プレミアムSUVの王者というか最高峰がドイツのメルセデス・ベンツ Gクラスなのか、それとも英国のレンジローバーなのかは微妙なところだ。さらに最近はランボルギーニやベントレーなども超が付くほどプレミアムなSUVをリリースし始めたため、事態はより混沌としている。
だが、そのうちのどれが“最高峰”であろうとなかろうと、断言できることがひとつある。それらSUVはどれも「ギラついて見える」ということだ。
“ゲレンデヴァーゲン”の変わったところと変わらないところ──メルセデス・ベンツ新型Gクラスを試す
富と現世的成功のシンボルというか、より具体的には「夜の六本木の匂い」みたいなものを濃厚にまとっているのが、それら最新輸入プレミアムSUVの特徴である。
そういったシンボル、あるいは匂いを好む人が世の中に多いことは筆者も知っており、それについては特に文句も異議もない。
だが、世の中にはそういった匂いなどわずらわしいと感じる人種もいる。自分の持ち物にはもう少し枯れたニュアンスがあってほしいと考える一群の趣味人だ。
そういった趣味人がもしもプレミアムSUVを購入するとしたら、有力候補のひとつは「先代メルセデス・ベンツ Gクラスのユーズドカー」となるだろう。
NATO軍軍用車の民生版に端を発し、1980年代は「ゲレンデヴァーゲン」との名称で親しまれたというか畏怖されたGクラス。きわめて人気が高いため中古車市場での流通量は豊富で、なかなか探しやすい。
そして1979年登場の初代から、昨年2018年に誕生した3代目(現行型)に至るすべての世代が「ある意味ほとんど似たような造形」であるため、先代のユーズドカーであっても劇的な型落ち感はない。
さらに、先代とはいえその末期年式(2016年式とか)はかなりギラついたデザインに変わっているのだが、90年代末期や00年代ぐらいの年式であれば、ちょうどいい塩梅の「枯れ感」を伴っている。
で、しっかり整備されてきた個体でさえあれば、さすが往年のメルセデスだけあって今なおかなりビッとした硬質な走りを楽しむこともできる。
……という具合に、ある種の人々にとっては良いことづくめな先代メルセデス Gクラスの中期年式ユーズドカーなわけだが、多少の難点がないわけではない。
難点とは、「本人としては『枯れ感』のつもりでも、周囲からは『ヤレ感』と見られてしまう可能性がある」ということだ。
前述のとおり、Gクラスは先代であってもその末期年式はかなりギラついた雰囲気になっている。だがそれは「細部のあしらい」による効果であって、ボディデザインの基本骨格みたいな部分はモデルライフを通じてほぼ同一だ。
そしてカタチがほぼ同一であるがゆえに、「細部のあしらいの違い」が妙に目立ってしまうのである。具体的には「なんだか知らないけど、末期年式以外は妙に古びて見える」ということだ。
趣味人としてはそこを「古びている」のではなく「侘びているのだ、寂びているのだ」と自負するわけだが、そういった自負が世の大衆にも通じるとは限らない。
むしろ通じず、「お金がないから、古めの中古Gクラスを無理して買ったヒト」という、許しがたい誤解に基づく烙印を押されてしまう場合のほうが多いだろう。
「周囲の目なんかどうでもいいよ。オレはオレの道を行くのみさ」
そううそぶくのも悪くないし、筆者も、個人的にはそれに近い考えを持っている。
それゆえ、無知・無教養に基づく周囲からの誤解をいっさい気にしないのであれば、後顧の憂いなく先代Gクラス中期年式のユーズドカーを買ってみればよいと思う。幸いにして流通台数は豊富であり、その筋の専門店も、大都市ならばそれなりの数が存在している。
だが、「そういうふうに思われちゃうのはちょっと嫌かも……」と考える人に対しては、ひとつの提案をさせていただきたい。
提案とは「ショートボディに絞って探してみてはどうですか?」ということだ。
ここまでひとまとめに「先代メルセデス・ベンツ Gクラス」と呼んできたが、実はその構成は大きく2つに分かれている。5ドアの「ロングボディ」と、3ドアの「ショートボディ」だ。
中古車流通の大半はロングボディであり、昨年登場した現行Gクラスも、現在販売されているのは豪華なロングボディ版のみとなっている。
それに対して先代の3ドアショートボディは、いわゆるGクラスらしいゴージャス感には欠けるためやや人気薄で、そもそも2000年代半ば頃までしか正規輸入されなかったということもあって、中古車の流通台数は(ロングボディと比べれば)かなり少なめだ。
だが、そこが逆にいいのだ。
ゴージャス感に欠けるということは「やたらゴージャスな現行型や先代末期年式とは明らかに違う存在である」という意味であり、明らかに違うということは、「好きだから、あえてコレに乗っているのだ」という積極的な意思の表明でもある。
またショートボディであることすなわち寸法的に短く重量的に軽いクルマを選ぶということは、若々しく軽やかであることを希求するマインドの現れでもある。
端的に言ってしまえば、ショートボディの先代Gクラスは「スポーティ」なのだ。そこにこそ、この侘び寂び系絶版名車の大いなる価値がある。
そして前述のとおりショート版はモデルライフの途中で輸入打ち切りとなったため流通台数が少なく、街で見かける機会も少ない。つまり新旧問わずのロングボディ版Gクラスや、その他の売れ筋プレミアムSUVのような「あぁ、またそれですか」的にありふれた存在ではない──ということだ。
観念的な話ではなく具体的なことを言うのであれば、流通の中心は3.2リッターのV6エンジンを積んだ2002年式付近の「G320」というグレード。ロングボディにこの3.2リッター エンジンだとハッキリ言って少々かったるいのだが、ショートボディであれば特に問題なし。まあまあキビキビと走ることができる。
そして中古車のプライスは個体ごとに千差万別ではあるのだが、おおむね300万円から600万円といったところ。「高くもなく、安くもなく」といったところだろうか。
数カ月前。個人的に先代Gクラスのショートボディが気になって調べてみた際は、その中古車流通量の少なさに愕然とした。しかし本日、あらためてショートボディの流通状況を調査してみると……けっこう増えている。さすがに「豊富!」というほどの数ではないが、まずまずの流通量にはなっているのだ。
たまたま、という可能性もある。だが軽やかショートボディの先代Gクラスはもしかしたら今、「キテる」のかもしれない。
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