フォルクスワーゲンのミドルサイズSUV「ティグアン」がビッグマイナーチェンジを受けた。小川フミオがリポートする。
変更ポイント
フォルクスワーゲンのSUV「ティグアン」が、フロントマスクの変更をはじめとするマイナーチェンジを受け、5月12日に発表された。
荷物がたっぷり積めて、4人のおとながゆったり乗れるのが、ティグアンの魅力。新しいかたちのセダンとして、ファミリーにも、ゴルフやサーフィンなどを趣味とする人にも、勧めたいモデルだ。
発売と同時ともいえるタイミングで試乗したのは、1.5リッター直列4気筒ガソリンターボ・エンジンを搭載する「ティグアンTSI R-Line」だ。走りも作りも、クオリティの高さが印象に残るモデルだった。全長4515mm、全高1675mmのボディに、(従来の1394ccエンジンに代わり)1497cc直列4気筒エンジンを搭載した前輪駆動車で、期待いじょうに操縦が楽しめる。
あたらしいティグアンは、全長が15mm伸びた。従来の6段オートマチック変速機は、7段DSG(2ペダルのツインクラッチ変速機)へ。フロントマスクは、マトリックスLEDヘッドライトの採用とともに、大きなエアダム一体型バンパー採用と、アグレッシブな雰囲気が強くなった。SUVとしてこの変更は正解のように思う。
さらに、今回は運転支援システム「トラベルアシスト」が搭載された。従来の渋滞時追従支援システム「トラフィックアシスト」を“さらに進化させた”と、フォルクスワーゲンはうたう。ステアリング・ホイール上のボタンひとつで、先行車の追従走行と、走行レーンを維持するシステムが作動するのだ。
インフォテインメントシステムも進化している。オンラインサービスとして提供されている「We Connect」とともに作動させることで、渋滞などの情報をはじめ、スマートフォンの操作で窓の開閉やドアの解錠・施錠なども行えるようになった。
ポルシェに近いかも
ティグアンはそもそも、「もっとも成功しているフォルクスワーゲンのモデルのひとつ」とされ、じっさい、欧州ではベストセラーになっている。日本には2017年に導入。
これまではちょっと地味な印象だったものの、ヘッドランプとバンパーの意匠変更によりシャープな印象が強くなるともに、クロームの装飾で、強い存在感を放つ。
「TSI」の1.5リッターエンジンは、110kW(150ps)の最高出力と、250Nmの最大トルクなので、数値的にはさほど大きな特徴はない。でも乗ると、瞬間的に“これはいい”と、声をあげたくなるほど、ステアリングといいサスペンションといい、車体のバランスといい、きれいにチューニングされているのだ。ひとことでいって、楽しく、そして上質。1675mmの車高も、1520kgの車重も、高すぎるとも重すぎるともまったく意識させない。
アクセルペダルの踏みこみへの応答性がいいし、カーブを曲がるとき、ボディのかたむきの制御がじつによい。ステアリング・ホイールは操舵感が軽く、かつ、路面からのキックバック(たとえば荒れた路面だとショックが手に伝わってくること)がきれいに遮断されているのが特徴だ。
それでいて、路面の状況をていねいにドライバーの手のひらに伝えてくれる。これにはいたく感心した。ポルシェほど繊細ではないかもしれないけれど、しかし、ポルシェに近いといっていいほど、すばらしい感覚なのだ。
フォルクスワーゲンの底力を感じさせるモデル
おなじグループ企業のアウディも、最新の「Q3」や「Q5」といったSUVを含めてステアリング・フィールが劇的に気持ちよくなっていることを、私は思い起こした。背が高い機能主義的ともいえるスタイルのSUVでありながら、あたらしいティグアンは、とにかくドライブが楽しめるクルマに仕上がっている。
エンジン音は低く抑えられているし、サスペンション・システムは路面の凹凸をきれいに吸収してくれるので、乗り心地は快適。かつ先に触れたとおり、カーブなどでの敏捷性には感心するばかり。
試乗車にそなわっていた、オプションのアダプティブシャシーコントロール「DCCパッケージ」(22万円)の働きが大きいはずだ。これはダンパーの減衰力や電動パワーステアリングの特性を瞬時にコントロールするもの。もしティグアンを買うなら、「R-Line」に設定されているこのオプションは、なにがなくとも、注文したいとまで思った。
ステアリング・ホイールは立体的なグリップ形状をもつ革巻きで、使いやすい。スポーティな印象が強い形状で、ホールド性のいいシートとともに、このモデルの乗り味によく合っている。運転が好きなひとも、飽きないのだ。
1.5リッターエンジン搭載の前輪駆動「ティグアンTSI」モデルは、407万9000円から。トップモデルの「TSI R-Line」の価格は503万9000円だ。今回同時に2.0リッターの4WDでパワフルな「R」(684万9000円)も設定された。
「ティグアンR」にはまだ乗っていないので断定的なことは言えないものの、「TSI R-Line」でもじゅうぶん楽しめるはず。
電動化へと大きく舵を切ると言明しているが、フォルクスワーゲンの内燃機関自動車の底力を感じさせるモデルだ。
文・小川フミオ 写真・小塚大樹
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