タイ国からの輸入車で、日本で唯一正規販売されるピックアップトラックとして2017年の登場以来予想外の人気となっているトヨタハイラックスがこのほど、一部改良された。
ハイラックスはこの一部改良で、標準系ではベーシックなXグレードが自動ブレーキなどの予防安全装備の標準化、上級のZグレードはエアコンの左右独立温度コントロール機能の追加が行われ、噂になっていたGRスポーツも加わった。ここではZグレードベースとなる、ハイラックスZ GRスポーツを紹介していく。
文/永田恵一、写真/トヨタ
【車名当てクイズ】この名車、迷車、珍車、ご存じですか? 第7回
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■GRにおけるGRスポーツのポジションは?
トヨタのスポーツブランドであるGRのモデルは、最初から本格的なスポーツモデルとして開発されたGRヤリス、GR86(スープラも含む)、既存車のコンプリートカーは上からGRMN、GR、GRスポーツの3つが揃う。
コンプリートカー各々のポジションはGRMN=エンジン本体、過給機の追加、トランスミッションの変更とパワートレーンにも本格的に手が入った限定車となるハイエンドのコンプリートカー、GR=パワートレーン以外にブレーキシステムにも手が加えられるなどGRMNのエッセンスが強く盛り込まれた量販コンプリートカー、GRスポーツ=手を加える箇所を絞ったエントリーコンプリートカー、といったイメージだ。
■ハイラックスZ GRスポーツのノーマルからの変更内容
部分ごとに見ていくと、
ハイラックスGRスポーツ。数々の専用装備を身にまとい、タフさに加えてスポーティさを前面に押し出した仕様となっている
●エクステリア
・専用TOYOTAロゴ入りグリル
・専用フロントバンパー(専用フロントバンパーにより全長は5340mmから5320mmに短縮)
・Zグレードとは加飾が異なるヘッドライト
・専用オーバーフェンダー(オーバーフェンダーにより全幅は1855mmから1900mmに拡大)
・ブラック塗装のドアミラー(Zグレードはメッキ加飾)
・カラードドアハンドル(Zグレードはメッキ加飾)
・グロスブラック塗装リアバンパー(Zグレードはメッキ加飾)
・フロント、サイド、リアに付くGRエンブレム
・シャークアンテナ(アンテナはルーフ前方に付くポールタイプのZグレードに対し、アンテナの分でGRスポーツの全高は1800mmから1840mmと40mm高い)
リアスタイル。標準モデルがメッキやメタル感を押し出しているのに対して、GRスポーツはブラックアウトさせてシックにまとめている。ボディカラーもホワイトとブラックの2色のみの設定だ
ボディカラーはスーパーホワイト2とラティチュードブラックマイカの2色だ。
●インテリア
・パドルシフトの追加
・センターの目印付専用ステアリング
・センターディスプレイにGRロゴのオープニングが出る専用メーター
・GRロゴ入りパーフォレーション付ブランノーブ+合皮シート
・アルミペダル
・専用シフトノブ
・ナビ機能付きディスプレイオーディオ
・ノーズからの前方、ドアミラーからの側面、俯瞰が映るパノラミックビューモニター
コックピットもドライバーをその気にさせる専用増備や加飾が満載だ。本革巻きステアリングにはセンターを示す赤いラインが入るとともに、なんとパドルシフトまで装備される
■専用サスペンション装着で乗り心地改善か?
●機能面
・ダンパーがモノチューブとなる専用サスペンション(ステアリング応答性向上とフラットで快適な走りが実現されているとのことなので、ハンドリングに加えて標準車では劣悪な乗り心地の改善にも大いに期待したい。なお、最低地上高は215mmと標準車と変わらない)
・ブラック塗装+切削光輝となる18インチホイール(タイヤサイズは265/60R18とZグレードの265/65R17からインチアップされ、GRスポーツの車重はZグレード+10kgとなる2110kg)
・GRロゴ入りのレッド塗装キャリパー(キャリパー自体は標準車と同じ)
写真ではわからないが足回りにも専用パーツが組み込まれる。専用サスペンションはもちろん、標準車より1インチ拡大した18インチタイヤも装備する
と、ハイラックスのGRスポーツは内外装のドレスアップに加え、オンロードでの走行性能向上を目指し、サスペンションとタイヤに手が加えられているようだ。
トヨタの本格クロカンSUV系では最近フルモデルチェンジされたランドクルーザーにもGRスポーツがあるが、同じGRスポーツでもランドクルーザーはダカールラリー参戦からのフィードバックにより悪路走破性向上のためのメニュー中心となっているのとは対照的で面白い。
価格はZグレードの388万2000円に対し、GRスポーツは431万2000円と43万円高い。しかし、43万円の差額にはざっと20万円分と考えられるナビ機能付ディスプレイオーディオとパノラミックビューモニターも含まれ、GRスポーツ分は23万円と内容を考えればリーズナブルなので、今後ハイラックスはGRスポーツが売れ筋となるかもしれない。
■まとめ
17年当初は試験的な感もありながら導入されたハイラックスが日本でも予想外の人気となり、GRスポーツまで加わったのは非常に喜ばしいことである。
GRスポーツの一員として見た目だけでなく、走りの資質アップも図られている。標準車に対し43万円アップだが、とても魅力的なモデルに仕上がっている。最多量販モデルになる日も近い!?
また、ハイラックスに非常に近いピックアップトラックとして北米で販売されるタコマには、車高を上げてオールテレーンタイヤを履くなど悪路走破性を向上させたTRDプロといったグレードがあり、ハイラックスにも次の進化としてこういったグレードの追加も望みたいところだ。
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