<広範にわたる変更メニューの割にはリーズナブル>
第二世代NSXのファイナルモデルとなる「NSX タイプS」の日本仕様は30台限定、メーカー希望小売価格は2794万円。ファイナルかつタイプSということで、もっと高価になると予想していた向きもありましたが、その内容を考えると、リーズナブルともいえる価格設定となりました。
>>ホンダ NSXのおすすめグレードとユーザーの評価を見てみる
タイプSはこれまでのNSXからかなり幅広く変わっています。前後バンパーは空力と冷却性能を向上させるために完全新設計の形状で、サスペンションやパワートレインの仕様も専用です。
なかでも3.5L V6ツインターボエンジンはGT3ターボチャージャー、高性能インタークーラー、大容量インジェクターなどでパワーアップ。前後3つのモーターからなるハイブリッドの電動パワーユニットについても制御を見直すことで出力を向上させています。
<GT-R ニスモを抜いて国産最強のパワー&トルクを獲得>
その結果、NSXタイプSのシステム最高出力は610PS、システム最大トルクは667Nmまで高まりました。この数字、国産モデルとしては史上最強のスペックとなります(NSXはアメリカで生産されているので純粋な国産車ではありませんが…)。
ちなみに、NSXタイプS以前の国産最強マシンは「日産 GT-R ニスモ」(2420万円)で、3.8L V6ツインターボのスペックは、最高出力600PS、最大トルク652Nmとなっています。こちらも実質的にはファイナル? と噂されるGT-R ニスモ 2022年モデルは今年8月の正式発表と同時に即完売という人気ぶりを示しましたが、まさか正式発表から1か月と経たずに国産最強マシンの座をNSXタイプSに奪われるとは思いも寄らなかったかもしれません。
<GT-R ニスモは約300台、NSX タイプSの国内向けは30台>
ちなみに、NSXはフロントがモーター、GT-Rはリアに置いたトランスミッションからプロペラシャフトを介するという違いはありますが、どちらも4WDのスーパースポーツ。NSXタイプSでは、フロントモーターの駆動範囲を広げることで、4WD的なダッシュ力を身に着けたということで、タイムアタック的なシチュエーションにおいてもGT-R ニスモとNSXタイプSは好敵手となりそうです。
いずれも1.7tを超える重量級モデルですが、GT-R ニスモは専用カーボンセラミックブレーキを標準装備、NSXタイプSもカーボンセラミックブレーキをオプション設定しています。エンジン搭載位置こそGT-Rがフロントで、NSXはミッドシップという違いはありますが、速さを求めると最終的に似通ってくる面もありそうです。
なお、GT-R ニスモ(22年モデル)の販売台数は300台を超えるくらいで、NSXタイプSは前述のように国内向けは30台限定ですから、2台が相まみえることは、ほとんどないでしょうが、貴重な2台対決を見てみたいものです。
文:山本晋也(自動車コミュニケータ・コラムニスト)
※写真
1枚目:ホンダ NSX タイプS
2枚目:日産 GT-R ニスモ
●NSXタイプS主要スペック
システム最高出力:610PS
システム最大トルク:667Nm
車両重量:1770~1790kg
タイヤサイズ:前245/35-19・後305/30-20
メーカー希望小売価格:2794万円
●GT-R ニスモ主要スペック
最高出力:600PS
最大トルク:652Nm
車両重量:1720kg
タイヤサイズ:前255/70-20・後285/35-20
メーカー希望小売価格:2420万円~2464万円
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みんなのコメント
スペックではなく実走で白黒つけるメディアの
評価がでないとなんとも言えないかな
カタログスペックなんてあてにならんよ