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より上質になったSUVは大ヒットの予感──新型三菱アウトランダーPHEV試乗記

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より上質になったSUVは大ヒットの予感──新型三菱アウトランダーPHEV試乗記

フルモデルチェンジした三菱自動車(以下、三菱)の「アウトランダーPHEV」に小川フミオが試乗した。全方位で進化した最新SUVの実力とは?

“満足いく仕上がりになりました”

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いいSUVを探しているひとに、いまなら、まずこれに乗ってほしい。三菱が、2021年12月に発表したプレミアムSUV「アウトランダーPHEV」だ。魅力をひとことでいうと、全方位的によく出来ているから。

新しいアウトランダーPHEVは、2.4リッター直列4気筒ガソリン・エンジンと、外部充電可能なプラグ・イン・ハイブリッド・システムを組み合わせた4輪駆動モデルである。動力系がパワーアップするとともに、航続距離も伸び、そして、クルマにとって“キホンのキ”というべき操縦性がうんとよくなった。

スタイリングも、従来とくらべ、上質感が増した。力強さをうまく表現した曲面と、深くシャープにえぐられたようなキャラクターラインが印象的。“ダイナミックシールド”と呼ばれる三菱車の個性的なフロントマスクも、アクが薄まり、高級感がより強く出ているように感じられた。

新型アウトランダーPHEVは、三菱がアライアンスを組む日産自動車の新型「ローグ」(北米では2020年6月に発表ずみ)とプラットフォームを共用。サスペンションの一部などもおなじパーツを使うものの、プラグ・イン・ハイブリッド・システムは三菱ならではのもの。

「開発中は日産さんも大変だったと思いますが、満足いく仕上がりになりました」

アウトランダーPHEVの開発を担当した三菱自動車・製品開発本部の野口泰彦さんは、試乗会の会場でそう教えてくれた。

パワフルな走り

新型アウトランダーPHEVは、基本的にはEVで走る。20kWhにパワーアップした駆動用バッテリーの容量が規定値まで下がると、エンジンが始動する。ただし、バッテリーパワーがゼロになることはなく、AWDと三菱が呼ぶフルタイム4WDシステムが働くなる心配はない。

システムは、エンジンが98kWの最高出力と195Nmの最大トルクを発生。モーターは、前85kW、うしろ100kW、最大トルクは255Nm、195Nm。モーターゆえに発進からかなり力強い。ボディの大きさなんか、まったく気にならないほど、軽やかな出足なのだ。

加速性もよく、アクセルペダルの踏み込みとともに、ぐんぐんと加速。車内のノイズは、ていねいに“まとめられて”いるので、耳ざわりな音が気になるという場面はなかった。静粛性の高い車内にいて、ステアリング・ホイールを軽く握っているだけで、速度ががんがん上がっていく。実にパワフルだ。

三菱では「マイパイロット」と名づけた、高速道路同一車線運転支援機能システムの動きのよさは、日産車の「プロパイロット」で体験ずみのもの。アウトランダーでも、ステアリング・ホイールに設けられたボタンのひと押しで、先行車追従機能をもったアダプティブ・クルーズ・コントロールと、車線維持機能の恩恵にあずかれる。

ある程度速度が上がると、エンジンが始動する(らしい)。“らしい”と、書くのが適当に思えるぐらい、モーターからエンジンへの移行はスムーズで、ほとんど体感できない。

このスムーズで静かなエンジンは、アウトランダーPHEVと同クラスあるいはそれより価格的に上に位置づけられる他社のプラグ・イン・ハイブリッドより、ずっといいフィールだ。

輸入車からの乗り換えも

ドライブモードも、オフロードを得意としてきた三菱のクルマづくりの伝統を反映して、スノーに加えて、マッド(泥濘地)とかグラベル(砂利)とかいろいろ任意で選べる。市街地走行なら「ターマック(舗装)」にして、さらに「ノーマル」「エコ」「スポーツ」の選択が組み合わせられる。

基本的には「ノーマル」で十分速さが楽しめる。同時に回生ブレーキの強さがステアリング・ホイール背後のパドルで選べるので、スムーズな走行だったら「B1」とか「B0(ゼロ)」の回生力がいいし、走行距離を伸ばしたかったら、バッテリーへの充電が積極的におこなわれる「B2」(これがデフォルト)以上がいいと思う。

基本的にシャシーとサスペンションシステムがしっかりしているうえに、4輪の駆動力を最適制御するための「S-AWC(スーパーオールホイールコントロール)」が効くので、カーブを曲がるのも得意だ。小さなカーブだろうと、ボディがロールするのを抑えつつ、まるでスポーツカーのように速い速度で曲がれる。不安感はゼロ。

インテリアは、主要市場のひとつである北米のトレンドでもある水平基調のダッシュボードで広々感が強調され、同時に、ダッシュボードやシートにライトグレーを採用した、今回のテスト車のような内装の仕上げが、ちょっと官能的な雰囲気を出している。

3グレードのうち、トップグレード「P」(532万700円~)は7人乗りの3列シート仕様。その下の「G」(490万4900円~)に2列シート仕様と3列シート仕様が用意される。2705mmのロングホイールベースのおかげで、3列目に身長175cmの人間も、腰かけていられる。

ベースグレード「M」(462万1100円~)は2列シート仕様のみの設定だ。

驚くのは、いまもっとも売れているのは、最上級グレードの「P」という事実だ。

このグレードには、ヘッドアップディスプレイ、セミアリニンレザーシート、リフレッシュ機能付きフロントシート、後席シートヒーター、3ゾーン独立温度コントロール式フルオートエアコン、3ゾーン独立温度コントロール式フルオートエアコンなどが標準装備。

「輸入車を含めたプレミアム・ブランドからの乗り換えもあるようです」

三菱自動車の広報担当者はそう述べた。同氏の言葉を借りれば「久しぶりに大きなヒットの予感」だそう。

くわえて、アウトランダーPHEVはプレミアム・モデルということもあってか、制服を一新した販売店もあるなど、全体に“ヤル気”を刺激してくれているとか。

ご同慶のいたりである。

文・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.)

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みんなのコメント

13件
  • 早速試乗しました。

    【良かった点】
    ①久しぶりに欲しくなるプレミアム感あるデザイン。金太郎飴のトヨタと大違い。三菱の復活を感じさせます。GLCクーペと並んでも見劣りしません。
    ②ステアリングの感触。ウッドとのコンビも設定願います!
    ③電気モードだととても静か。反無、エンジン音質には少々がっかり。

    【気になる点】
    ①目が慣れると一部内装のチープさが気になります。特にドアノブ。オプションでアルミ部材も用意して欲しいものです。(真剣)
    ②電気モードでベタ踏みすると、60km迄の加速感は良いものの、それ以上がいま一つ。京急快特の加速感の方がスリリングかも。(笑) 
    ③BOSEという割に大した音じゃありません。ノーブランド品で組んだ私のスペースギアの方が数倍良い音します。(残念)
    ④ハンドルがクイックすぎます。プレミアム感出すならもう少しゆったりさせて欲しいものです。(是非)

    とは言え、真剣に購入を検討中なのです!
  • eKクロスと同じデザインなのはガッカリだな。
    軽より後から登場した普通車が軽そっくりなのは
    イメージ的にマイナスだと思う。逆ならいいが。
    パジェロの後にパジェロミニが登場したようにね。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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