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バイク界の革命児 カタナが生んだ”ケルンの衝撃”[’81-]スズキ GSX1100S[Z]KATANA【青春名車オールスターズ】

掲載 更新 21
バイク界の革命児 カタナが生んだ”ケルンの衝撃”[’81-]スズキ GSX1100S[Z]KATANA【青春名車オールスターズ】



CB750フォアを尖兵に、ホンダ/ヤマハ/スズキ/カワサキの日本4大メーカーが世界の頂点に君臨する時代が幕を開ける。大排気量空冷マルチエンジンを搭載した公道の王者たち、その有志をご覧いただこう。本記事では、それまでにない先進的なフォルムで当時のライダーを熱狂させたスズキ GSX1100S[Z]KATANAを取り上げる。※本記事はヤングマシン特別号 青春単車大図鑑からの転載です。

【最悪】ネジが途中で折れた!? 実はカンタン「アタマが折れたボルト」の外し方、教えます。

●文:ヤングマシン編集部

デザイナーの名前を初めて覚えた【スズキ GSX1100S[Z]KATANA】

GS750-1000はひとまずの成功を収めたが、スズキはさらなる高出力化を求めて研究を開始。新4バルブユニットにはGSXの名が与えられ、独自の2過流燃焼室=TSCCが発明された。燃焼速度を高めることで高出力/低燃費化を実現、バルブ駆動にはロッカーアームを採用して整備性の向上も図られた。

排気量の拡大もあって従来の2バルブ式よりも大きく重いエンジンになったが、GSX1100Eの出力は105psを達成し、申し分ない出来映えとなった。

しかしそのスタイリングには疑問符が付いた。角型基調のフォルムは新しさを狙っていたものの「格好悪い」と言う意見が少なくなく、そこでスズキはスタイリングを外部デザイナーへ発注することを決定。BMWから独立して間もない、ドイツのターゲットデザインに白羽の矢が立てられたのである。

渉外を担当したのはハンス・ムート。彼は実際に日本刀や武士道をモチーフにしたデザインコンセプトを提案してもいたが、作業に当たったのは彼1人ではなく、無論チームワークによる成果である。

しかしムートの名ばかりがマスコミに報じられ、「カースタイリング」46号(’84年 三栄書房)で本人が語っているように、結果として彼はターゲットデザインを早々に辞してもいる。

カタナ誕生にはそんな裏話もあったが、世界中で熱狂的に迎えられ、休止期間はあったものの、20年の長きにわたり販売された。2輪史にその名を深く刻まれた名車であることは揺るぎない。

―― 【’81 SUZUKI GSX1100S[Z]KATANA】■空冷4スト並列4気筒 DOHC4バルブ 1074cc 111ps/8500rpm 9.8kg-m/6500rpm ■232kg(乾) ■タイヤF=3.50-19 R=4.50-17 ※輸出モデル

―― 速度計と回転計を組み込んだ独自のコンビネーションメーターもカタナの特徴だ。下部にインジケーターランプを内蔵している。 [写真タップで拡大]

―― 燃料タンク左下のダイヤルは、グローブのままでも操作できるチョーク用ノブ。その下の2つのスイッチはオプション用のヒーターなどに使う。 [写真タップで拡大]

―― 【’80 SUZUKI GSX1100E】カタナのベース車にあたる。動力性能は十分だったもののスタイリングの不評により振るわなかった。

―― 【SUZUKI GSX1100S Prototype】’80年のケルンショーで発表。シートやマフラー形状のほかステップ位置といった細部が異なる。

―― カタナのデザインを担当した頃のハンス・ムート氏はターゲットデザインに所属。同社は、カタナに先立ちGS650Gも手がけた。 [写真タップで拡大]

スズキ GSX1100S[Z]KATANA 兄弟モデル

◆’82 スズキ GSX1000SD【レース規定に合わせた1000ccカタナも登場】

欧米のレース規定に合わせ、’82年と’83年に998cc仕様も用意された。欧州向けはVMキャブ、北米向けは1100同様にBSキャブを採用。

―― 【’83 SUZUKI GSX1000SD】主要諸元■空冷4スト並列4気筒 DOHC4バルブ 998cc 108ps/8500rpm 9.3kg-m/6500rpm 車重232kg(乾) ■タイヤF=3.50-19 R=4.50-17 ※輸出モデル ※写真は’83年モデル

―― フォルムが引き立つセパレートハンドルだが距離が遠く、乗車姿勢はつらい。 [写真タップで拡大]

スズキ GSX1100S[Z]KATANAの系譜

◆’83 スズキ GSX1100SD

―― 青×銀、赤×銀のツートンカラーを採用。ホイールデザインは6本スポークに変更。 [写真タップで拡大]

◆’84 スズキ GSX1100SE

―― 赤×銀のツートンカラーを採用した3型のSE。SDからの変更点は外装色のみ。 [写真タップで拡大]

◆’87 スズキ GSX1100SAE

―― 一旦カタログ落ちしたが、限定車として復活。初期型デザインを踏襲している。 [写真タップで拡大]

◆’87 スズキ ​​GSX1100SBE

―― 大手ショップの要望で赤フレームや赤シートを採用したSBE。販売は数百台のみ。 [写真タップで拡大]

◆’90 スズキ GSX1100SL

―― 再販を望む声に応え、創立70周年記念車として復活。Fキャリパーなどを変更。 [写真タップで拡大]

◆’91 スズキ GSX1100SSL

―― 基本的な内容はSLとほぼ同じで、カラーリング変更だけに留まっている。 [写真タップで拡大]

◆’94 スズキ GSX1100SR

―― アンチダイブ機構を撤去し、新たにパワーアシストクラッチやオイルクーラーを新設。95psに。 [写真タップで拡大]

◆’00 スズキ GSX1100SY

―― 1100台を限定販売した最終型。チューブレスタイヤや強化ブレーキがポイント。 [写真タップで拡大]

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みんなのコメント

21件
  • 1100S、750S、750S2、650Gを購入しました。自分にとってベストは750Sでした。もちろん1100が一番良いのでしょうが十分なパワーやシャーシとエンジンのバランスが750が良かった。当時はフルノーマルで乗っていましたが、もし1100Sをフレームを強化して良いサスに交換していれば評価も変わったでしょう。また乗りたいけれど高値だし程度の良い中古車も無いので諦めています。
    ちなみにカタナはハンドルは低いけれどシートも大きく抉れて低いのでそんなにポジションはキツくないですよ。
  • カタナが発表された翌月のバイク雑誌に載っていたのは「変なデザイン」「ナメクジみたい」とネガティブな投稿ばかりでしたよ。
    ところが発売されると、大人気に。
    新しいものには皆、拒否反応が先に立つんですね。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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