現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > いすゞの乗用車って「オシャレ」揃い! 撤退した今もなおデザインの評価が高い理由とは

ここから本文です

いすゞの乗用車って「オシャレ」揃い! 撤退した今もなおデザインの評価が高い理由とは

掲載 16
いすゞの乗用車って「オシャレ」揃い! 撤退した今もなおデザインの評価が高い理由とは

 この記事をまとめると

■乗用車部門から撤退したいすゞの乗用車のデザインが秀逸だった理由を考察

20年前に撤退した「いすゞの乗用車」はいまだ大人気! ディーラーもないけど中古で買ったら修理やメンテはどうなる?

■ジョルジョット・ジウジアーロ氏などと手を組んでいたことが大きな理由のひとつ

■いすゞのデザインは当時から欧州チックで先進的だったのが今でも人気な理由の要因だろう

 天才ジウジアーロが手がけたクルマが多数

 1993年から順次乗用車市場から撤退、現在はトヨタグループとしてバスやトラックの専門メーカーとなっているいすゞ。しかし、いまでも同社の乗用車のスタイリングは高く評価されています。では、その理由はどこにあったのか、今回は好評だったいすゞデザインを振り返ってみましょう。

●カロッツェリアとの協業で生まれた名車たち

 歴代いすゞ車の中で高評価といえば、天才デザイナー、ジョルジョット・ジウジアーロが手掛けたクルマたちがまず頭に浮かびます。

 カロッツェリア・ベルトーネに在籍していたジウジアーロは1965年にギアへ移籍しますが、当時、トリノのモーターショー会場で出会った宮川秀之を通じ、積極的に日本メーカーとの接触を持っていました。その中にいすゞも名を連ねていたのです。

 そのいすゞは、当時「フローリアン」の派生モデルを計画しており、ジウジアーロにこれを依頼。こうして「117クーペ」が誕生します。流麗でムダなラインのないボディ、実用性の高さを感じさせる広いガラスエリアに細いピラーなど、圧倒的な美しさをもつ2ドアは、1966年のジュネーヴショーに「いすゞスポーツ・クーペ」として発表され、大きな話題となりました。

 もともとはフローリアンも、ジウジアーロが移籍する前のギアに委託したクルマなのですが、アメリカンなスタイルは大きな評価を得ることなく、117クーペの陰に隠れた格好になりました。その117クーペは1968年に正式発表となり、1981年の生産終了まで約8万台以上を売るヒット作となったのです。

 もともといすゞには先進的デザインを志向する土壌があった

●圧倒的な先進デザインでヒットを生んだ80年代

 70年代半ば、いすゞは117クーペの後継を計画、ジウジアーロと宮川氏が設立した「イタルデザイン」へ委託します。当時、ジウジアーロは80年代のクーペスタイルの提案としてアッソ(Asso)コンセプトを展開していましたが、もともと現代(ヒョンデ)への提案であった「アッソ・デ・フィオーリ」をいすゞ向けに再構築、1970年のジュネーヴショーに出品します。

 大評判となった同車は、いすゞ社内にてほぼオリジナル通りに量産化を果たし、1981年、初代「ピアッツァ」として登場しました。フラッシュサーフェスが徹底されたボディは、その後20~30年のカーデザインを先取りする極めて先進的なもので、もちろん現在でも旧さをまったく感じさせません。

 そして同じ80年代には、提携先のGMの世界戦略車の一環として「ジェミニ」の2代目がイタルデザインに委託されます。初代はオペル・カデットをベースとしましたが、2代目はいすゞの完全独自開発。「クオリティコンパクト」を掲げた「FFジェミニ」は、バランスのよさとクリーンなスタイルで大ヒット作となりました。

 量産化にあたっては、いすゞ社内でボディのリデザインが行われたため、当初はイタルデザインの関与は公表されませんでした。しかし、質感の高い面構成は間違いなくピアッツァと共通したものだったのです。

●先進的な土壌があってこその先見性

 90年代以降に高い評価を得たいすゞ車といえば、1997年発表の「ビークロス」でしょう。セダン撤退により唯一残ったスペシャリティSUVを手掛けたのは、ロータスからいすゞの欧州スタジオに移籍したサイモン・コックスです。

 もともとは、1993年の東京モーターショーに出品された「ヴィークロス」がオリジナルですが、ベース車が変更されながらも、メタリック感あふれる上半身とPP素材色の下半身との対比、先進的で一体感を持たせたフロントフェイスやリヤパネルなど、未来感溢れるスタイルは巧妙に再現されました。

 さて、こうして振り返ると、外部スタジオや外国人デザイナーの活躍が目立ちますが、もともといすゞには欧州志向の先進的な土壌があったようです。たとえば、社内デザイナーの井ノ口誼らが手掛けた「べレット」は、60年代初めの時点で欧州車を思わせる美しいスタイリングを行っていました。つまり、そうした背景があってこその名車輩出だったと言えるのです。

