英国では最上位モデルのみ販売
text:Greg Kable(グレッグ・ケーブル)
【画像】BMW M3/M4【M440iや3シリーズ、M5と写真で比較】 全156枚
translator:Takuya Hayashi(林 汰久也)
抜本的に設計を一新したBMW M3とM4が英国で発売された。英国仕様は最上級のコンペティション・モデルで、価格はM3が7万4755(1052万円)、M4が7万6055ポンド(1070万円)からとなっている。
3月から納車を開始する両モデルは、6気筒エンジンから最高出力510psを発揮し、完全可変式4輪駆動システム「M xドライブ」が初めてオプションとして用意される。
クーペのM4 xドライブとセダンのM3 xドライブは、後輪駆動モデルに続いて来年夏に登場する予定だ。
また、歴代初のM3ツーリングや、M4カブリオレの後継モデル、新しいM4グランクーペも開発しており、さらにパワフルでサーキット走行に特化したCSモデルもラインナップに加わる。
インパクト重視のデザイン
M3とM4のスタイリングは、視覚的なインパクトの強さを重視しており、上位に位置するM340i xドライブとM440i xドライブとの差別化を図っている。
フロントマスクは、7つのダブル水平ルーバーとナンバープレート用の取り付けポイントを備えた大型の縦型グリルを中心に、個性的なものとなっている。
グリルは新型4シリーズと同様の形状をしているが、シングルフレームではなく、2つに分割されている。
さらに、重厚な構造のフロントバンパー、標準のフルLEDヘッドライト、2本の特徴的なラインがグリルを際立たせるボンネット、ワイド化されたフロントウイングとシル、エアダクト、ダブルアームのサイドミラーなど、個性的なデザインが採用されている。
エアフローを最適化する2本の「レール」を備えた炭素繊維強化プラスチック製ルーフ、スポイラー、マルチチャンネルディフューザーとクロームメッキのテールパイプを備えたリアバンパーが採用されている。
全長は先代モデルから108mm延長された4794mm、全幅は26mm増の1903mm、全高は8mm増の1433mmと、全体的に大型化している。
M4の全長は同じく108mm増の4794mmだが、全幅は18mm増の1887mm、全高は1mm増の1393mmとなっている。ホイールベースは両モデルとも同じ2857mmで、先代より45mm長くなっている。
両ボディカラーは、以前公開されたサンパウロイエローとマングリーンに加え、トロントレッドのメタリックが設定されている。
また、オプションのMカーボンパッケージとMパフォーマンスパーツセットも選択できる。
シャープな加速力を実現
アルミスチールとコンポジットのボディに、新開発の3.0L直列6気筒ツインターボエンジン(コードネームS58)を搭載する。この縦置きエンジンは、標準モデルのM3とM4(英国未導入)では494ps、M3コンペティションとM4コンペティションでは510psを発揮。先代モデルのS55ユニットと比較して53psと57ps増加している。
車重が1730kgであることから、M3コンペティションのパワーウェイトレシオは1トンあたり303psとなる。一方、5kg軽いM4コンペティションは、1トンあたり304psを実現している。
ライバルのメルセデスAMGと比較すると、4.0L V8ターボエンジンは標準のC 63で476ps、C 63 Sで510psを発揮している。
M3とM4は、パフォーマンスSUVのX3 MとX4 Mに続いて、S58エンジンを搭載する3番目、4番目のモデルとなる。可変バルブ機構「バルブトロニック」や可変カムシャフトコントロールシステム「ダブルVANOS」など、基本的なアーキテクチャーは初期のS55と共有しているが、複数の新要素が追加されている。
変更点としては、まずストロークを90mmに拡大し、排気量を14cc増加させて2993ccとしたことが挙げられる。また、ターボチャージャーの見直し、最大350barの圧力で作動する燃料噴射システムの改良、排出ガスを浄化するガソリン・パティキュレート・フィルターなども採用されている。
最大トルクは、標準のM3とM4では56.1kg-mと従来通りだが、発生する回転域は800rpm増えて2650rpm~6130rpmとなっている。コンペティション・モデルでは、2750rpm~5500rpmで64.8kg-m(先代比10kg-m増)を発生する。エンジンの最高回転数は、先代よりわずかに低い7200rpm。
性能の向上により、新型はシャープな加速を実現している。0-100km/h加速は標準モデルで4.2秒(0.2秒短縮)、コンペティションで3.9秒(0.1秒短縮)とされている。
最高速度は250km/hに制限されているが、購入時にドライバーズ・パッケージを選択することで、Z規格タイヤを装着して290km/hまでアップすることができる。
標準モデルには、このクラスでは珍しくなった6速MTが設定される一方、コンペティションには、先代モデルで採用されていた7速DCTを廃止し、M部門のソフトウェア・プログラム「Drivelogic」を搭載した8速トルク・コンバーターが新たに採用されている。
標準モデルは、電子制御アクティブMディファレンシャルを備えた後輪駆動で、コンペティションには2021年半ばから完全可変M xドライブシステムが採用される。
走行モードはM5と同様に、4WD、4WDスポーツ、ダイナミック・スタビリティ・コントロール・システムをオフにした2WDの3つが用意されている。後者は、パワーの大部分を後輪に集中させる。
ボディ剛性向上 専用サス設定
シャシーはM340iとM440iをベースに、アルミニウムを多用したダブルウィッシュボーン(フロント)と5リンクのリアサスペンション、アダプティブ・ダンピング・コントロールを組み合わせている。フロントキャンバーの増加、各スプリングとダンピングレートの向上など、独自のサスペンション設定を採用。
