現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 好感度クラスNo.1! アウディA3 スポーツバックへ試乗 小改良 見違えるほど変わった車内

ここから本文です

好感度クラスNo.1! アウディA3 スポーツバックへ試乗 小改良 見違えるほど変わった車内

掲載 2
好感度クラスNo.1! アウディA3 スポーツバックへ試乗 小改良 見違えるほど変わった車内

クロスオーバー風のA3 オールストリートも

初代アウディA3の登場は、1999年。これと前後し、メルセデス・ベンツは斬新なAクラスを発売し、BMWはFRの1シリーズを投入しているが、プレミアム・ハッチバックの保守的な選択肢として、歴代は堅調に支持を集めてきた。

【画像】好感度クラスNo.1! アウディA3 スポーツバック お好みは?競合クラスのハッチバック 全175枚

現行型は4代目で、発売は2020年。まだ新鮮さは残るものの、競争力を求めてフェイスリフトを受けた。プラットフォームは、フォルクスワーゲン・ゴルフと同じMQBの進化版だ。

基本的なパッケージングに変わりはないが、要所へはしっかり手が加えられている。特にS3では、その進化ぶりが大きい。

ただし、見た目の変化は小さい。後期型の特徴としては、4リングスの位置が、ワイドになったフロントグリルの上端へ移動したこと。ボディカラーには、多くの新色が追加。ヘッドライトは、4種類の点灯パターンから選択できる。

アウディは、あえて大きなリフレッシュを狙わなかったのだろう。もともと見た目はハンサムで、印象は悪くなかった。ボディスタイルは、ハッチバックのスポーツバックと、サルーンから選択できる。

プレミアム・ブランドとして、高級感も漂わせる。ベーシックな小径ホイールを履いていても、オーラをまとった特別感があるように思う。

トピックが、クロスオーバー風のA3 オールストリートが追加されたこと。悪路性能に大きな違いはなくても、フェンダーモールが追加され、ソフトなサスペンションで最低地上高は持ち上げられている。

実車は魅力的に見える。ところが、英国への導入予定はないというから残念。

見違えるほど変わったインテリア

スタイリングと裏腹に、インテリアは見違えるほど変わった。内装の素材は、選択の幅や高級感が増した。タッチモニターが埋め込まれたダッシュボードは、運転席側を中心に新しくデザインされている。

アウディは、4代目のインテリアの評判が振るわなかったことを認めている。今回の改良では品質を向上させ、印象を引き上げることが優先されたようだ。

ドアパネルには、30色から選べる間接照明を内蔵。エアコンの送風口も新しくなり、オプションだが、クロームメッキで飾られる。シフトセレクターは、小さなスイッチだ。ワイヤレス充電パッドも備わる。

インフォテインメント・システムは、最新世代へアップデート。有料のオンデマンド機能にも対応する。タッチモニターの反応は素早く、グラフィックは鮮明。メニュー構造は理解しやすく、走行中でも必要な機能を探しやすい。

しかも、ダッシュボードとセンターコンソール、ステアリングホイールには、実際に押せるハードスイッチが賢明にレイアウトされている。操作しやすいだけでなく、ソリッドな質感も好ましい。

運転支援システムの切り替えも簡単。ボタンを1度押せば、アシスト機能のメニューが表示される。車線維持支援のオン/オフも、5秒あれば済む。

エアコンもハードスイッチ。前方から目線を逸らすことなく、温度や送風ポジションを選べる。AUTOCARとしては、これが正解だと考える。

エンジンは従来どおり プラグインHVも登場予定

ちなみに4代目は、3代目と比較して、車内空間が僅かに広がっている。前席の肘周りで6mm、頭上は7mm余裕が出た。そのぶん、ボディサイズも大きくなったのだが。

荷室容量は380L。40:60で分割できる後席の背もたれを倒すと、1200Lへ広がる。またスポーツ・グレード以上では、40:20:40の3分割になる。

フェイスリフト後のエンジンは、1.5LガソリンターボのTFSIと、2.0LディーゼルターボのTDI。どちらもマイルド・ハイブリッドで、僅かな改良を受けているが、基本的には従来と同じ。