こんな記事も読まれています

ブリッツ、『GRヤリス』専用キャンバー調整機能付きフロントピロアッパーマウント発売
ブリッツ、『GRヤリス』専用キャンバー調整機能付きフロントピロアッパーマウント発売
レスポンス
トヨタ、最終日に大逆転で4連覇。ヌービルは悲願の初戴冠【ラリージャパン 最終日レポート】
トヨタ、最終日に大逆転で4連覇。ヌービルは悲願の初戴冠【ラリージャパン 最終日レポート】
AUTOSPORT web
『頭文字D』カラーで日本の峠最速に。グリアジンがWRC2完勝「しげの先生にありがとうと伝えたい」
『頭文字D』カラーで日本の峠最速に。グリアジンがWRC2完勝「しげの先生にありがとうと伝えたい」
AUTOSPORT web
マツダ「RX-8」じゃない斬新「ロータリースポーツカー」がスゴイ! リトラ風“奇抜ヘッドライト”&ガバっと開く“画期的ドア”採用! 謎の「エボルブ」とは?
マツダ「RX-8」じゃない斬新「ロータリースポーツカー」がスゴイ! リトラ風“奇抜ヘッドライト”&ガバっと開く“画期的ドア”採用! 謎の「エボルブ」とは?
くるまのニュース
高性能な「ディフェンダーOCTA」初の一般公開! 盛況のランドローバー公式イベントに“秘密兵器”あり!! 大都市の真ん中で「悪路走行」を満喫
高性能な「ディフェンダーOCTA」初の一般公開! 盛況のランドローバー公式イベントに“秘密兵器”あり!! 大都市の真ん中で「悪路走行」を満喫
VAGUE
【最終結果】2024年WRC第13戦ラリー・ジャパン パワーステージ後
【最終結果】2024年WRC第13戦ラリー・ジャパン パワーステージ後
AUTOSPORT web
トヨタ『ランドクルーザー』リコール…ドライブシャフト不良、走行不可能になる恐れ
トヨタ『ランドクルーザー』リコール…ドライブシャフト不良、走行不可能になる恐れ
レスポンス
スバルブルーのスポーティ&正統派コスチューム! SUPER GTで「SUBARU BRZ R&D SPORT」をサポートする「BREEZE」のメンバーをご紹介
スバルブルーのスポーティ&正統派コスチューム! SUPER GTで「SUBARU BRZ R&D SPORT」をサポートする「BREEZE」のメンバーをご紹介
Auto Messe Web
F1第22戦、ラッセルが今季2勝目、フェルスタペンは5位入賞で4年連続チャンピオンを確定【ラスベガスGP 決勝】
F1第22戦、ラッセルが今季2勝目、フェルスタペンは5位入賞で4年連続チャンピオンを確定【ラスベガスGP 決勝】
Webモーターマガジン
“プロフェッサー”プロストに肩を並べたフェルスタッペン。偉大なる「4度のF1チャンピオン」は史上6人目
“プロフェッサー”プロストに肩を並べたフェルスタッペン。偉大なる「4度のF1チャンピオン」は史上6人目
motorsport.com 日本版
アウディだけどポルシェが作ったRS2! 名車誕生のワケは「財政難のポルシェを救うため」の仕事だった
アウディだけどポルシェが作ったRS2! 名車誕生のワケは「財政難のポルシェを救うため」の仕事だった
WEB CARTOP
F1 Topic:4連覇に王手をかけたフェルスタッペン。タイトル獲得条件をおさらい
F1 Topic:4連覇に王手をかけたフェルスタッペン。タイトル獲得条件をおさらい
AUTOSPORT web
世界的に数字の入った車名だらけ! 数え歌的に車名で1から10まで数えてみた
世界的に数字の入った車名だらけ! 数え歌的に車名で1から10まで数えてみた
WEB CARTOP
【試乗】ボルボ XC90が大幅改良。「完全電動化への橋渡し」だけでは役不足だと感じる、新型の熟成度
【試乗】ボルボ XC90が大幅改良。「完全電動化への橋渡し」だけでは役不足だと感じる、新型の熟成度
Webモーターマガジン
[15秒でわかる]トライアンフ『タイガー・スポーツ660』…先進機能を多数搭載
[15秒でわかる]トライアンフ『タイガー・スポーツ660』…先進機能を多数搭載
レスポンス
約260万円! スバル新型「インプレッサ」発表に反響! 新色に「爆オシャブルー」採用したスバルの人気「5ドアハッチ」どんな人が買ってるの?「最新の納期」もまとめて紹介!
約260万円! スバル新型「インプレッサ」発表に反響! 新色に「爆オシャブルー」採用したスバルの人気「5ドアハッチ」どんな人が買ってるの?「最新の納期」もまとめて紹介!
くるまのニュース
教習所での路上試験で安全運転義務違反は何点減点されるのか?
教習所での路上試験で安全運転義務違反は何点減点されるのか?
LE VOLANT CARSMEET WEB
【MotoGP】経営悪化のKTM、レッドブルによる『救済』のウワサは否定。MotoGPへの影響懸念も「全ての参戦シリーズに残る」
【MotoGP】経営悪化のKTM、レッドブルによる『救済』のウワサは否定。MotoGPへの影響懸念も「全ての参戦シリーズに残る」
motorsport.com 日本版

みんなのコメント

16件
  • シンプル&クリーン
    それがいすゞ
    ディーゼルエンジンも良かった
  • いすゞにだけじゃ無く昔はどのメーカーも良いデザインが多かったな
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村