トヨタはマニアックな空力デバイス好きという意外な事実
トヨタのクルマをディテールまで注目してみると、「エアロスタビラジングフィン」と呼ばれる小さなふくらみをテールレンズの脇やドアミラーのマウントベース部に見つけることができます。小さな突起ですが、これによって車体周辺に空気の渦を作り出し、それでボディを支えることによって操縦安定性を高めるというもの。カジキの体型にヒントを得たことでも知られているアイテムはすっかりおなじみです。
さらに、アルミテープをバンパー裏など貼り付けることでバンパー表面などの静電気を効果的に弱めてハンドリングを改善するというアイデアを実装したことが記憶に残っているという人も多いのではないでしょうか。このように近年のトヨタはエアロダイナミクスに斬新なアプローチをすることがあります。
そんなトヨタからまた新しい空力へのアイデアを実装したクルマが登場しました。それがレクサスのクーペ「LC」の特別仕様車“アビエーション(AVIATION)”です。
このクルマは空気の流れを運動性能や乗り心地に利用する「空力操安技術」に基づく専用のCFRP製リヤウイングを採用。通常、この手の空力デバイスはダウンフォースを強めることが狙いですが、このウィングは翼端部の形状を工夫することで、ボディの後方側面に沿って縦渦を発生させ「車両側面の空気の流れを制御、素早いヨーレスポンスと滑らかな車両姿勢の変化を実現」しているのだそうです。
エアレースパイロット・室屋選手の知見が活かされている
ヒントとなったのは航空機の主翼端部にあるウィングレットで、レクサスがスポンサードするエアロバティック・パイロットである室屋 義秀 選手との交流がきっかけなんだとか。室屋選手は2017年のレッドブルエアレースで年間チャンピオンとなるなど、日本を代表するエアロバティック・パイロットとして知られています。その知見や経験がレクサスLCのハンドリング向上につながったと聞くと、俄然気になってくるのではないでしょうか。
ちなみにレクサスと室屋選手の技術交流の模様は、ディスカバーチャンネルにてドキュメンタリーが放映中で(11月3日より全4回)。さらにレクサスの特設ページ(https://lexus.jp/brand/yoshihide_muroya/events/discovery_movie/)でも11月4日より配信中です。
なお、この専用リヤウイングはレクサスのスーパースポーツである「LFA」を生み出した工房で職人の手によりカーボンシートの織り目にまでこだわって仕上げられているといいます。ただし特別仕様車は限定70台ということですから、なかなかお目にかかることはできないかもしれません。
「LC500h/LC500 “アビエーション”」のメーカー希望小売価格は3.5LハイブリッドのLC500hが1546万円、5.0L V8エンジンのLC500が1500万円となっています。
文:山本晋也(自動車コミュニケータ・コラムニスト)
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