現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > クロカン車が大ヒットしただけじゃない? RVブームをけん引した車3選

ここから本文です

クロカン車が大ヒットしただけじゃない? RVブームをけん引した車3選

掲載 更新 16
クロカン車が大ヒットしただけじゃない? RVブームをけん引した車3選

■空前のRVブームをけん引したクルマを振り返る

 近年、日本のみならず世界的にもSUV人気が高まり、現在も衰える気配はありません。一方、1990年代の初頭に、国内の自動車市場ではRVが空前のブームとなりました。

MT専用! スズキ新型「ジムニーライト」人気沸騰を受け発売へ

 RVとは「レクリエーショナル・ビークル」の略で、レジャー用途に適したクルマのことを指し、厳密にはRVというカテゴリーのクルマはありませんが、クロスカントリー4WD車やステーションワゴン、ミニバンなどが該当しました。

 このRVブームの発端は1980年代の終わりに起こったスキーブームやアウトドアレジャーブームで、そうした用途に適したクルマが人気となり、とくにクロカン車は各社とも大ヒットを記録したほどです。

 そこで、RVブームをけん引した存在のクロカン車、ステーションワゴン、ミニバンを、3車種ピックアップして紹介します。

●三菱「パジェロ」

 1982年5月に、三菱は初代「パジェロ」を発売しました。同社の本格オフローダー「ジープ」に匹敵する悪路走破性と信頼性がありながら、普段使いが可能な快適性や高速走行安定性も考慮した新時代のクロスカントリー4WD車です。

 そして、前述のスキーブームやアウトドアレジャーブームに端を発し、パジェロの人気が急上昇。1991年1月には、さらに悪路走破性や走行性能、快適性、安全性を向上させた2代目パジェロがデビューしました。

 ボディバリエーションはショートとロングで、ショートでは標準の3ドア「メタルトップ」と、2ドアで後席部分がオープントップとなる「Jトップ」を設定。ロングでは3列シートのラグジュアリーな「ミッドルーフ」と後席がハイルーフとなる「キックアップルーフ」があり、さらにロング/ショートともに5ナンバーボディとワイドフェンダーが装着された3ナンバーボディがラインナップされました。

 エンジンバリエーションも当初から3リッターV型6気筒ガソリンと、2.5リッター直列4気筒ディーゼルターボの2種類を用意し、豊富なグレードを展開することでさまざまなニーズに対応。

 また、4WDシステムはパートタイム式とフルタイム式の両方の長所を併せ持つ「スーパーセレクト4WD」を搭載しており、優れた路走破性を発揮するだけでなく、あらゆる路面で高い操縦安定性、安全性、経済性を実現しました。

 2代目パジェロはパリ・ダカールラリーでの優勝によってブランドイメージの向上も果たし、まさにRVブームの火付け役として大ヒットを記録しました。

●スバル「レガシィ ツーリングワゴン」

 1980年代はターボエンジンの普及によって、国産車の高性能化が一気に加速しました。しかし、そんなトレンドに出遅れていたのがスバルで、「レオーネ」に高性能モデルをラインナップするも絶対的なパワーやシャシ性能は他メーカーに大きく水をあけられてしまいました。

 そこで、起死回生の一打として、1989年1月にエンジンからシャシに至るまですべて新開発された初代「レガシィ」を発売。ボディはスタイリッシュなセダンとステーションワゴンの「レガシィ ツーリングワゴン」をラインナップしました。

 セダンのトップグレード「RS」には最高出力220馬力を誇る2リッター水平対向4気筒ターボエンジン「EJ20型ターボ」を搭載し、フルタイム4WDが組み合わされ、あらゆる路面状況でも高い高速性能を発揮します。

 さらにEJ20ターボエンジンは同年9月にはツーリングワゴンにも搭載され、最高出力200馬力とややデチューンされていましたが、ステーションワゴンとしては異例の高出力で、スポーツワゴンというジャンルを確立。