英国で支持率の高い方は、TFSI。充分にパワフルでエネルギー効率も良く、高負荷時に息苦しさはあるものの、常用域では静かに仕事をこなす。

TDIは、何といっても燃費が魅力。カタログ値は20.9km/Lで、高速道路を走る場面が多いユーザーには、燃料代の見返りが大きいだろう。NOxの排出量を減らす、ツイン・アドブルーシステムが備わる。

ディーゼルらしいノイズは聞こえるものの、従来よりボリュームは小さくなり、低回転域からトルクが太く滑らか。7速ATのスムーズな変速が、その印象を高める。

2024年後半には、TFSIとTDIに廉価版が投入予定。電気だけで95km以上走れる、プラグイン・ハイブリッドも追加される。どれを選ぶか迷うことになりそうだ。

クラスでは好感度ナンバー1 価格にも納得

ステアリングはアウディらしく淡白だが、ユーザーが強い不満を感じるほどではないだろう。試乗車には可変レシオのプログレッシブ・システムが装備され、ステアリングホイールを切り込むほどダイレクトさが増し、扱いやすかった。

駐車場だけでなく、きついカーブが連続する区間でも効果的。直進時には過敏さがないことも美点で、ぜひとも選びたいオプションに思えた。通常のシステムは、速度感応アシスト付きの電動だ。

ドライブモード次第でステアリングの感触も変わるが、明確にわかるのはダイナミック・モード。予想通り手応えが増すものの、抵抗感も増えるため、デフォルト設定の方が好ましいかもしれない。

サスペンションは、低出力版ではリアがトーションビーム式。150psより上では、マルチリンク式が与えられる。Sラインを選ぶと、ハードなスポーツサスが組まれ、車高は15mm落とされる。

アダプティブ・サスペンションはオプション。ダンパー内のバルブで減衰力を調整するシステムで、車高は10mm低くなり、ドライブモードで硬軟が変化する。乗り比べると差は歴然ながら、標準サスでも快適性と姿勢制御は高次元で両立できている。

フェイスリフト後のA3も、パワートレインを問わず、このクラスのハッチバックでは好感度ナンバー1。乗り心地は硬めながら上質といえ、走りは安定している。装備は充実し、細部まで丁寧に仕上げられ、静的な充足感も高い。

プレミアム・ブランドとして、価格はお高め。しかし、それを納得させる仕上がりだ。

◯:エンジンを問わずパワフルで好燃費 いい意味で実際以上にゆとりを感じる 沢山のハードスイッチと高水準のインフォテインメント・システム
△:エントリーグレードは若干チープ やや上質さに欠けるディーゼルエンジン 淡白なステアリングフィール

アウディA3 スポーツバック TFSI(欧州仕様)のスペック

英国価格:3万4315ポンド(約659万円)
全長:4343mm
全幅:1816mm
全高:1415mm
最高速度:225km/h
0-100km/h加速:8.1秒
燃費:17.8km/L
CO2排出量:127g/km
車両重量:1410kg
パワートレイン:直列4気筒1498cc ターボチャージャー+ISG
使用燃料:ガソリン
最高出力:150ps/5000rpm
最大トルク:25.3kg-m/1500rpm
ギアボックス:7速オートマティック(前輪駆動)

