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ハリアーの4割しか売れてないCX-60……新型CX-80はどうなる!? そもそもCX-8終売の判断は正しいのか!?

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ハリアーの4割しか売れてないCX-60……新型CX-80はどうなる!? そもそもCX-8終売の判断は正しいのか!?

 CX-8の終売が確定となった。質感の割に300万円台前半~と超バーゲンプライス。しかも3列シートかつSUVと今が旬!! といっても過言ではないモデルであった。後継モデルは出るモノの、この価格。そして内容を考えると、ホントに終売していいのか!?

文:渡辺陽一郎/写真:ベストカーWeb編集部

ハリアーの4割しか売れてないCX-60……新型CX-80はどうなる!? そもそもCX-8終売の判断は正しいのか!?

■新型CX-80は全幅1970mmのCX-90ベース……デカすぎやしないか

ミニバン市場から撤退後にマツダが提案した新ファミリーカー。デザインや価格、そしてディーゼルゆえの低燃費からバカウケしたCX-8

 マツダは2012年に、魂動デザインとスカイアクティブ技術に基づく初代(先代)CX-5を発売。その後も世界的な流行に沿って、SUVに注力中。マツダは国内でOEMを除くと10車種を販売するが、この内の6車種をSUVが占める。

 そしてこれから登場するマツダの新型車にCX-80がある。CX-60と同じく、エンジンを縦置きにした後輪駆動のプラットフォームを使う3列シートのSUVだ。

 つまりCX-60のロング版といえるが、実際の開発では、北米で販売されるCX-90の幅を狭めた仕様にする可能性が高い。

 マツダでは3列シートのSUVとしてCX-8も用意するが、これもCX-5のロング版ではなく、北米で売られるCX-9の全幅を狭めて開発されていたのだ。

 新型CX-80の導入について販売店に尋ねると「CX-8は2023年12月に生産を終える予定だ。現時点(2023年9月上旬時点)では受注しているが、年内に生産する台数に達した段階で終了する。この後、CX-8と入れ替えに新型車のCX-80を導入するが、その時期はメーカーから聞いていない」。

 このコメントから分かる通り、CX-8は新型CX-80の発売前に生産を終える。CX-60はCX-5と併売されているが、CX-8とCX-80はそうならないのだ。

■CX-60伸び悩み中……最大の要因は全幅か!?

直6ディーゼル、しかも後輪駆動とクルマ好きが唸るスペックのCX-60。だが、大ヒットとはなっていないのが現状

 そこで気になるのが、CX-8をCX-80に切り替えて大丈夫か? ということだ。CX-60の発売は2022年だから設計が新しいが、販売は好調とはいい難い。

 2023年1~6月の1か月平均は2917台で、新型車なのにハリアーの約40%だ。CX-5よりは多かったが、2023年7月の登録台数は、順位が逆転してCX-5よりも少ない。

 なぜCX-60の販売は伸び悩むのか。販売店に尋ねると「CX-60は全幅が(1890mmと)ワイドだ。そのために運転しにくいとか、車庫に収まらないという理由で、購入を諦めるお客様もいる。またダンナさんが購入に乗り気でも、奥様の許可が出ないこともある」。

 CX-5も全幅が狭くはないが1845mmだ。それがCX-60の1890mmになると、確かに印象が変わる。

 CX-60を試乗した時に、量販店の駐車場に入れてみると、車庫入れに加えてドアの開閉にも気を使った。

 またCX-60の全長は4740mmで、CX-5の4575mmに比べると165mm長いが、車内の前後方向の広さに大差はない。

 CX-60はエンジンを縦向きに搭載する後輪駆動車だからボンネットが長く、全長が伸びた割に、室内の前後長には差が生じないのだ。

 つまりCX-60の実用性はCX-5に近いのにボディは大きい。特に全幅の違いは、街中の運転感覚や駐車のしやすさ、乗降性に大きな影響を与えるからシビアに判断される。

■さらに全幅拡大の予感!! されど居住性アップならず!?

