ギャランクーペFTOだ。
スパルタンにまとめられたヤンチャ坊主
三菱 ギャランクーペFTO 1600GSR:昭和48年(1973年)2月発売
ギャランGTOの弟分として昭和46年(1971年)10月に登場したのが、ギャランFTOだった。
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ギャランのエントリークーペとして開発され、ファストバックとノッチバックの両方の良さを兼ね備えた、独特のファストノッチ・スタイルを採用している。コンパクトなボディながらロングノーズを強調し、フロントウインドーの傾斜もかなり強い。
また、ボディ断面を楕円形に絞り込んだタンブルフォームをいち早く採り入れた。しかも、トレッドも1285mmとギャランL並みにワイドだ。
FTOというネーミングはイタリア語の「Fresco Turismo Omologato」の略で、直訳すると「(レース車両として)公認されたフレッシュ・ツーリング」となる。兄貴分にあたるGTOの「公認されたグランド・ツーリング」とそろえたネーミングというわけだ。
デビュー当初はネプチューンと名付けられた4G41型の直列4気筒 OHV 1378ccエンジンのみで、GIとGIIの最高出力は86ps/6000rpm、ホットバージョンのGIIIはツインキャブを装着して95ps/6300rpmの最高出力を発生する高性能もでるだった。
だが、モアパワーの声に応えて、1973年2月にMCAシステム採用のサターン4気筒SOHCエンジンに換装している。
1.4Lは4G33型を積み、1439ccで最高出力は92ps/6300rpmを発生。新加入の1.6Lモデルは4G32型を積み、SL-5が100ps/6300rpmの最高出力を発生した。
そしてフラッグシップの1600GSRには、4G32型のツインキャブ仕様が搭載されている。こちらは最高出力110ps/6700rpm、最大トルク14.2kgm/4800rpmの高性能を誇り、レスポンスもすこぶる軽快だ。
また、FRP製オーバーフェンダーやLSD(リミテッド・スリップ・デフ)、ハードに固められたサスペンションなど、スパルタンムードにあふれている。GTOの陰に隠れて人気はイマイチだったが、そのシャープな走りはランサーとともに光っていた。
ギャランクーペFTO 1600GSR 主要諸元
●全長×全幅×全高:3765×1655×1320mm
●ホイールベース:2300mm
●重量:875kg
●エンジン型式・種類:4G32型・直4 SOHC
●排気量:1597cc
●最高出力:110ps/6700rpm
●最大トルク:14.2kgm/4800rpm
●トランスミッション:5速MT
●タイヤサイズ:165/70HR13
●価格:73万5000円
[ アルバム : ギャランクーペFTO 1600GSR はオリジナルサイトでご覧ください ]
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