こんな記事も読まれています

【新型を欧州で試乗】 BEV版とICE版の新型シトロエンC3 ヒット作の次はどんな戦略で?
【新型を欧州で試乗】 BEV版とICE版の新型シトロエンC3 ヒット作の次はどんな戦略で?
AUTOCAR JAPAN
BYDはEVだけじゃない! シールU PHEVへ試乗 ライバルはティグアンやRAV4 サスが柔らかすぎる・・
BYDはEVだけじゃない! シールU PHEVへ試乗 ライバルはティグアンやRAV4 サスが柔らかすぎる・・
AUTOCAR JAPAN
「盛りすぎ」感も漂う2ドアクーペ BMW M2 長期テスト(1) 路面の管理状態の悪さを実感
「盛りすぎ」感も漂う2ドアクーペ BMW M2 長期テスト(1) 路面の管理状態の悪さを実感
AUTOCAR JAPAN
いよいよステーションワゴン登場! BMW i5 ツーリングへ試乗 万能道具感は先代を超えず?
いよいよステーションワゴン登場! BMW i5 ツーリングへ試乗 万能道具感は先代を超えず?
AUTOCAR JAPAN
【7人乗りEV】 メルセデス・ベンツ新型「EQB」予約注文受付を開始 あらゆるライフスタイルにフィット
【7人乗りEV】 メルセデス・ベンツ新型「EQB」予約注文受付を開始 あらゆるライフスタイルにフィット
AUTOCAR JAPAN
車内空間、乗り心地、操縦性、どれも強み! ルノー・セニック E-テック 593kmのロングレンジ版へ試乗
車内空間、乗り心地、操縦性、どれも強み! ルノー・セニック E-テック 593kmのロングレンジ版へ試乗
AUTOCAR JAPAN
【FFと4WDの比率は8:2】 好調な台数推移の都会派SUV ホンダ新型ヴェゼル試乗
【FFと4WDの比率は8:2】 好調な台数推移の都会派SUV ホンダ新型ヴェゼル試乗
AUTOCAR JAPAN
【Sラインの魅力を】 アウディQ5/Q5スポーツバックに特別仕様車 Sライン・ダイナミックエディション
【Sラインの魅力を】 アウディQ5/Q5スポーツバックに特別仕様車 Sライン・ダイナミックエディション
AUTOCAR JAPAN
マイチェンで「歴代最強」 フォルクスワーゲン・ゴルフ R 試作車へ試乗 最高水準の魅力に揺るぎナシ!
マイチェンで「歴代最強」 フォルクスワーゲン・ゴルフ R 試作車へ試乗 最高水準の魅力に揺るぎナシ!
AUTOCAR JAPAN
2024年版 使い勝手バツグンで「走り」も良い欧州ミニバン 10選 合理的で快適な1台
2024年版 使い勝手バツグンで「走り」も良い欧州ミニバン 10選 合理的で快適な1台
AUTOCAR JAPAN
2.0Lターボで333馬力? スポーティに進化したVW「ゴルフR」まもなく発表へ
2.0Lターボで333馬力? スポーティに進化したVW「ゴルフR」まもなく発表へ
AUTOCAR JAPAN
フォルクスワーゲン・トゥアレグ 詳細データテスト 実直な大型SUV PHEVの経済性はそこそこ
フォルクスワーゲン・トゥアレグ 詳細データテスト 実直な大型SUV PHEVの経済性はそこそこ
AUTOCAR JAPAN
少しうるさい?ロータリーエンジン マツダMX-30 R-EV 長期テスト(3) 不調で車両交換
少しうるさい?ロータリーエンジン マツダMX-30 R-EV 長期テスト(3) 不調で車両交換
AUTOCAR JAPAN
「高級小型スポーツ」がパワーアップ! 直6ターボで480馬力 新型BMW M2クーペ、8月生産開始
「高級小型スポーツ」がパワーアップ! 直6ターボで480馬力 新型BMW M2クーペ、8月生産開始
AUTOCAR JAPAN
余裕と安心の「サイレント」スポーツ ベントレー 4 1/4リッター・ヴァンデンプラ(2) 創業者も認めた1台
余裕と安心の「サイレント」スポーツ ベントレー 4 1/4リッター・ヴァンデンプラ(2) 創業者も認めた1台
AUTOCAR JAPAN
車重1.5トン以下、スポーティな小型EV登場 アルピーヌ新型「A290」来年納車開始
車重1.5トン以下、スポーティな小型EV登場 アルピーヌ新型「A290」来年納車開始
AUTOCAR JAPAN
フェラーリ製V8をお手頃価格で! マセラティ・グランスポーツ UK中古車ガイド お安いだけの「理由」アリ?
フェラーリ製V8をお手頃価格で! マセラティ・グランスポーツ UK中古車ガイド お安いだけの「理由」アリ?
AUTOCAR JAPAN
【試乗記】トヨタクラウンスポーツPHEV 環境対応したスポーツの姿
【試乗記】トヨタクラウンスポーツPHEV 環境対応したスポーツの姿
Auto Prove

みんなのコメント

2件
  • hid********
    ホー
  • pri********
    内装の質感は残念なレベルだったので、どの程度改良されたか気になります。
    外観もMC前と比べて多少スッキリして好感が持てそうです。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

332.0468.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

19.945.0万円

中古車を検索
A3の車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

332.0468.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

19.945.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村