新型CX-80のベースモデルとなるCX-90。カッコイイのだが、なにせデカい。CX-80はこのナロー版となるのだが、このサイズ受け入れられるのか

 そしてSUVが高い人気を得た一番の理由は、外観のカッコ良さや運転の楽しさと、快適な居住性、余裕のある荷室などの実用性を両立させたことだ。

 CX-60はCX-5に比べて、カッコ良さと運転感覚では注目されるが、実用性は見劣りする。両車は一長一短だから共存も可能になった。

 言い換えれば、CX-60と引き替えにCX-5を廃止すると、ラインナップに不足が生じる。そこはCX-8とCX-80も同様だ。CX-8はCX-80を投入した後も必要な商品だろう。

 新型CX-80はCX-90をベースに開発されるから、全長は5100mm、ホイールベース(前輪と後輪の間隔)も3120mmと長くなりそうだ。問題は全幅で、CX-90は北米仕様だから1970mmに達する。

 これをCX-60と同じ1890mmに抑えられるのか。マツダのある関係者は「CX-60よりも少しワイドで、1900mmを超える可能性もある」という。仮にそうなると、CX-8の1845mmと比較したら、70mm前後は広がってしまう。

 そしてCX-80の全長がCX-90と同程度なら、5100mmだからCX-8との差は175mmだ。

 これはCX-60とCX-5の違い、即ち165mmに近いため、後輪駆動の採用に伴うボンネットの拡大に費やされ、室内はあまり広がらないかも知れない。そうなるとCX-60とCX-5が併売されているように、CX-80とCX-8もその必要がありそうだ。

■乗り心地極上仕様か!? 本命は新型CX-80だった

 結局のところ、日本でCX-80が堅調に売れるか否かは、全幅によるところが大きい。日本ではCX-60の1890mmが限界で、1900mmを超えると一気に売りにくくなる。

 仮にCX-80の全幅を1890mmに抑えられると、商品力に対する期待も高まる。CX-60では、4WDの乗り心地の硬さが指摘されたが、CX-80のホイールベースがCX-90と同じ3120mmとすれば、CX-60よりも250mm長い。

 足まわりの設定も3列シートSUVに相応しいものになるから、ステアリング操作に対する反応がCX-60に比べて穏やかでも、乗り心地は大幅に向上する。

 つまり後輪駆動の本命はCX-80で、CX-60はスポーティなショート版に位置付けられる可能性もある。そうなればCX-60の機敏な操舵感と硬めの乗り心地も納得できるだろう。

 ちなみに2023年1~6月におけるCX-8の1か月平均登録台数は1424台であった。

 売れ筋価格帯が350~450万円の高価格車では堅調だが、CX-8とCX-80の二本立てにすると、両車の売れ行きが不足して共倒れになる可能性がある。

 そこで本来なら両車を共存させて欲しいところだが、現実はCX-80を発売する代わりにCX-8は廃止されてしまうのだった。

■素ディーゼルは430万円!? CX-60よりちょい高めに

 新型CX-80では、価格が大切だ。CX-8に2.5Lノーマルガソリンエンジンを搭載する25Sスマートエディションは、332万3100円になる(300万円を下まわる25Sは装備が乏しく推奨できない)。

 それがCX-80では、プラットフォームの上級化などにより、同等の装備を採用する2.5L搭載車が370万円前後だろう。

 直列6気筒3.3Lクリーンディーゼルターボ搭載車は、ハイブリッドの機能を備えないタイプでも430万円くらいに達すると思われる。

 この価格はベーシックな仕様だから、装備の充実する売れ筋グレードは、さらに40万円ほど高まりそうだ。

 ガソリンエンジンが410万円、ディーゼルは470万円の水準だ。以上のようにCX-80をCX-8の後継として投入するなら、全幅を1900mm未満に抑えて、価格もなるべく安く抑える必要がある。

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みんなのコメント

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  • ハリアーの4割売れたら大ヒットだろ!
  • 渡辺、国沢のホンダ、マツダ叩きはいつものこととはいえ…ハリアーの4割はけっこうすごいことだと思うぞ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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