新型車比較・ライバル車対決 [2022.11.09 UP]
ホンダ新型ZR-Vをヴェゼルと比較! 走り&メカニズムで選ぶならどっち?
新型ZR-Vをヴェゼルと比較! キャラクターからホンダSUVの違いを読み解く
【ホンダ同門対決】HONDA 新型ZR-V vs ヴェゼル 先行比較
前回、クローズドコースでの試乗を紹介したZR-V。
今回は同じホンダSUVのヴェゼルとの比較を通して、
その資質に迫ってみよう。
●文:川島茂夫 ●写真:本田技研工業株式会社
※ZR-Vの写真はすべてプロトタイプ
走り&メカニズム
走りの質感に車格相応の違いあり! 選び分けの重要なポイントとなる
日常&実用のヴェゼル
長距離ランならZR-V
e:HEVの駆動モーター最高出力はヴェゼルの96kWに対してZR-Vは135kWである。ヴェゼルより車重は200kg以上重くなると予想されるが、それでもパワーウェイトレシオで比較すると、3kg/kW以上ZR-Vが勝っている。当然ながら、スペック上でも動力性能はZR-Vが圧倒している。
プロト車試乗で受けた印象でも、ゆとりも速さもZR-Vが格上。速度域に対する加速性能や余力の変化もヴェゼルより少なく、常用速度域が高まるほど差が開く。付け加えるなエンジン稼働中の回転数制御や騒音の低さなども、余力感とドライバビリティの心地よさとしてZR-Vが高評価になる。
ヴェゼルの動力性能は実用志向のコンパクトSUVとして十分なものだが、ZR-Vと比較してしまうとタウンユースでの使い勝手と経済性優先の印象が強く、高速長距離や山岳路走行の機会が多いならパワーに余裕を感じにくい。
フットワークについては性能というより質の違いを意識させる。
ヴェゼルは日常域とのバランスを取ったサスチューンを採用。ファミリー&レジャー用途に適したフットワークだが、ハンドリングの精度や高速域での安心感、乗り心地の据わり感などでZR-Vに及ばない。路面からの細かな振動の吸収も同様で、走りの質感の差は埋め難いものがある。
公道でのZR-Vのフットワークは不明だが、クローズドでのプロト車の印象では、引き締まったサスチューンだがしなやかなストロークを特徴とし、路面の凹凸をいなすのも巧み。硬めでしっとりとした乗り心地なのだ。硬すぎず安心感ある乗り味であり、高速長距離ではかなり期待できる。
結局、走りのほとんどの面ではZR-Vとヴェゼルには車格相応の差があり、両車の選び分けでは重要なポイント。とくに長距離レジャー用途の頻度が高いユーザーは要チェックである。
HONDA 新型ZR-V
●2ℓe:HEV
●1.5ℓターボ
e:HEVではエンジンは発電と直動走行を担う。シビックと同様の2ℓ仕様は余力感が高く、1.5ℓターボは下位仕様の感がある。
パドル式の減速セレクターで回生の強度を任意に操ることで、シフト感覚を楽しめる。
ドライブモードはノーマル/スポーツ/ECON(エコ)に加え、スノーも選択可能。
HONDA ヴェゼル
●1.5ℓe:HEV
ヴェゼルはe:HEVもガソリン車も1.5ℓ直4を搭載。特にe:HEVはコンパクトSUVとしては十分以上だが、対2ℓ仕様では分が悪い。
クロカン志向ではないが、一定の悪路踏破性を確保。レジャーでの安心感を高めている。
後輪の駆動は補助モーターではなく、本体ユニットからの動力分配で行われる。
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