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納車遅れ&中古車高騰? 新車は待つより今が安い!値段はこの先も上がる理由を解説

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納車遅れ&中古車高騰? 新車は待つより今が安い!値段はこの先も上がる理由を解説

今こそ新車を買うべきタイミング!?
深刻な納車遅れによって、新車販売が真綿で首を締められるように、じわじわと厳しい状況になっています。その原因とされるのは、半導体不足、新型コロナウイルス、ウクライナ侵攻、そしてインフレです。

今は新車を買えるような経済状況にない、という方もいらっしゃるかもしれませんが、もし新車購入予算があるというのであれば善は急いだほうがいいでしょう。いまこそ新車を買うべきタイミングです。

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その理由は、いまが一番安く買える、といえるからです。

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半導体不足は米中貿易摩擦から始まった
世界的には2020年から始まったとされる半導体不足の元凶は米中貿易摩擦にあったとされています。2019年に米国が中国からの半導体調達に制限をかけたことで、それまでのサプライチェーンにある種の混乱が生じました。

そして2020年に新型コロナウイルスがパンデミック状態となり、世界的に物流が大きく乱れます。日本では旭化成やルネサスといった大手企業の半導体製造工場で火災が発生したのも半導体不足に拍車をかけます。

さらにウィズコロナでの新しい生活様式が生んだ「巣籠(すごもり)需要」によって半導体を用いるパソコンやタブレットなどへのニーズが高まったことも半導体不足の要因といわれています。

世界ではモノの値段の急上昇が止まらない
いずれにしても、いまのクルマは多量の半導体がなければ成立しませんから、世界的な半導体不足は、新車の製造に直結します。自動車各社は生産能力に対して低めの目標を設定することが多いのですが、それは「売れない」からではなく「作れない」ためなのです。

自動車業界を取り巻く苦境はそれだけではありません。新型コロナウイルスの流行によってグローバルな物流が乱れ、「思うように運べない」「運べたとしても運賃が高い」という状況になっています。ロシアによるウクライナ侵攻も、こうした状況に追い打ちをかけるものとなっています。

そうした、もろもろの結果として世界的なインフレに見舞われているわけです。たとえばイギリスでは2022年7月のインフレ率が前年同月比10%を超え、庶民の生活を直撃しています。アメリカの消費者物価指数も前年同月比で8%を超える状況がつづいています。

日本では前年同月比2%台のインフレとなっているので実感しづらいかもしれませんが、世界的にモノの値段が急上昇しているのです。

日本でも新車価格が上昇中! RAV4の場合
当然ながら、自動車というのはグローバル商品ですから、インフレの影響を受けます。日本の商習慣として、自動車はメーカー希望小売価格を基準にした取引となっていますから、リアルタイムに価格が変動するということはありませんが、商品改良やマイナーチェンジの前後で比べると、新車価格はじわじわ上昇しています。

たとえば2022年10月に商品改良を実施した「トヨタ RAV4」の価格帯は、293万8000円~563万3000円となっていますが、改良前の価格帯は277万4000円~539万円でした。イメージとして5%程度の価格上昇となっています。

さらに商品改良によってプラグインハイブリッド車は、PHVというサブネームがなくなり、ひとつのグレードという扱いになりましたが、改良前のRAV4 PHVの価格帯が469万円~539万円だったのに対して、改良後は563万3000円のモノグレードとなりました。仕様が異なるので単純な比較はできませんが、RAV4のプラグインハイブリッド車についてはエントリー価格が2割増しになったという見方もできます。

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日本でも新車価格が上昇中! フィットの場合
先ごろマイナーチェンジを実施して、ハイブリッドのパワーアップやガソリンエンジンの排気量アップ(1.3L→1.5L)など大きく進化した「ホンダ フィット」も価格上昇している印象です。

マイナーチェンジ前の価格帯は155万7600円~259万1600円でしたが、マイナーチェンジ後は159万2800円~266万4200円。商品としてもアップデートしているので、単純にインフレ対応で価格を上げただけではありませんが、ベーシックなコンパクトカーであっても当たり前のように価格が上昇していく時代がやってきたというわけです。

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自動車の価格上昇トレンドはしばらく続きそう
インフレが進むと需要が冷え込み、景気減速につながるので、そうなると価格上昇トレンドにもストップはかかるでしょうが、少なくとも自動車業界においては商品改良によって価格を上げるという流れはしばらく続くと思われます。

それは工場稼働率とも関係します。冒頭で記したように半導体不足によって自動車の生産量はかつてに比べて減っていますが、それは工場の生産能力を使い切っていないということです。基本的に稼働率が下がるとコストが上がりますから、生産増が見込めないのであれば一台あたりのコストを増やしていくことになります。

簡単にいえば、年間の生産台数が1000万台だろうが、900万台だろうが、工場の設備や人件費といったコストはさほど変わりません。商売として続けていくためには新車の販売価格を上げることが必要になるわけで、価格上昇トレンドはしばらく続くと考えられます。

自動車では、まったく同じ商品を変更なしに価格改定するというケースは少ないかもしれませんが、価格を維持するためには仕様をグレードダウンするなどマイナス方向の商品改良が実施されるかもしれません。多くのケースでは、RAV4やフィットの例でもわかるように同等グレードの価格が数%の単位で上昇するという手法をとることでしょう。

年5%上昇すると、200万円のクルマは2年で20万円値上がりする
仮に毎年のマイナーチェンジで5%の価格上昇をしていくとどうなるでしょうか。

200万円のクルマが、翌年には210万円、その次の年には220万5000円になってしまいます。ここまでの勢いで価格が改定されると断言はできませんが、グローバルなインフレを見ていると、あり得ない話とも言い切れないと感じます。

半導体不足などの影響で新車の納期が伸びている昨今ですから、クルマの買い替えは様子見という方が多いかもしれませんが、新車に乗り換える意思があるなら、少し早めに動くというのが結果的には好判断となるかもしれません。

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文:山本 晋也
写真:
1枚目:ホンダ フィット
2枚目:トヨタ RAV4
3枚目:トヨタ ハリアー

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