 ハイスペックな4WDワゴンは高速道路からスキー場への移動にも最適なモデルということから、レガシィ ツーリングワゴンは大ヒットし、他メーカーも追従して同様なコンセプトのステーションワゴンが次々に発売されました。

 RVブームの頃はステーションワゴンが定番の人気車種となり、まさにレガシィ ツーリングワゴンはブームの立役者といえるでしょう。

●ホンダ「オデッセイ」

 1990年代の初頭といえば日本でバブル景気が崩壊し、各自動車メーカーの経営状態にも大きな影響がありました。

 なかでもホンダは、同時期に大ヒットしたモデルがなかったことから、バブル期に高騰した開発費や設備投資の回収が困難となり、経営状況は危機的状況に陥りました。

 当時の経済界では、三菱銀行(現在の三菱UFJ銀行)がホンダのメインバンクだったことから、三菱に買収されるのではという噂が出たほどです。

 しかし、1994年に同社初のミニバンである初代「オデッセイ」が登場。5代目「アコード」のプラットフォームをベースに開発され、乗用車と変わらぬドライブフィーリングに、FFの恩恵である広い室内空間から大ヒットを記録しました。

 初代オデッセイの登場以前から他メーカーからもミニバンが販売されていましたが、1BOXバンの延長線上にあり、商用車のイメージから脱却していないモデルが主流でした。

 そんななか初代オデッセイは、ステーションワゴンタイプの洗練されたデザインを採用し、リアドアをヒンジドアとしたこともヒットの理由でしょう。

 エンジンは全車2.2リッター直列4気筒を搭載し、トランスミッションは4速ATのみ。ATはコラムシフトを採用したことにより前席から後席へのウォークスルーも可能で、多彩なシートアレンジと相まって、優れたユーティリティを実現。

 オデッセイのヒットに続き、1996年にはより小型の5ナンバーサイズで全高の高いミニバンの「ステップワゴン」を発売してヒット作となり、ホンダは経営危機から完全に回復しました。

※ ※ ※

 2021年をもって国内向けのオデッセイは生産を終える予定で、奇しくも今回の3車種はすべて絶版車となってしまいます。

 かつて隆盛を極めメーカーに多大な貢献をした3台ですが、時代の移り変わりによるニーズの変化には、抗えないということでしょう。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

