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KTM「1290スーパーデュークR EVO」最新技術を武器にもうワンランク上の存在に

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KTM「1290スーパーデュークR EVO」最新技術を武器にもうワンランク上の存在に

 KTMのフラッグシップネイキッドは「1290 SUPER DUKE R(1290スーパーデューク・アール)」が担ってきましたが、そのさらに上をいく「1290 SUPER DUKE R EVO(エボ)」(以下、1290SDR EVO)が登場しました。一体なにが違うのでしょうか?

 そもそもこのシリーズは、2005年にラインナップされた「990 SUPER DUKE」に端を発します。当初、950ccだった排気量はその後1301ccへ成長。なのに「1290」という数字を車名に与えているところに、ちょっとした奥ゆかしさを感じさせつつも、ニックネームは「THE BEAST(野獣)」だったりして、猛々しい走りは実際その通り。2014年に送り出された初代「1290スーパーデュークR」は、完全にシロートお断りの乗り物でした。

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 ところが、2017年のマイナーチェンジで少しおとなしくなり、2020年のフルモデルチェンジでは完全に調教されて今に至ります。そこに加わった1290SDR EVOは、サスペンションが電子制御化され、フットワークが格段に良くなったところがポイントです。

 スタンダードの1290SDRには、前後にWP製のサスペンションが装備されています。セッティングは機械調整式で、ダイヤルやツマミを回すことによって好みの減衰力やプリロードに合わせることができました。

 一方、1290SDR EVOはWP製のAPEXセミアクティブサスペンションを採用。減衰力もプリロードも、すべてハンドルに備わったスイッチひとつで変更できる他、荷重の大小や路面の凹凸に応じて自動的に最適化されるAUTOモード(オプションのSUSPENSION PROパッケージ)も搭載され、すべての判断をバイクに委ねることもできるのです。

 選択できる項目は多岐に渡り、オプションも含めると減衰力だけで、COMFORT/STREET/SPORT/TRACK/ADVANCE/AUTOを用意。デフォルト設定された値に加えて、ライダーの好みに微調整が可能な他、アンチダイブ機構も作動するなど、すべての機能を把握するには、一週間くらいは掛かりそうです。

 ともかく至れり尽くせりな「野獣」ですが、短時間の試乗でも体感できたことは、そのアグレッシブなイメージとは裏腹に、ごく普通に扱えるフレンドリーさでした。

 シート高(835mm)だけは、体格に合うかどうかの確認が必要ですが、アップハンドルと自由度の高いライディングポジションのおかげで、姿勢は安楽そのもの。ハンドルの切れ角もたっぷりとあり、撮影のために繰り返すことになる狭いワインディングでのUターンも軽々と行えます。

 エンジンの出力特性はきちんとしつけられ、まるでミドルクラスの2気筒のようにコロコロと穏やかに回ってくれます。1気筒あたりの排気量は650.5ccでピストン径はφ108mmに達しているため、普通ならガツガツとした爆発フィーリングが伝わってきそうなところですが、そうした野蛮さは皆無。最もアグレッシブなライディングモードであるTRACKを選択しても大きくは変わらず、昨今のKTMは超ビッグボアでもスムーズに回転させるノウハウを完全にモノにしたようです。

 最高出力は180PS/9500rpmを発揮する一方、車重は200kg(燃料なし)ほどに過ぎません。もちろん、右手を大きくひねった時の加速力は過激と言ってもよく、とくに8000rpm前後からは豹変。各種デバイスの介入度を弱めれば、たとえトップギアに入っていたとしてもフロントタイヤはフワリとリフトしようとします。

 このように低回転域の滑らかなトルクと、高回転域の豪快なパワーを自由に行き来できるキャラクターは見事であり、そこに電子制御サスペンションによる路面追従性がプラスされるのですから、スポーツネイキッド最強最速の1台と言って良いでしょう。

 クロモリのパイプフレームとエッジの効いたパッケージはいかにもKTMらしく、他の何にも似ていないデザインを実現。いつまでもトガッていたいライダーにとって、見逃せない存在ではないでしょうか。

※ ※ ※

 KTM「1290 SUPER DUKE R EVO」の価格は249万9000円(消費税10%込み)です。

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