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「美貌とギャップ」で夢中にする! アストン マーティンDB12 ヴォランテへ試乗 調和しきれない怒涛の加速

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「美貌とギャップ」で夢中にする! アストン マーティンDB12 ヴォランテへ試乗 調和しきれない怒涛の加速

ブランドイメージへ調和しきれない怒涛の加速

約20万ポンド(約3840万円)するアストン マーティンDB12のスタイリングは、極めてエレガント。ドアを開いてシートへ身を委ねれば、レザーで覆われたインテリアへうっとりする。ソフトトップを後方へたためば、春風を直接感じられる。

【画像】美貌とギャップ アストン マーティンDB12 ヴォランテ 競合のオープンGTと写真で比較 全139枚

しかし、そんな上品な時間も束の間。ひとたびアクセルペダルへ力を込めれば、怒涛の直線加速を繰り出す。美しい咆哮を響かせ8500rpmまで回る、バルケッタフェラーリF50もたじろぐだろう。

色っぽいアストンマーティン流のスタイリングやインテリアに、メルセデスAMG由来の4.0L V型8気筒ツインターボエンジンが載っている。その容赦ない走りっぷりは、英国伝統ブランドのイメージへ調和しきれていないかもしれない。

これは、フェラーリのCEOからアストンマーティンのCEOへ転職した、御年78歳のアメデオ・フェリーサ氏の影響に違いない。マラネロで製品開発責任者の職にあった1990年代には、F1マシンからスーパーカーの創出まで、重要な役割を果たしてきた人物だ。

ワイルドなDB12 ヴォランテの走りにも、彼は満足しているはず。もうすぐCEOの座は、DB12の開発で最終段階を監督したベントレーの元CEO、エイドリアン・ホールマーク氏が引き継ぐ予定にあるけれど。

シャシー本来の動的能力が解き放たれた

フェリーサによる新体制のもと、DB11では510psと70.9kg-mを発揮していたV8ツインターボは、DB12では680psと81.4kg-mへ大幅に増強された。大きなターボチャージャーと調整されたカムシャフト、新しいECUを獲得した成果として。

車重は、クーペならDB11と変わりない。ヴォランテでの比較では、18kg重くなった程度だ。その結果、必然的に動力性能はプラスされたパワーのぶんだけ引き上げられた。アストンマーティンを好む人なら、嫌いではないはずだ。

金属製のルーフが切り落とされても、DB12の走りは極上。タイヤは、際限ないほどグリップするミシュラン・パイロットスポーツ5。重すぎない車重と豊満な馬力が組み合わさり、シャシー本来の動的能力が解き放たれたといっていいだろう。

ヴォランテではフロントタイヤがワイドになり、接地面が増えたことで、ステアリングへ伝わる感触は多少減じたかもしれない。リアタイヤは、110kgも軽いクーペより奔放にスライドするかもしれない。それでも、真のドライバーズカーだ。

電子制御される、リミテッドスリップ・デフも新アイテム。アスファルトが濡れていたり、傷んだ状態では充分に楽しめないものの、好条件ならシャープで安定したコーナリングを堪能できる。

魅力的な後ろ姿 インテリアもクラス最高

乗り心地は、ベントレー・コンチネンタルGTCほど上質ではない。それでも、ビルシュタイン社が開発した新しいダンパーは、DB11以上に優れた減衰特性と幅広い可変性を実現している。

スポーツ+モード時は、タイトに姿勢を制御。モードを緩めれば、一転して優しくなる。ポルシェ911 ターボ・カブリオレが、必要以上に硬く感じられるほど。

ロードノイズも、無視できるほど小さいとはいえないだろう。だが、その911ほど騒がしいわけでもない。

ルーフを開いた後ろ姿は、腰高感がなく魅力的。アストン マーティンによれば、折りたたんだ時のソフトトップ構造の厚みは260mmで、クラストップの薄さだという。49km/h以下なら、走行中でも14秒で開閉できるそうだ。

発表イベントで展示されていた車両は、タン・レザーのインテリアにシルバーの塗装というコーディネートだった。ガンメタリックのアルミホイールは、21インチ。来場者の足を都度止めるほど、美しい佇まいだった。

インテリアはクラス最高の仕上がり。DB11と比べて、インフォテインメント・システムは一気にモダンにもなった。ただし、最新水準といっていいが、アストン マーティンとして完璧というわけではない。

モニターへ描き出されるメーターのグラフィックはデジタル的で、奥深い印象が少し欠けている。ステアリングホイールのタッチセンサーは、しばしば反応が不正確でヤキモキさせられる。

不足ない魅力 夢中になるほどの美貌

純粋なドライビング体験でいえば、最大の宿敵、フェラーリ・ローマスパイダーの方が勝ることは否定できない。多少重いことは隠しきれていないし、ソフトトップを開くとシャシーは時々きしんでしまう。

また、5.2L V12エンジンの選択肢は用意されていない。折角のオープンボディなら、一層の美声を持つ多気筒ユニットが欲しいところかもしれない。

だとしても、DB12 ヴォランテは望み通りのオーバーステアで楽しませてくれる。カーブの頂点を過ぎ、僅かにアクセルペダルを戻せば、スーパーカーのようにワイドなフロントノーズは内側へ食らいついていく。筆者ならクーペを選ぶとしても。

息を呑むほどの速さは、F50並み。英国伝統のグランドツアラーらしい魅力に不足はなし。そして、夢中になるほど美しい。

◯:インテリアの素材や仕上げ品質 最新のデジタル技術 DB11よりパワフルでありつつ、アストン マーティンのグランドツアラーらしい乗り心地と操縦性
△:細かなバグが多いソフトウエア ライバルより大きく重いボディ

アストン マーティンDB12 ヴォランテ(英国仕様)のスペック

英国価格:19万9500ポンド(約3830万円)
全長:4725mm
全幅:1980mm
全高:1295mm
最高速度:325km/h
0-100km/h加速:3.7秒
燃費:8.2km/L
CO2排出量:276g/km
車両重量:1898kg
パワートレイン:V型8気筒3982ccツイン・ターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:680ps/6000rpm
最大トルク:81.4kg-m/2750-6000rpm
ギアボックス:8速オートマティック(後輪駆動)

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みんなのコメント

1件
  • Lore in
    フロントエンジンだがスーパーカー並の維持費がかかりそう。先進装備が増えるほど故障が多く短命。
    国産大衆車もそういう意味ではアドバンテージが薄れきますね。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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