話題のHonda eなどに搭載される注目の新技術
ホンダの電気自動車「Honda e」の重要な開発キーワードは『街なかベスト』というもので、小回りにつながる大舵角のステアリング系や、ピュッと加速する電動パワートレインは、まさしくコンセプトを実現するために欠かせないメカニズムといえる。
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そんなHonda eに市街地で試乗すると驚くのは、メーター内に赤信号の待ち時間の目安が表示されること。そのほか次の信号が青のうちに通り抜けるための適切な速度指示をしてくれたり、赤に変わることを予測するとアクセルオフをするように指示してくれたりする。
これは「信号情報活用運転支援システム」と呼ばれるもの。光ビーコンによって信号情報を共有することで、実現している運転支援テクノロジーだ。ホンダの説明を引用すると次のとおりだ。 『信号が変わるタイミングをデータ化した信号予定情報は、道路に設置された光ビーコン路側器を通じて配信されています。Hondaの信号情報活用運転支援システム対応車は、車載器が光ビーコン路側器からの今後の信号予定情報を受信。ナビゲーションシステムに内蔵したECUで、停止線までの距離や車速データなどを加味して情報を処理し、青信号で通過できるのか、できないのかを判断します。その判断に基づき、適切な情報をメーター内に表示します』 信号を管理している交通管制センターの情報とナビシステムによる自車位置や速度といった車両情報から、この先にある信号を青で通過できるのか、赤で停止しないといけないのかを導き出し、ドライバーに教えてくれるという機能というわけだ。
市販カーナビでも利用できる機種が存在している!
しかし、ホンダが独自に信号情報を得ているわけではない。警察庁が中心的存在となって整備・普及を目指している、新交通管理システム(UTMS)による機能として信号情報の伝達というのは実現されている。
アルファベットでは『TSPS(Traffic Signal Prediction Systems)』と記されることもある「信号情報活用運転支援システム」の目的は、ゆとりある運転を促すことで、急発進や急停車による交通事故を減らすことにあるという、規格化されたサービスなのである。
おもな機能は次の3つ。 信号通過支援(青信号ままスムースに通り抜ける推奨速度情報の提供) 赤信号減速支援(この先の信号が赤に変わるのに合わせて減速を促す) 発進遅れ防止支援(赤信号で停車中に青に変わるタイミングを教える) このように警察庁のリーダーシップによって規格化されている機能ではあるが、その恩恵にあずかれるクルマは数少ない。冒頭でHonda eのTSPSについて触れたが、そもそも市販車に最初に搭載したのは2016年にデビューした先代アコードだったりする。その後、フリード/フリード+にも採用されるなどしたが、ホンダのなかでもけっして全車搭載という勢いで普及が進んでいるわけではない。まだまだ限定された機能という状態だ。
さて、前述したようにTSPSは情報提供に光ビーコンを使っている。このことから、勘のいい方ならおわかりのように、この「信号情報活用運転支援システム」は一部のETC2.0車載器でも利用することができる。
具体的には、パナソニック、JVCケンウッド、三菱電機のカーナビに、対応したETC2.0車載器を組み合わせることで、カーナビの画面上に赤信号のカウントダウン機能を表示したり、赤信号減速支援を音声により行ったりすることができるようになっている。さらに一部のメーカーではヘッドアップディスプレイと連携させることも可能で、じつに未来的な情報表示が可能になっているのはうれしい。
というわけで、信号情報活用運転支援システムは私企業が独自にやっているものではなく、警察庁が、スムースな交通を目指して規格化しているものである。そしてそれは、ホンダ車でなくとも後付けによって活用することができるのだ。
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みんなのコメント
赤になるタイミングが分かったところで、大したメリットは享受できない。