走行約10万キロの中古「R33GT-R」が大変身！ ニスモ大森ファクトリーのデモカーは究極の「グランドツーリングカー」

R33が持つ性格を伸ばし静粛性もさらに向上している

　前出のR32デモカーに続き、大森ファクトリーが新たに着手したのがBCNR33である。2015年の本誌121号で初めて詳細が明かされたこのプロジェクトは、「R33GT-R生誕20周年」に合わせて企画されたものであった。

（初出：GT-R Magazine 133号）

デモカー製作のため購入したユーズドR33を完全分解

　ニスモのR33と言えば、かつて99台限定で発売されたコンプリートカー「400R」を思い浮かべる方も多いだろう。現在も同社にはイエローのボディカラーを纏ったデモカーが存在しているが、今はナンバーを抹消して動態保存されているため、“走れるデモカー”として中古のR33を導入。1996年式の中期型Vスペックで、走行9万1000kmという標準的なコンディションの個体であった。

　まずは、R32同様にボディを完全分解。大森デモカーの象徴であるダークメタルグレーへとオールペイントが施された。車両コンセプトもR32同様「大人のグランドツーリングカー」。第2世代GT-Rの中でも最もホイールベースが長く、居住性も高いというR33の素地を伸ばす方向で企画が進められた。

R33に精通した熟練メカニックの手で組み上げられた

　R32に対してボディ各部の剛性が強化されたR33は、ノーマルでも高いポテンシャルを発揮。見た目は大きくなったが、ベースのポテンシャルは確実にR32を上回っている。こちらの車両製作を担当したのは大森ファクトリーの森田祐介メカニック。自身も元ECR33オーナーであり、本企画に先駆けユーザーカーの400Rのフルレストアも担当している。大森ファクトリーのメカニックの中で、特にR33に精通している人物だ。

「R32同様に、大人の方でも満足できるデモカーを目指して製作しています。車両を分解して各部の劣化を検証した後、純正部品を確保することから始めました。32よりも製廃部品は少ないと思っていたのですが、オーダーをかけてみると意外となくなっているパーツが多いことに驚きました。今後の代替案を模索するという意味でも、この33を製作した意義は大きかったと思います」

「ボディ補強に関しては、33から34にモデルチェンジした際の補強部位などを参考に、剛性を上げるパーツを試作して装着しました。当店のデモカーは中期型がベースですが、前期や後期など同じ33でも細かい部分で違いもありますので、今後はそれぞれの互換性や流用なども視野に入れてお客さまに還元できればと思っています」と語る。

R32で得た知見を活かし大人も満足できる上質なフィールに

　R32同様、フロア回りや天井には吸音・断熱シートを追加。R32よりもさらに一歩進んだ施工を施すことで、静粛性はさらに高められている。グランドツーリング仕様を睨み、足まわりはオーリンズ製の車高調整式ダンパーにスウィフト製の直巻きバネを組み合わせる。また、アームやリンク類などに備わるブッシュは、普段の乗り心地を考慮して強化ではなくすべて純正ゴムブッシュを用いている。

　その走行フィーリングはノーマルよりも明らかにソフトでスムース。室内に入ってくる不快な騒音も少なく、エンジンとマフラーの心地良いサウンドのみが耳に届くといった印象。普段乗りには最適なR33と言っていい仕上がりだ。

（この記事は2017年2月1日発売のGT-R Magazine 133号に掲載した記事を元に再編集しています。デモカーの仕様などは取材当時のものです）

【R33 GT-R グランドツーリング仕様】●ボディ・ボディカラー：ダークメタルグレー・フロントタワーバー：OMORI チタンタワーバー・補強バー：NISMO アンダーフロア補強バー（フロント／センター）・バルクヘッド：OMORI ガセット貼り込み（ドライカーボン）・リヤショック補強プレート：OMORI チタン・パフォーマンスダンパー：NISMO（前後）●サスペンション・ホイール（18インチ）：OMORI LM GT4 OMORI FACTORY SPEC マシニングロゴ Ver.・タイヤ：YOKOHAMA ADVAN SPORT V105・ショック＆スプリング：OHLINS HALコンプリート（車高調整タイプ）バネレート変更・スタビライザー：NISMO（前後）・サスペンションリンク：STD●ブレーキブレーキシステム：OMORI NISSAN GT-R用純正bremboブレーキキット●インテリア・シート：OMORI 本革＋アルカンターラ張替・ステアリング：NISSAN BNR34純正・シフトノブ：NISMO GTシフトノブ（チタン製）・フロアカーペット：STD 張替・フロアマット：NISMO 5マット仕様・ルーフライニング：OMORI 張替・吸音シート・フロア：OMORI フロア吸音・断熱キット・ルームミラーカバー：NISMO カーボン製

※2017年当時の仕様

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5年前の記事コピペかよ