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実はこんなSUVも作ってます! MG HS 1.5 T-GDIへ試乗 重要モデル最大の強みは「価格設定」

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実はこんなSUVも作ってます! MG HS 1.5 T-GDIへ試乗 重要モデル最大の強みは「価格設定」

現在のMGで最も重要なモデル:HS

100年の歴史を有する、英国のMG。MG BやMG Fなど、ブランドイメージを塗り替えるようなモデルを何台も提供してきた。日本上陸は果たしていないが、近年のMG 4 EVも最たる例だろう。

【画像】最大の強みは「価格設定」 MG HS 競合クラスの和製SUVはコレ 最新サイバースターも 全162枚

そんな現在のMGは、HSと呼ばれる中型SUVを提供している。英国ではメジャーな存在になれていないが、同社にとって最も重要なモデルへ据えられているようだ。

初代の登場は6年前。この2代目では、スタイリングやインテリアを刷新。車載技術も大幅に新しくなり、競争力の向上が狙われている。日産キャシュカイ(旧デュアリス)やフォルクスワーゲン・ティグアンなどが、ライバルとなる。

ヘッドライトはスリムになり、フロントグリルは拡大され存在感が強い。MGの八角形エンブレムは、ボンネットへ移動。フラットな面構成でまとめられ、現在のラインナップへ雰囲気は近づけられた。

トレンドへ乗るようにテールライトは水平に伸び、バンパー下部にはディフューザー風の処理が与えられている。ボディカラーはブラックかホワイト、グレー、シルバー、レッドの5色から選べる。

ボディサイズは、全長が4610mm、全幅は1876mm、全高が1685mm。初代より26mm長く、14mm広く、30mm低い。

ゆとりある車内空間 1.5L 3気筒で170ps

初代から成長したことで、車内空間にはゆとりが生まれた。ダッシュボードの見た目は、高級感も増している。一見すると合成皮革のように見える表面は、ソフト加工されたプラスティックだが。

乗員空間は、背の高い大人でも問題なし。荷室容量は507Lあり、従来から44L拡大している。ちなみに、フォード・クーガの容量は412Lだ。

運転席の正面には、12.3インチのメーター用モニター。これと並ぶように、12.3インチのインフォテインメント用タッチモニターが据えられる。どちらも反応は素早く、表示は見やすい。

一連の運転支援システム、MGパイロットアシストは標準装備。アダプティブ・クルーズコントロールの動きは自然で、設定もしやすい。

ただし、ドライバー監視機能は反応が過敏気味。走行中にスピードメーターをチラ見したり、バックするために後ろを先に確認するだけでも、警報が鳴ってしまう。毎回、オフにすることは可能だが。

今回、主に試乗したHSのパワートレインは1.5L 3気筒ガソリンターボで、最高出力が170ps、最大トルクは28.0kg-m。0-100km/h加速9.4秒と際立つ速さではないが、反応が小気味よく市街地では扱いやすい。

中回転域のトルクは、若干細い様子。活発な加速を求めると、荒々しいノイズを響かせる。巡航時は、穏やかに転じるけれど。

トランスミッションは、6速マニュアルが標準。試乗車には、キビキビとギアを選ぶ7速デュアルクラッチ・オートマティックが組まれていた。

少し鈍めのステアリング 乗り心地は快適

この他に、システム総合261psと37.6kg-mを発揮する、プラグイン・ハイブリッドも用意される。駆動用バッテリーの容量は24.7kWhだ。ちなみに、マイルド・ハイブリッドも2025年に登場予定にある。

このプラグイン・ハイブリッドは、電気だけで実際に120km前後走れることが特長。多くのライバルより優れる数字で、駆動用モーター単体の出力も153psある。

電気モーターから内燃エンジンへの移行はシームレス。殆どノイズを出さず始動し、車内を穏やかな空間に保ってくれる。

ドライブモードには3段階あり、ステアリングホイールの重さが多少ながら変わる。デフォルトはノーマル・モードだが、レシオはスロー側。望んだより反応が鈍く、少し導きにくく感じられた。

コンフォート・モードでは軽く回せるようになり、普段使いで好ましいと感じる人は多いだろう。スポーツ・モードも備わる。

乗り心地は、殆どの路面で初代より快適。外界との隔離性は高く、洗練という言葉を用いていい。これより優れた能力を持つライバルも、存在はするが。高速走行時は、ややロードノイズが目立つかもしれない。

プラグイン・ハイブリッドは、車重が1.5L 3気筒エンジン仕様より約200kg重い。ロータリー交差点やきついカーブでは、その質量を実感する。ボディロールも大きめで、もう少し姿勢制御を引き締めても良いだろう。

競争力の高い価格設定が強み 運転体験は及ばず

HSで最大の強みといえるのが、競争力の高い価格設定。英国では、1.5L 3気筒で充実装備のSEグレードを、2万4995ポンド(約475万円)から購入できる。プラグイン・ハイブリッドも、3万1495ポンド(約598万円)で狙える。

キャシュカイと比べると、5000ポンド(約95万円)安い。プジョー3008とは、1万ポンド(約190万円)の差がある。

モデルチェンジで競争力を強めたHS。お手頃な英国価格は確かな魅力だ。ただし、乗り心地や操縦性などの運転体験では、ライバルへ及ばないことは否定できない。MGは、走りでも充足感のあるモデルを作ることで評価されてきたのだが。

とはいえ、コスパと実用性は低くない。充実装備のファミリーSUVを検討されるなら、候補へ加える価値はあるだろう。

◯:先代からの大幅な進化 エントリーグレードの価格 電気だけで120km走れるプラグイン・ハイブリッドの能力
△:1.5L 3気筒エンジンはややパワー不足 動的能力ではライバルへ及ばない 過剰に反応するドライバー監視機能

MG HS 1.5 T-GDI トロフィー(英国仕様)のスペック

英国価格:2万7495ポンド(約522万円)
全長:4610mm
全幅:1876mm
全高:1685mm
最高速度:189km/h
0-100km/h加速:9.4秒
燃費:13.5km/L
CO2排出量:168g/km
車両重量:1550kg
パワートレイン:直列3気筒1496cc ターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:170ps/5000rpm
最大トルク:28.0kg-m/3000rpm
ギアボックス:7速デュアルクラッチ・オートマティック(前輪駆動)

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