「これが売れなかったら四輪撤退…」→超ロングセラーに! 世界の「シビック」を生んだ“妙な納得感のある理論”とは
「これが売れなかったら四輪撤退…」→超ロングセラーに! 世界の「シビック」を生んだ“妙な納得感のある理論”とは
乗りものニュース
沼にハマる 『レトロモビル2025』でフランス車の魅力に迫る 高い技術力と芸術的デザインの融合
沼にハマる 『レトロモビル2025』でフランス車の魅力に迫る 高い技術力と芸術的デザインの融合
AUTOCAR JAPAN
トヨタ「86」&スバル「BRZ」用クラッチは「歯打ち音」を低減!「ヤリス」用は半クラが扱いやすい…待望のアイテムが「小倉クラッチ」からリリース!
トヨタ「86」&スバル「BRZ」用クラッチは「歯打ち音」を低減!「ヤリス」用は半クラが扱いやすい…待望のアイテムが「小倉クラッチ」からリリース!
Auto Messe Web
帽子を焦がしたレーシングシャシー ブガッティ・タイプ57 S コルシカ(1) バラバラからの再生
帽子を焦がしたレーシングシャシー ブガッティ・タイプ57 S コルシカ(1) バラバラからの再生
AUTOCAR JAPAN
先端の「クマ」も再現 ブガッティ・タイプ57 S コルシカ(2) 受賞多数のオープンボディ
先端の「クマ」も再現 ブガッティ・タイプ57 S コルシカ(2) 受賞多数のオープンボディ
AUTOCAR JAPAN
トヨタ勝田貴元、惜しくも優勝逃す2位フィニッシュ……3.8秒差で僚友エバンスに軍配|WRCラリー・スウェーデン
トヨタ勝田貴元、惜しくも優勝逃す2位フィニッシュ……3.8秒差で僚友エバンスに軍配|WRCラリー・スウェーデン
motorsport.com 日本版
スズキの超ハイルーフ「本格SUV」に期待大!「ジムニー」超える“悪路走破性”に「まるで軍用車!?」な斬新デザイン採用! 日常から“アウトドア”まで大活躍の「エックスヘッド」コンセプトがカッコイイ!
スズキの超ハイルーフ「本格SUV」に期待大!「ジムニー」超える“悪路走破性”に「まるで軍用車!?」な斬新デザイン採用! 日常から“アウトドア”まで大活躍の「エックスヘッド」コンセプトがカッコイイ!
くるまのニュース
10トン超えのバッテリーを搭載して航続距離500km……ってホントにエコ? 大型トラックはBEVよりもFCVのほうが最適解
10トン超えのバッテリーを搭載して航続距離500km……ってホントにエコ? 大型トラックはBEVよりもFCVのほうが最適解
WEB CARTOP
被災3年…ついに架設スタート! 阿武隈川を渡る国道399号“軽くなる”新しい橋の姿は?
被災3年…ついに架設スタート! 阿武隈川を渡る国道399号“軽くなる”新しい橋の姿は?
乗りものニュース
“ランクル250”をハードコアにカスタマイズ!? オフロードチューニングのスペシャリストが最新コンプリートカー「AT37」を発表!
“ランクル250”をハードコアにカスタマイズ!? オフロードチューニングのスペシャリストが最新コンプリートカー「AT37」を発表!
VAGUE
FDJ2がMIDホイール一色に! 公式ワンメイク化でドリフトシーンに新時代到来!!…大阪オートメッセ2025
FDJ2がMIDホイール一色に! 公式ワンメイク化でドリフトシーンに新時代到来!!…大阪オートメッセ2025
レスポンス
【特集】レッドブルの非情なドライバー育成……しかし彼ら以上にドライバー育成に注力してきた存在はゼロ
【特集】レッドブルの非情なドライバー育成……しかし彼ら以上にドライバー育成に注力してきた存在はゼロ
motorsport.com 日本版
前の車との「車間距離」めちゃ大事! でも運転中「どうやって」測る!? 「高速」や「一般道」で適切な車間を取る方法とは
前の車との「車間距離」めちゃ大事! でも運転中「どうやって」測る!? 「高速」や「一般道」で適切な車間を取る方法とは
くるまのニュース
まるでリアルRPG!? 目指せ鈴鹿8耐優勝! レーシングライダー石塚健が新チーム立ち上げを発表
まるでリアルRPG!? 目指せ鈴鹿8耐優勝! レーシングライダー石塚健が新チーム立ち上げを発表
バイクのニュース
デジタル装備が進化、走行性能もアップ!フリークも納得した新型「ゴルフ8.5 GTI」の高い実力
デジタル装備が進化、走行性能もアップ!フリークも納得した新型「ゴルフ8.5 GTI」の高い実力
@DIME
【MotoGP】ホンダは思ったより大丈夫? アプリリアから加入のアルベシアーノ「革命は必要ない」
【MotoGP】ホンダは思ったより大丈夫? アプリリアから加入のアルベシアーノ「革命は必要ない」
motorsport.com 日本版
「これが普段使い!?」メルセデスAMG A35が“異次元”サウンドマシンに進化 Pro Shop インストール・レビュー by レジェーラ 後編
「これが普段使い!?」メルセデスAMG A35が“異次元”サウンドマシンに進化 Pro Shop インストール・レビュー by レジェーラ 後編
レスポンス
スーパーフォーミュラの改革は話題づくりだけじゃない。さらなる発展に不可欠な“制度整備”……ハンドボールリーグ元事務局長が荒地を耕す
スーパーフォーミュラの改革は話題づくりだけじゃない。さらなる発展に不可欠な“制度整備”……ハンドボールリーグ元事務局長が荒地を耕す
motorsport.com 日本版

みんなのコメント

16件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

480.0516.5万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

11.0585.5万円

中古車を検索
オデッセイの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

480.0516.5万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

11.0585.5万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村