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俳優・永山絢斗の“ヤングタイマー”探訪記第2部「少年探偵団編」のVol.18─いすゞ・ピアッツァ(初代)

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俳優・永山絢斗の“ヤングタイマー”探訪記第2部「少年探偵団編」のVol.18─いすゞ・ピアッツァ(初代)

1970年~1990年代に販売された“ちょっと、古い、クルマ”に焦点を合わせ、クルマをこよなく愛する俳優・永山絢斗が当時の車両の正体を暴く“探偵”に扮します。永山探偵をサポートする“物知り少年”は自動車評論家の小川フミオ(少年O)とGQ JAPAN編集部のイナガキ(少年I)のふたり。今回取り上げるのは、いすゞの流麗な2プラス2モデル、初代「ピアッツァ」だ。

24歳が所有する初代ピアッツァ

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少年I 美しさが基本。

少年O 今日はパリっとスーツで決めて、ドレッシーですね。

少年I 今回取り上げるクルマはいすゞの初代ピアッツァです。当時の広告宣伝ではさかんに“美”というテーマが使われていました。おとなっぽい印象が強調されていましたね。

【前話】アストンマーティンDB5

少年O ピアッツァは、少なくとも日本のクルマ好きにとっては、衝撃的なクルマでした。デザインでここまでファンを生んだのは、あとはおなじいすゞの「117クーペ」と、日産「Be-1」にはじまるパイクカーでしょうか。

探偵 いまみても斬新なスタイルですよね。古さを感じません。

少年I オーナーの後藤和樹さんは24歳。

探偵 若い人にもピアッツァは響くんですね。

少年I 空間ディスプレイデザイナーとして活躍している後藤さん。在学中から、「社会人になったら、117クーペか、(いすゞ)FFジェミニか、(スバル)アルシオーネSVXを買おう」と、決めていたそうです。ジョルジェット・ジュジャーロのデザインが大好きだったそうです。この4台全部、ジュジャーロが手がけたものですね。

【俳優・永山絢斗の“ヤングタイマー”探訪記】
メルセデス・ベンツ500E
ランチア・デルタHFインテグラーレ
マセラティ・ギブリ(2代目)
メルセデス・ベンツGクラス(2代目)

少年O ジュジャーロの才能ぶりは、車型にかかわらず“傑作”をものにするところですね。いまも人気の初代フィアット「パンダ」やフォルクスワーゲンの初代「ゴルフ」といったハッチバックも、ロータス「エスプリ」やBMWの「M1」や映画でおなじみデロリアン「DMC12」といったウェッジシェイプのスポーツカーも、マセラティ「3200GT」やアルシオーネSVX、それに117クーペやピアッツァのようなスポーティテイストのクーペも、どれも魅力を失っていません。

【俳優・永山絢斗の“ヤングタイマー”探訪記】
日産PAO
スバル・レガシィ・ツーリングワゴン(初代)
ユーノス・ロードスター(初代)
ホンダ・NSX(初代)

衝撃的なデビュー

探偵 ピアッツァが登場したときは、衝撃的だったんでしょうね。私は1989年生まれなので、当時を知らないのですが。

少年O それは話題になりました。よく知られているように、ジュジャーロは当時「アッソ」(トランプのエースの意)シリーズというコンセプトを展開していたんです。そのうちの一つ、「アッソ・ディ・フィオーリ」として1979年に発表されたのが、のちのピアッツァ。1981年のジュネーブ自動車ショーに「ISUZU-X」としてお披露目され、同年秋の東京モーターショーで「ピアッツァ」として発表されました。アッソのときは、モックアップ(模型)みたいなものだからデザインがとんがっていても当たり前ととらえていましたが、実車もかなりコンセプトに近く仕上げられていたのには、ほんとうに驚きました。

探偵 ドリップモールのないプレスドアとか、空力デザインの最先端ですよね。

少年O おなじ年の東京モーターショーでデビューしたトヨタ「ソアラ」もやっぱりプレスドアと凝ったつくりでした。

少年I でもデザインセンスが明らかに違いますよね。

【俳優・永山絢斗の“ヤングタイマー”探訪記】
シトロエンCX
メルセデス・ベンツSクラス(W126)
ローバー・ミニ
フェラーリ360モデナ

少年O ちょっと複雑な話もあります。トヨタ自動車や日産自動車など大手自動車メーカーは、生産効率とか市場調査の結果などのデータに基づいてデザインを進めます。海外のデザイナーに依頼しても、さまざまな要件を勘案して、自社のデザイン部がオリジナルデザインをアレンジするんです。いっぽうで、それが出来ないメーカーもあります。そういうときは、基本、提案されたデザインをなぞって作ることに。ジュジャーロさんは、設計要件をとりあえず無視して提案することで知られていますから、いすゞ自動車のエンジニアはそうとう苦労したのでは。