アロイホイールはフロントが18インチ、リアが19インチで、それぞれ275/40、285/35のタイヤを装着している。また、フロントのトレッドは1617mm、リアは1605mmと、それぞれ34mm-38mm増加した。
BMWのM部門は、M3とM4のボディ剛性を高めるため、さまざまな工夫を凝らしている。エンジンベイの前部とフロント・サスペンション・タワー、そしてサブフレームを備えたリアボディにはブレースが装備されている。
両車ともに、可変レシオを特徴とするMサーボトロニック・ステアリング・システムが標準装備されているほか、M専用バージョンのブレーキシステムが採用されており、2種類のブレーキレスポンスとペダルフィールを設定することが可能だ。
装備充実のM専用インテリア
インテリアはM340iとM440iを踏襲し、新開発のMスポーツシートを採用。ベンチレーターも初めて設定される。
また、走行モードを簡単に操作できるMモード・ボタンを備えたMスポーツステアリングホイール、M専用デザインのデジタルメーターや車載システムなど専用パーツが装備されている。
その他の標準装備としては、クラウドベースの衛星ナビ、Apple CarPlay/Android Autoに対応したBMWのライブ・コックピット・プロフェッショナルをはじめ、3ゾーンのクライメート・コントロール、LEDアンビエントライトなどがある。
新しい運転支援システムも多数用意された。M専用グラフィックを採用した最新世代のヘッドアップ・ディスプレイ、カメラを使って車両周辺の映像を記録する「BMWドライブ・レコーダー」、超高輝度レーザー・ヘッドライトなどをオプションとして選ぶことができる。
また、M3とM4には、オプションのMドライブ・プロフェッショナル・システムも新たに追加された。ダイナミック・スタビリティ・コントロールを10段階に調整できるMトラクション・コントロール機能や、通常のラップ・タイマー機能に加えて走行データを記録・評価するドリフト・アナライザーが搭載されている。
BMW M3の歴史
E30 製造:1986~1991年 エンジン:4気筒 1990-2467cc 最高出力:191-238ps 重量:1165-1360kg
この記念すべき初代M3は、元々はドイツのDTMレースシリーズのためのホモロゲーションスペシャルとして作られたもので、5000台しか生産される予定がなかった。
だが、最終的には1万8000台近くが生産され、その中には、ボアアウトされたシリンダーを備えた限定生産のスペシャルモデルも含まれていた。また、コンバーチブルも用意された。
E36 製造:1992~1999年 エンジン:6気筒 2990-3201cc 最高出力:286-316ps 重量:1460-1515kg
6ポットエンジンを搭載し、新たにセダンボディが追加されたにもかかわらず、E36は初代のような伝説的な存在になることはなかった。しかし、最近は人気が高まっている。
また、SMGオートマチック・マニュアル・トランスミッションを搭載した最初のM3でもある。7万台以上が製造された。
E46 製造:2000~2006年 エンジン:6気筒 2990-3201cc 最高出力:286-316ps 重量:1460-1515kg
ドライバーの視点から見ても最高のM3の1台として広く知られているE46は、E36のパフォーマンスを踏襲しつつ、快適性を向上させている。
装備を簡略化したCSLバージョンも登場したが、セダンは用意されなかった。エステート(ワゴン)のプロトタイプが作られたが生産されることはなかった。
E90/E92/E93 製造:2007~2013年 エンジン:8気筒 3999-4361cc 最高出力:420-450ps 重量:1580-1810kg
2000年代半ば、BMWはM3の公式を覆し、定評のある直列6気筒を廃止して、パワフルかつ高回転のV8を採用した。
この変更には多少の賛否両論はあったものの、ライバル車との差別化が図られたほか、セダンのボディスタイルも復活した。
注目すべきは、不器用なSMGに代わってデュアルクラッチ・トランスミッションが新しく採用されたことだ。
F80 製造:2014~2019年 エンジン:6気筒 3027cc ツインターボ 最高出力:430-500ps 重量:1572-1622kg
F80は直列6気筒エンジンを搭載することでM3のルーツに立ち返ったが、ターボチャージャーを初めて採用するなど、一工夫を加えている。
最大トルクは大幅に増大し、ワイルドなハンドリングを実現した。しかし、新排ガス規制の影響で生産は早期に終了。クーペモデルは初めてM4と名付けられた。
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
給油所で「レギュラー“なみなみ”で!」って言ったら店員にバカにされました。私が悪いんですか?怒りの投稿に回答殺到!?「なにそれ」「普通は通じない」の声も…悪いのは結局誰なのか
運営ブチギレ!? 一般車が「検問突破」何があった? 国際イベントでありえない"蛮行"発生! ラリージャパン3日目の出来事とは
ホンダ新型「プレリュード」まもなく登場? 22年ぶり復活で噂の「MT」搭載は? 「2ドアクーペ」に反響多数!海外では“テストカー”目撃も!? 予想価格はいくら?
レクサス新型「小型スポーツカー」がスゴい! “テンロクターボ”×初の6速MTを搭載! 最小SUV「LBX MORIZO RR」どんなモデル?
「タイヤの摩耗が早い」「買い取り価格は期待できない」EVにまつわる巷のウワサ6つの真実
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
BM終わったな
先進でもないし質感高いわけでもない。
計器類のデジタル表示も子供向けなの?というデザイン。
FRスポーツのBMWがスポーツモデルでカッコ悪いって。