ハイパフォーマンスEVはトラクションに優れる
EV(電気自動車)において、高いパフォーマンスを誇るモデルが増えている。むしろ高価格帯になればエンジン車を圧倒するハイパワーであることは珍しくない。
「タイヤの摩耗が早い」「買い取り価格は期待できない」EVにまつわる巷のウワサ6つの真実
そして、たとえばエンジン車で1000馬力ともなれば路面に伝えるだけでも大仕事となりがちだが、EVにおいては、容易にハイパワーを受け止めることができるという認識をもっている人も多いことだろう。
はたして、駆動力を路面に伝えるトラクションという点において、EVはエンジン車よりも有利なのだろうか。
その疑問に対しては「イエス」と回答できる。
理由のひとつは、ハイパフォーマンス系EVは必然的に重くなり、それがトラクションに有利に働くということだ。
これまでの常識的な認識において、運動性能を重視したスポーツカーにおいては「軽ければ軽いほどいい」といわれる。加速、減速、旋回といった要素において、軽いほうが有利なのは間違いない。ただし、トラクションという一点に絞ると、軽すぎることはタイヤの接地圧を稼ぐのには不利で、大トルクを与えたときにスリップしやすいのも事実だ。
EVのハイパフォーマンス化をハイパワー化と捉えた場合、大出力を実現するにはそれなりに大容量のバッテリーが必要となる。そうすると、どうしてもバッテリーが大きく、かさんでしまうため、車体は重くなりがちだ。それはトラクションにおいては有利な条件だ。
つまり、重量級となりやすいハイパフォーマンスEVは、トラクションにおいて優れた傾向にあるといえる。
物理的な重さというのは、とくに発進時のトラクションに有利に働く。ご存じのようにモーターというのは発進時に大トルクを発揮しやすい特性があるわけで、電気駆動のメリットを引き出すにも、重量増によるトラクション確保というのはポジティブな要素と考えることもできる。
EVの車体設計による恩恵も
また、多くのEVが床下にバッテリーを積む車体設計となっている。減速や旋回といった運動性能において重量増はマイナスであるが、低重心かつマスの集中という意味ではEVの車体設計はエンジン車よりも有利な面があるともいえるだろう。
さて、ハイパフォーマンス系ではない、日常生活に密着したEVにおいてもトラクション性能の差はあるし、むしろ雪道などでは実感しやすいといえる。
ここでのポイントは重量だけではなく、電動駆動ゆえの緻密な制御が可能なことだ。
いまどきのクルマにおいては、エンジン車であってもトラクションコントロールや横滑り防止装置など電子制御によってタイヤスリップを防ぎ、トラクションの高まりを体感できるようになっているが、こうした制御における緻密さではEVが一枚も二枚も上手だ。
過去に、スタッドレスタイヤでもグリップを失ってしまうような氷上でエンジン車とEVを乗り比べたことがある。そのときに実感した違いは、エンジン車はタイヤのスリップを感じたのちに制御が入る印象だが、EVはタイヤがグリップしつづけているように感じること。感覚的には、エンジン車の制御が0.1秒単位となっているのに対して、EVは0.001秒単位で制御しているくらい精密さの違いがあった。
単純にいうと、EVのモーター制御はきめ細やかすぎて、いつ作動しているのか判別することは難しい。電子制御を意識することなく、つねにトラクションが確保されているように感じるのが電気駆動の特徴といえる。
まとめると、EVというのは同じような車格で比べると車体が重い傾向にあり、それが物理的なトラクション確保に有利に働くことがある。さらにモーターの制御がエンジンに対して緻密なことで、ユーザーが意識することなく、タイヤのグリップが確保されている状態を維持できるのもEV(電気駆動)のメリットとなっている。
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みんなのコメント
即ち日常でその恩恵を受ける事はまず無いし
それ以上に重量増による走る曲がる止まるの基本的運動能力への弊害は著しい
車は軽いに越した事は無いのだが
〇ウエイトバランス
BEVは機器のレイアウトに冗長度がある分ウエイトバランスは取りやすいだけ。
駆動輪の上に重さのあるパーツを配分、前輪と後輪の間に配置して前後バランスも取って…
元の総重量が嵩む分そうしないと乗りにくい。