少年I スバルのアルシオーネSVXにしても、デザイナーの意向をできるだけ尊重したモデルが、のちに“傑作”として評価されているので、自動車づくりってたいへんですねぇ。

ある種の新鮮さ

少年I 今回の1983年型ピアッツァEXのオーナーの後藤さんは、2019年に横浜で開催されたクラシックカーイベント「ノスタルジック2デイズ」で「イスズスポーツ」のブースに足を運び、(初代ピアッツァを)探していることを伝えたらスタッフのひとが、見つけてきてくれたそうです。1983年型は、運輸省(当時)の規制が緩くなって、フェンダーミラーからドアミラーに変更された年ですね。

少年O 1981年のモーターショーで見たときは「やっぱりフェンダーミラーかぁ」と、がっかりしたものです。クラムシェル型ボンネットやサッシュレスドアによる卵のようなシェイプを活かすには、フェンダーミラーではダメなんですよね。

少年I オーナーの後藤さんも、面で構成されたボディデザインがとても気に入っているとのことです。

探偵 内装もきれいだし、乗せてもらったら、よく走ります。トラブルは大丈夫なんでしょうか?

【俳優・永山絢斗の“ヤングタイマー”探訪記】
フォードRS200
フォード・エスコート(マーク1)
マツダRX-8
トヨタ・セルシオ(初代)

少年I ほとんどないとのことです。ピアッツァのこのグレードの特報だったデジタルメーターが、当初、点いていなかったそうですが、配線を見直したら、ちゃんと緑の光が点灯したといいます。

探偵 あのメーターの光、YMOをいまの映像で観たときの、ある種の新鮮な驚きと通じるものがありますね。

少年O 1970年代の終わり、YMOのステージで巨大なモーグIIICを操っているプログラマーの松武秀樹さんの存在など、いまのひとにはびっくりでしょうね。

探偵 そこがなんだかいいんです。エッジーなものって、そのときどきのクリエイターの情熱が詰まっていますからね。ピアッツァから受ける印象も“情熱”ですよ。

【俳優・永山絢斗の“ヤングタイマー”探訪記】
日産・フェアレディZ(2代目)
フォルクスワーゲン・ビートル(タイプ1)
メルセデス・ベンツ560SEC
フォルクスワーゲン・コラード
アストンマーティンDB5

少年I 取材中に見ていると、路上に置いた後藤さんのピアッツァに駆け寄って写真撮っているひと、けっこういました。

探偵 いつまでも夢のあるクルマなんですね。

【プロフィール】

俳優・永山絢斗(ながやまけんと)

1989年3月7日生まれ。東京都出身。2007年『おじいさん先生』(日本テレビ系列)で俳優デビュー。連続テレビ小説『おひさま』や『べっぴんさん』(NHK総合)、『ドクターX~外科医・大門未知子~ 第5シリーズ』(テレビ朝日系列)、そして2021年には『俺の家の話』(TBS系列)に出演。映画では2010年の『ソフトボーイ』で第34回日本アカデミー賞・新人俳優賞を受賞。

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まとめ・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.) スタイリスト・Babymix ヘア&メイク・新宮利彦

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みんなのコメント

10件
  • >>これ昔のカーグラかナビの企画パクってるな。

    >> 導入はカーマガジンのBOWのクラシックカー探検隊で、中身はNAVIのちょっと古い車ですね。

    ヤフコメではこんなの書かれてたwww
  • 稲垣さん、ヤフコメさんから。
    >> もっともらしいこと(もっともかもしれんが)言ってるけど、君達のような当時を知らない者達がいくら語っても、ネットで調べた知識をひけらかしているようにしか聞こえん。

    だそうです。オーナーさんは調べて学んで所有しているから言葉が重いと思いますが、所有もしていない私達の年齢(30代前後)で語ると上の世代の先輩からすると軽い言葉に聞こえて当然だと思います。
    子供の頃(2000年製造くらい)に走っていた車種なら見ていたり、親が乗ってたりしてそれなりに言葉が出てくるとは思いますが、、、薄っぺらいですよね。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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